ダイヤモンド
『もう良い。』
「いや、そんな怒らなくてもさ…」
『優紀はそれで良いと思ってるん?はぁ、呆れるわ!!』
仕事中、オフィスに怒る彩ちゃんの声が響き渡った。
こんなに怒るのも珍しくて、どうしたんやろってみんな何気ないふりして見てた。
「彩ちゃん、イライラしてるなぁ…」
家でもこんなイライラしてなかった気がするんやけど、まぁ仕事となると彩ちゃんの方が上司やし…仕事の内容も責任感も私には分からない大変さがあるんかなって。
そんなことを考えてたら…
「ちょっと、夢莉ちゃん…」
「あれ、優紀さん。」
「彩ちゃん、どうにかして…怖いんやけど。」
「何があったんですか?私でもあんなに怒らせたことないんですけど。」
「分からないんだって、会議前の打ち合わせしてたらさ…なんかイライラしてて怒るんやって。」
『優紀?何してるん。』
「あっ、えっと…」
私に助けを求めに来た優紀さんは、どうやってここに相談しにきたんやろう。
すぐ彩ちゃんに見つかった。
「彩ちゃん、なにがあったん?あんなに怒ってみんな驚いでるで?」
『別に、なんでもないよ。ほら早く優紀きて。』
「は、はい!!」
私に助けてって、顔しながら優紀さんはすぐについて行った。
「彩ちゃん、生理前かな。」
だいたい想像がついた。
私に当たってくることはないけど、仕事ではイライラしがちやから。
でもだいたい矛先は優紀さんなんだよね。
一緒に仕事してるから。
それにたぶん彩ちゃんのイライラポイントをついてくるんだよ。
それから、家に帰った。
『はぁ、もう…お腹痛い。』
「大丈夫?あったかいお茶入れたよ。」
予想通りに、帰ると早々彩ちゃんはソファーにうづくまってお腹を痛がった。
『今日ほんまに多い日やねん…』
「しんどかったね、」
『もぅ、、ほんまに嫌や…』
「よしよし、泣かないの。」
私が膝枕をしてあげると、お腹に顔をうずかめながら泣き出した彩ちゃん。
女の子の日は家に帰ると赤ちゃんみたいになっちゃうんです。
でも、本当に体調も生理前生理中生理後は崩しやすくてしっかりと様子を見てあげないといけない。
大丈夫な期間の方が短いのです。
可哀想やって本当に思ってるけど、その反面で…
少し嬉しくなっちゃう自分もいる。
彩ちゃんは私がいないとダメやなぁって思うから…
『うぅ、、ゆーりっ、、、』
「お腹痛い?大丈夫?」
『うん、痛い…』
「イライラしちゃうのは分かるけどさ、あんまり怒ったらかわいそうだよ。優紀さん。」
『やって、いつも思うことはあるけど…いつも以上に目についてイライラして、我慢したらまた気分悪くなるねん。』
「あははっ、そりゃ我慢はダメだね?優紀さんには辛抱してもらおう。」
『優紀が悪いんやもん…』
「あれ?彩ちゃん?」
『すぅ…zzz』
「寝ちゃった、疲れたんやなって!お風呂入ってないよ〜、起きて!」
本当に自然に寝るから受け入れそうになったけど、まだお風呂に私たちは入ってません。
『ぅゔ、、お腹痛いねんって。』
「でも、生理の時はお風呂入らないといけないでしょ?」
『うん…一緒に入ってくれる?』
「う、うん…襲われても良いなら…^_^」
『んーん、やだ…いじわる。』
「うそうそ、一緒に入ろっか?しんどいもんね。」
『うん…』
本当に辛いんやろう、私にほぼ支えられながらお腹を抑えてお風呂場へ行った。
「大丈夫?」
『うん、でも浴槽はつかれへんから上がるね。』
「お腹温めなくて良いの?私なら大丈夫やけど。」
『だめだめ、決めたやろ?生理の時は禁止って。』
「そっか…」
私はそんなに酷くないから別に大丈夫なんやけど、彩さんは自分の時が悪いからって入らないことにしてる。
別に大丈夫なのにな。
「彩ちゃん、あれ?いない。」
体調があまり良くなさそうやから、心配で早めに上がった彩ちゃんが気になって私も湯には浸からず上がった。
「そんなに痛い?大丈夫?」
『うん…大丈夫や、今回はちょっと重いだけ。』
タオルに包まったまま蹲ってた。
「ほんとに?とりあえず服を着よっか。」
『うん…』
でも、いつも以上に痛がって余計に心配になってきた。
『うゔっ、、、』
「彩ちゃん!?」
どんどん顔が真っ青になって彩ちゃんは余計に苦しそうに辛そうにしてた。
「ちょっと待って救急車呼ぶから。」
私はすぐに救急車に連絡をして、彩ちゃんにも簡単に服を着させた。
病院にすぐに運ばれ、彩ちゃんは点滴してもらった。
「ふぅ、びっくりした…」
普通の人より生理が重いらしく、今日は疲れやストレスと生理が重なり酷い貧血を起こしたらしい。
点滴室で眠ってる彩ちゃんを見てるだけでもまだ手の震えは止まらなかった。
『んんぅ…ゆーり…?』
「あ、目が覚めた?」
『ここは?』
「病院やで、貧血で倒れたんだよ。しんどかったね。」
彩ちゃんの頭を撫でると、涙が出てきた。
「あれ、なんでやろ…」
『ゆーり?どしたん』
「怖かった、、彩ちゃん…このまま目が覚めんかったらって思って、、」
『ごめんね、、ほんとに…』
「ううん、彩ちゃんは痛かったよね。ごめんね、お風呂に早く入ってなんて言って…」
『ふふっ、それはいつも言われてるから仕方ないやん。』
「うんっ、、、」
『ごめんって、退院して落ち着いたらいちごみるくのお風呂に一緒に入ろうね。』
「ふふっ、うん。早く元気になろうね。」
私な彩ちゃんにぎゅっと抱きしめられて、失いそうで怖かったこと自分の情けなさに嫌気がさしてたこと…全て包み込んでもらえて癒させれた。
私も彩ちゃんをもっと守れる人になりたい。
