はちみつれもん



それから、その週にお泊まりをしたけど夢乃ちゃんは喜んでくれて夜泣きも心配することなんてなかった。




付き合い始めてあっという間に一年が過ぎた…





僕たちの中心にあるのは夢乃ちゃんであることには変わりはなく、そんなことわざわざ言葉に出して言うこともなかった。










でも、そろそろ僕は2人と出掛けたり遊んだりして1日が終わって、またお泊まりが終わって



家に帰る時の寂しさに限界を感じてた。







「そろそろ…言ったらだめかな。」



でも、またそこでもたくさんの壁があることには覚悟もできてた。






「夢乃ちゃんさ、もうすぐ2歳だね?」



『そうやなぁ、プレゼント何がええんやろ。』


「キッチンとかどう?僕さ良いの見つけたんだ。」



『ふふっ、またそんな高いのじゃなくてええんやで。』



「お金の問題やないよ、夢乃ちゃんにとって良い物を使って欲しいから。」



『じゃあ、私も一緒にお金出すね。』



「お金は僕が出すから大丈夫だよ、でも2人からっていうのがなんか嬉しいんだよね。」




『私も出すよ、ちゃんと。夢乃、喜んでくれるかな?』


「いいのに…でも、喜んでくれると良いなぁ。」




毎週のお泊まりは本当に楽しいとかやなくて、もう安心する感じで…平日が僕には寂しすぎる。





やからか、菜々さんがご飯食べにおいでって言ってくれて平日でも彩さんたちのお家に行くことも増えた。





今日もご飯を食べにきたんだ…






「誕生日は3人で過ごしたらええやん?」



『なんでよ、山田も一緒にお祝いしてあげてよ。』



菜々さんは僕たちに気を遣って3人の時間をたくさんくれようとする。


でも、彩さんは菜々さんとの時間も大切にしたいって言ってて僕もそれは分かってる。




「やから、私は毎日一緒におるしさ?次の日でもお祝いはしてあげられるやろ。」



『んー、じゃあ夜はここで誕生日会で良い?みんなで夢乃のお誕生日をお祝いしてあげて欲しいから。』



「ゆーりくんはええん?どこかお泊まりで行きたいとか思ってるんやないかなって。」



「僕も夜はみんなでご馳走がいいなって思ってたから、菜々さんのご馳走かなって勝手に思ってました。あはは」



『ほらほら!』



「ふふっ、ほんなら気合い入れてご飯作る!」



『お願いしまーす!』



「じゃあ決まりですね!」



3人で夢乃ちゃんのお誕生日の日の流れはなんとなく決めて、当日は水族館に行くことも決まったし楽しみだな。



ーーー





『じゃあちょっと外までゆーりを見送ってくるね。』




「うん!気をつけてな。」



「彩さん良いんだよ、外寒いし。菜々さんお邪魔しました!」




「彩が夢莉くんと一緒にいたいんやって、見送りくらいさせてあげて。」



「は、はい。」



山田はちょっと大袈裟やけど、私の思ってること全部分かってるのが怖い。




夢莉もいっつも怖いのか姿勢がピシッとなってるのが面白い。









「ここまでで良いよ?寒いからさ。」



玄関を出てドアを閉めると、夢莉はすぐに言った。


『いーの、2人きりになれることなんてほぼないからね。』



すると、夢莉はニコッと嬉しそうに笑ってくれて手を握ってくれた。




「可愛いな、彩さん。」



『ふふっ、なによいきなり。』



「僕さ、そろそろ1人で家帰るの限界なんだよね。」



『え?』



「彩さんと夢乃ちゃんと家族になれたら、それが僕の一番の幸せやなって思ってるんだ。」



夢莉は真剣に私の目を見て話してくれた。


その想いに対して応えたいけど…



『うん…』




「彩さんは嫌かな?」


『嫌なわけないよ、でも…環境の変化とか色々心配やなって。』


「そっか…」



『ごめんな、ちゃんと返事できひんくて。』



「謝らなくて良いんだよ!全然、大丈夫やからさ。」



私だって、夢莉と家族になれたらどれだけ嬉しいか…幸せかって…思うけど。



夢乃のことを想うと、簡単に決断なんてできなくて…もし、小さいからこそ分からない夢乃を苦しめたらどうしようって思っちゃう。



『ごめん、ほんとに…』



「ほら、そんな気にしなくて良いんだよ!ゆっくりそこはやっぱり時間をかけてだよね。ごめん、僕が無神経やったね。」



夢莉まで謝らせてしまった。



私がはっきりしないから、決断できないし…夢莉の気持ちに応えられる返事ができないから


夢莉が悪いみたいに信用してないみたいになっちゃって、、



そんなことないのに…なんで私はいつもこうなんやろ。




『違う、、違うねん、、ゆーり…』



「さ、彩さん!?泣いてるの?!」



なんでか涙が出て止まらなくなってしまった。


それを見て夢莉は慌て始めた。




『やって、、私がっ、、』


「えっと、ちょっと車に乗ってゆっくり話しようか?ね?」


『うんっ、、』




夢乃が私にとって1番でかけがえのない存在なのには変わりない。


それはみんな知ってて、夢莉も山田だってあたり前やと思ってくれてる。




でも、夢莉はその中でもやっぱり特別でもう2度と離れたくない…夢乃のことを考えると夢莉をまた無碍にしてしまうのではないかって。


こうやって幸せな時間を過ごすとまたあの夢莉がいない日々が来るんじゃないかって思ってしまう。


もうわけわからない…自分がどうしたいかも分からない。




「彩さん、大丈夫?」



『うん、、ごめんな。』



「なんで謝るの?何にも悪くないよ。」



『うん…でも、ゆーりの気持ちにすぐには応えられないから、、それがいつまだかも分からないし。』



夢莉は少し悲しそうな顔をした、私はこの顔が耐えられない。



でも、仕方ないことなんや。我慢しないとダメだから。




「うん、大丈夫だよ。別に返事も待ってないしこのままでも十分過ぎるくらい幸せやからね。」


『ごめんね、ゆーり…』



「あははっ、だから謝らなくていいって!もう夜遅いし部屋まで送っていくよ。」



『ううん、大丈夫やで。私がここまで送ってきたんやから。』




「やって、心配なんだもん。」



『ふふっ、ごめんね。心配かけた?』


「うん、心配だよ。」



私が泣いたから…夢莉を見送りに私が駐車場まで降りたのに、部屋まで帰れるか心配させてしまった。



本当に心配そうに私を見てる。

その顔も私は愛おしくて改めてこの人を愛してて大好きやなって思う。


だからこそ今苦しくて苦しくて仕方ない。




夢乃のせいで我慢してるとかも思いたくないし、思わせたくもない。


ただ私の気持ちの問題なんだ…




『大丈夫やで、それにちょっと気持ちの整理するのに1人になりたいから。少しだけやけどね。』



「ほんとに?」



『うん、大丈夫や。着いたからちゃんとLINE送るね。』


「分かった、じゃあおやすみ。彩さん。」




『おやすみ、ゆーり。』




がちゃっ。



そうして、私が車を降りると夢莉は手を振りながら帰って行った。





部屋に帰るまで、さっきのことご頭にぐるぐるとも回る。





『ゆーりと結婚か…』



そんなの、考えたことなかったのに…




違う、再会するまでは考えることさえなかった。



まず夢乃がいるのに誰かと山田以外と暮らすなんて考えてもなかった。


私の気持ちが落ち着くのはいつなんやろう、、、


『ゆーり…私のこと、嫌いになったかな。』


でも、さっきのってもしかしてプロポーズを断ったことになるんかな?



いや…返事待ってないって言ってたよな。



そんなの絶対嘘や、返事が欲しいに決まってる。



私やって本当は夢乃と夢莉のところに行きたいけど…でも、それは夢乃にとって本当に幸せなのかな。



そのループで結局なにも整理できなかった。
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