はちみつれもん


それから私たちは家に帰った。




「おかえり〜」



『ただいま、夢乃ねちゃった。』



「でもお腹空いてるやろ?もう少ししたら起きるって。」



『ふふっ、そうやな。』



夢莉は一緒に暮らすことは気にしなくて良いって、言ってくれたけど…


私はそうはいかないと思ってる。



山田とここで暮らしてる生活はすごく楽しくて安心できるし、なにより慣れてるから…過ごしやすいな越したことはない。



夢乃のことだって、私よりしてくれてる…



でも、やっぱり夢莉がプロポーズをしてくれて結婚ってなったら…夢乃のパパになってくれるって言ってくれたからには。



別々で暮らす選択肢は私にはなかった。




それでも、やっぱり山田になんて言い出すか…



それだけが、分からなくて。




山田のことも本当に変わらないないくらい、大切に思ってるからこそ。



夢乃もきっとそうだから。



「菜々さんのごちそう凄いですね!」



「やろ?夢乃が好きなものばっかりやで。」

「幸せものやなぁ、夢乃ちゃんのおかげで僕も食べられてラッキーって思ってます!あはは!」


「ふふっ、夢莉くんって本当に可愛いよな?素直なところ大好きやわ。」



「えー!褒められた!」



「ほらほらこれから食べ始めてええよ?」



「いただきまーす!」



夢乃はまだ寝てるのに、山田と夢莉はお腹空いてるらしくて食べ始めた。



無理やり起こしたら、不機嫌になっちゃって誕生日会ぶち壊しになっちゃうから…よく知ってる2人に私はやっぱりホッとする。




「彩?食べんの?」



『あっ、私は夢乃が起きてからでええや。』


「そっか、って…え!?その指輪どうしたん!?」



『ふふっ、やっと気づいた?』



「あの、プロポーズさせていただきました。」



『ゆーりに、山田が言わんでも気づくか試してみようって言ってん。』



「えええ〜、、おめでとう!!彩!、、」



ぎゅっ、、



『ちょっと、なに泣いてるんよ』


山田は泣き出して、私を思い切り抱きしめてくれた。



「いやぁ、いつになったら結婚するかなって思っててん、、良かったなぁ。」



『ありがとう、、、山田…』



私もまたつられて泣いてしまった。



「あ〜、ごめん、、彩まで泣かんの。」



『やって、山田が泣くからさぁ…』


「ほらほら、ティッシュ!」


『ありがとう、、、』




「夢乃が起きたらびっくりするからな。」


『うん、、、』




そんな私たちのやりとりを夢莉は笑顔で見てた。



でも、しばらく泣きながら山田はまた号泣してる私を強く抱きしめてくれた。



「よしっ、もう泣くのは終わりね。おめでたいことやねんから。」



『うん!ありがとうね。』



それから今日の水族館での夢乃の喜びようを話しながらご飯を食べてた。




「んんぅ…まぁま…」




「あっ、やっと今日の主役が起きたで。」



『ほんまや、起きた?夢乃お腹空いたやろ?』



「しゅいたぁ!」



『じゃあ食べよっか!』



「あい!!」



「たーくさん、お食べ!ケーキもあるからね。」



「いただきまーす!!」




夢乃は好きな物がたくさんあるからいつも以上にすごい勢いでご飯を食べ始めた。




「幸せそうに食べるよね、本当に可愛い。」



『うん、そうやねんなぁ。』




ご飯を食べ終わると夢莉は家に帰った。



夢乃はケーキも食べたからか、お風呂に入るともう爆睡だった。





がちゃっ。




「彩?入っても良い?」



『ん?もちろん。』



「ふふっ、夢乃ぐっすりやな。」



『うん、楽しかったみたいや。』



「良かった良かった。」



『朝から念願の電車に乗って、ゆーりの家に行ってたくさんプレゼント貰って…水族館で大はしゃぎして夕寝して山田のご馳走食べてプレゼント貰って、大満足やろ。』



「ほんまやな、あんなに喜んでくれたらなんでもしてあげたくなるからなぁ。」



『元気に素直に育ってくれて、私は言うことないや。』 



「そうやね、ここまで彩は本当に頑張ったよ。」



『山田…』



「不安やったやろ?妊娠した時さ。」



『うん…正直な、だいぶ不安やったけど山田が居てくれたからやで?居なかったからって考えられへんもん。』



「私はそんな大したことはしてないよ、彩が頑張ったんやで?良い子に育って。やから、大好きな夢莉くんが迎えにきてくれたんや。」



『そんな、山田がおらんと今の私たちはないんやって…ゆーりのことも背中を押してくれたから。』



「いつプロポーズされたん?」


『朝やで、夢乃がプレゼントを開けて夢中で遊び出してしもうてん…水族館行くのに焦った。』


「あははっ、なんか彩の焦ってるの想像つくな?でも夢莉くんは想定内やったんやな。さすがや。」



『えっ?そうなん?』


「当たり前やろ、決めてたんやな。気づかんかったん?」


『そっか、全く気づかんかったわ…』


「でも、良かったね。本当におめでとうやわ。」


『ありがとう。』



「いつから一緒に暮らすん?」




まさかの山田からその話題がきた。



『まだ決まってないよ、山田と離れるのも私からしたら寂しいねん…』



「えー?決まってないん?」



『うん…やって、山田は夢乃の第二の母やし。』


「私のことは気にせんでええねん、夢乃のためにも混乱せんように早く一緒に暮らした方がええんやないんかな。」



『山田は寂しくないん?』


「え?」



『私らと離れるの…』




私はその話題を話すだけでも泣きそうやった。



「あはっ、寂しいけど仕方ないやろ?いつかこの日はからやろうって夢莉くんと再開した時に思ってたで。」




『え?そんな前から?』



「覚悟はしてたし、彩と夢乃が幸せになれるならそれ以上のことはないねんって。何も気兼ねせずに夢莉くんのところに行くんやで、彩。」



『山田…』



「もう会えないわけないやろ?いつでも会えるし、必要ならいつでも手伝いに行くし、保育園の送り迎えだってするからね。ご飯も食べにきたらええやん、お泊まりもやで?」


『ありがとう〜…やまだっ、、!!』




ぎゅっ。




「よしよしっ、幸せになるんやで彩。」



山田の優しさに包まれて、私はその日に決意した。




夢莉の家に引っ越すことを…




私が行きやすいように言ってくれたんやろうけど、山田の気持ちを無碍にしないためにも。












それから、引越しの日時も決まって仕事と手続きでバタバタの日々を過ごしてたから…



あっという間に山田と暮らす最後の日が来てしまった。







「なーたんとねるぅ。」




『うん、そうやね。いいよ。』



「またお泊まりも来れるんやからね?」



「あい!!いっしょぉねんね。」



「ふふっ、そうやな?毎日は会えなくなるから、またお泊まりにくるにしても一緒に寝よっか。」




その日は夢乃は山田と一緒に寝た。

寂しくなるけど、そんなことも言ってられないくらい明日から新しい日常が始まる。






夢莉と家族になれて嬉しいけど…不安がないこともなくて、とにかく今日は新生活に向けてぐっすり眠ろう。
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