あなたに贈る花とダンス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
某月某日、乱歩さんの案内役として着いて行ったその日は、特に何事もなく終わり、ようやっとお目当ての餡蜜を食べることが出来た。
「ん~……♪ 美味しい……」
甘さが体に染みわたってゆく……。
「乱歩さんも美味しいですか?」
「うん。陸が薦める甘味には外れがない」
「そうですか? そう云われると何だか照れます」
乱歩さんの案内役を務めるのは意外と楽しい。
自由奔放な乱歩さんと街を歩くのは楽しいし、事件を解決する乱歩さんを見るのもまた楽しい。
「今日もすごかったですね、超推理」
そう褒めると乱歩さんは満足気に笑いながらぱくりと白玉を口に入れる。
「そういや聞いたよ」
「何がです?」
「芥川のこと」
「んぐッ」
驚いて黒蜜が変なところに入り、咽てしまう。
水を飲んで落ち着かせる。
「けほっ、はあ。いきなり何てこと云うんです! それの所為で私はあの日一日眠れなかったんですよ」
「ははっ、そんなに悩んでたの?」
「当たり前です! ただでさえポート・マフィアという恐ろしい存在に出会って怖かったというのにそれが殺戮の異能力を持つ芥川に会ったんですよ⁉ 寿命が縮みました……」
乱歩さんがまたケラケラと笑う。
「……乱歩さんはわかりますか? 何故芥川が私に何の危害も与えず、名を聞いて去った理由を」
「解るけど……教えな~い」
口元に餡を付けながらにぱっと笑った。
「もう、何なんです……教えてくれていいでしょう……」
口元の蜜を取ってあげると乱歩さんはこんなことを云った。
「僕が思うに、これは君自身が気付いた方がいいと思う。君が理解しなきゃ意味がない」
「尤もらしいことを云うんですね」
「全部教えちゃ面白くないでしょ?」
「易しくない」
「っふふ」
自分で気づかなきゃ意味がない、か。
あの時偶々芥川の虫の居所が良かった? これが一番妥当と云えば妥当なのだけど……。
もしも万が一、億が一にでも太宰さんの言っていたあれだとしたら……。
あー、やだ! 解んない!
絡まった思考を投げ捨てるように私は餡蜜に乗っていたさくらんぼを口の中に放り込んだ。
「ん~……♪ 美味しい……」
甘さが体に染みわたってゆく……。
「乱歩さんも美味しいですか?」
「うん。陸が薦める甘味には外れがない」
「そうですか? そう云われると何だか照れます」
乱歩さんの案内役を務めるのは意外と楽しい。
自由奔放な乱歩さんと街を歩くのは楽しいし、事件を解決する乱歩さんを見るのもまた楽しい。
「今日もすごかったですね、超推理」
そう褒めると乱歩さんは満足気に笑いながらぱくりと白玉を口に入れる。
「そういや聞いたよ」
「何がです?」
「芥川のこと」
「んぐッ」
驚いて黒蜜が変なところに入り、咽てしまう。
水を飲んで落ち着かせる。
「けほっ、はあ。いきなり何てこと云うんです! それの所為で私はあの日一日眠れなかったんですよ」
「ははっ、そんなに悩んでたの?」
「当たり前です! ただでさえポート・マフィアという恐ろしい存在に出会って怖かったというのにそれが殺戮の異能力を持つ芥川に会ったんですよ⁉ 寿命が縮みました……」
乱歩さんがまたケラケラと笑う。
「……乱歩さんはわかりますか? 何故芥川が私に何の危害も与えず、名を聞いて去った理由を」
「解るけど……教えな~い」
口元に餡を付けながらにぱっと笑った。
「もう、何なんです……教えてくれていいでしょう……」
口元の蜜を取ってあげると乱歩さんはこんなことを云った。
「僕が思うに、これは君自身が気付いた方がいいと思う。君が理解しなきゃ意味がない」
「尤もらしいことを云うんですね」
「全部教えちゃ面白くないでしょ?」
「易しくない」
「っふふ」
自分で気づかなきゃ意味がない、か。
あの時偶々芥川の虫の居所が良かった? これが一番妥当と云えば妥当なのだけど……。
もしも万が一、億が一にでも太宰さんの言っていたあれだとしたら……。
あー、やだ! 解んない!
絡まった思考を投げ捨てるように私は餡蜜に乗っていたさくらんぼを口の中に放り込んだ。
8/8ページ