あなたに贈る花とダンス
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少し外に出て通行人やらに話を聞くだけだったのに、どっと疲れた。
探偵社に戻り机に項垂れる。
「おや陸ちゃん、疲れているようだけど何かあったのかい?」
太宰さんに頬を突かれながらそう聞かれる。
「……芥川に、会いました」
「何ッ!?」
ガタリと独歩さんが席を立つ。
何かされたかと聞かれ私は言葉に詰まる。
「何もされていない、というと嘘になるのですが……あの、なんていうか……」
「攻撃か! なんだ! 何をされた!?」
「……名前を聞かれました」
「はあ?」
「名前を聞かれた?」
「はい。正直云うと私は芥川に能力を発動していないのにも関わらず、私の名前を聞いたら去って行ってしまいました」
「…………どういうことだ? 芥川は女に優しくするような奴だったか?」
「真逆。でも、如何してなんだろうね。不思議だ」
「正直頭が痛いです。また、とも言われました」
「なッ、なんッ…!?」
独歩さんが眼鏡をカチャカチャと弄る。動揺しすぎじゃないか? ……当たり前か。私だってまだ混乱しているのだし。
「案外簡単な理由かもよ?」
「と、云うと?」
「陸ちゃんに惚れたとか」
「いやいやいや、無いでしょう。別に私は顔立ちが綺麗という訳でもないですし、そもそもの話、私は見かけで勝手に男だと思われるときもあるんですよ。そんな私に? 惚れた? 嘘も休み休み云えというものです」
「前にも云ったじゃない。君は綺麗だよ」
思わず早口になった私に太宰さんがそんなことを云う。
だから、そういうのはもっと可憐で守りたくなるような女の子に云ってほしいと……。
「もっと自分に自信をつけたらいいのに、君は綺麗だ、その薄藍色の瞳も、長くすらりとした手足も。君を形作る全てが美しいと私は思うよ」
「か、揶揄わないでください」
恥ずかしいことをペラペラと。ああもう。顔が熱い。
「ふふっ、照れてるの?」
「あ、あう……」
「後輩をおちょくるのは止めろ太宰」
「ええ~? だって可愛いんだもの」
「そろそろ陸から湯気でも出そうな勢いだ」
「太宰さんの意地悪。嫌いです」
「おや悲しい。泣いてしまいそうだよ」
「あ~もう! 太宰さんの嘘吐き! 莫迦!」
再度机に項垂れる。
こういう所があるから太宰さんは苦手だ。でも嫌いになれない。そんな狡い人だ。
……芥川は本当に何のつもりであんな行動をとったのだろう。
――陸ちゃんに惚れたとか。
いやない! 絶対にない!
今まで恋らしい恋はしてないし、好きだと告白してももっと可愛い女の子が好きだと断られる。あれ、私の恋愛って全部失敗……? 途端に悲しくなってきた。
「はあ」
ため息をつく。
探偵社に戻り机に項垂れる。
「おや陸ちゃん、疲れているようだけど何かあったのかい?」
太宰さんに頬を突かれながらそう聞かれる。
「……芥川に、会いました」
「何ッ!?」
ガタリと独歩さんが席を立つ。
何かされたかと聞かれ私は言葉に詰まる。
「何もされていない、というと嘘になるのですが……あの、なんていうか……」
「攻撃か! なんだ! 何をされた!?」
「……名前を聞かれました」
「はあ?」
「名前を聞かれた?」
「はい。正直云うと私は芥川に能力を発動していないのにも関わらず、私の名前を聞いたら去って行ってしまいました」
「…………どういうことだ? 芥川は女に優しくするような奴だったか?」
「真逆。でも、如何してなんだろうね。不思議だ」
「正直頭が痛いです。また、とも言われました」
「なッ、なんッ…!?」
独歩さんが眼鏡をカチャカチャと弄る。動揺しすぎじゃないか? ……当たり前か。私だってまだ混乱しているのだし。
「案外簡単な理由かもよ?」
「と、云うと?」
「陸ちゃんに惚れたとか」
「いやいやいや、無いでしょう。別に私は顔立ちが綺麗という訳でもないですし、そもそもの話、私は見かけで勝手に男だと思われるときもあるんですよ。そんな私に? 惚れた? 嘘も休み休み云えというものです」
「前にも云ったじゃない。君は綺麗だよ」
思わず早口になった私に太宰さんがそんなことを云う。
だから、そういうのはもっと可憐で守りたくなるような女の子に云ってほしいと……。
「もっと自分に自信をつけたらいいのに、君は綺麗だ、その薄藍色の瞳も、長くすらりとした手足も。君を形作る全てが美しいと私は思うよ」
「か、揶揄わないでください」
恥ずかしいことをペラペラと。ああもう。顔が熱い。
「ふふっ、照れてるの?」
「あ、あう……」
「後輩をおちょくるのは止めろ太宰」
「ええ~? だって可愛いんだもの」
「そろそろ陸から湯気でも出そうな勢いだ」
「太宰さんの意地悪。嫌いです」
「おや悲しい。泣いてしまいそうだよ」
「あ~もう! 太宰さんの嘘吐き! 莫迦!」
再度机に項垂れる。
こういう所があるから太宰さんは苦手だ。でも嫌いになれない。そんな狡い人だ。
……芥川は本当に何のつもりであんな行動をとったのだろう。
――陸ちゃんに惚れたとか。
いやない! 絶対にない!
今まで恋らしい恋はしてないし、好きだと告白してももっと可愛い女の子が好きだと断られる。あれ、私の恋愛って全部失敗……? 途端に悲しくなってきた。
「はあ」
ため息をつく。