序章
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その日の夕焼けはとても赤く美しかった。と、多くの人が思っただろう。
それは、ナマエも思っていたことだった。
写真部の活動の帰りナマエは眩しく美しい夕焼けを撮ろうとしていた。
「もう少し良く撮りたいんだけどな……」
そんな独り言を呟いた時、それに返事をするかのように猫の鳴き声が聞こえた。
きょろきょろと辺りを見渡し猫を探す。
「わぁ」
声の主である猫はとても綺麗な猫だった。
汚れ一つない真っ白な長毛の猫、快晴の空を閉じ込めたかのような青い青い瞳、吸い込まれそうと思ってしまうような綺麗な瞳だった。
足に擦り寄ってくる猫の額を優しく撫でる。
「首輪はしてないように見えるけど、きっと飼い猫だよね。こんな綺麗なんだし……」
猫はにゃあともう一度鳴くと、歩き始める。
少し歩くと猫は振り返り、ナマエをじっと見てまた鳴く。
「……着いて来いって?」
首を傾げながらもナマエは素直に猫の後をついて行った。
コンクリートの道は次第に獣道へと変わり、道幅も徐々に狭まっていった。
「猫ちゃんどこ行くの?」
『にゃおん』
「猫語はわからないなあ……」
鳴き声を発する猫に対して困ったように言う。
歩き出した猫を見て、特にこれといった用事もないナマエはそのままついて行くことにした。
ついて行って数分後、獣道を抜けると猫はぴたりと止まった。
そこはとても静かな住宅街だった。
「?、ここにきみの飼い主さんがいるのかな?」
『にゃ〜』
「何?……これ、祠ってやつ、かな?」
道を出たすぐ端にあった小さな祠
中には埃をかぶった小さな鏡のようなものがあり、ナマエはその埃を払った。
あまり主張の激しくない控えめな装飾の鏡は不思議と神秘的な雰囲気を纏っていた。その神秘的な祠に、ナマエはまるで引っ張られるかのように近づき、覗き込んだ。
「……?!」
覗き込んだ途端、急な目眩がナマエを襲った。よろよろと数歩後退る。
浅い呼吸をしたその直後、内蔵がふわりと浮くような錯覚と不快感。
嫌な汗がダラダラと流れ、吐きそうになるのをぐっと堪えているうちにナマエはふっと意識を手放してしまった。
『にゃあ』
猫が鳴く。
そこにナマエの姿はなく、代わりにナマエの持っていたカメラとスクールバッグがぽつんと落ちていた。
それは、ナマエも思っていたことだった。
写真部の活動の帰りナマエは眩しく美しい夕焼けを撮ろうとしていた。
「もう少し良く撮りたいんだけどな……」
そんな独り言を呟いた時、それに返事をするかのように猫の鳴き声が聞こえた。
きょろきょろと辺りを見渡し猫を探す。
「わぁ」
声の主である猫はとても綺麗な猫だった。
汚れ一つない真っ白な長毛の猫、快晴の空を閉じ込めたかのような青い青い瞳、吸い込まれそうと思ってしまうような綺麗な瞳だった。
足に擦り寄ってくる猫の額を優しく撫でる。
「首輪はしてないように見えるけど、きっと飼い猫だよね。こんな綺麗なんだし……」
猫はにゃあともう一度鳴くと、歩き始める。
少し歩くと猫は振り返り、ナマエをじっと見てまた鳴く。
「……着いて来いって?」
首を傾げながらもナマエは素直に猫の後をついて行った。
コンクリートの道は次第に獣道へと変わり、道幅も徐々に狭まっていった。
「猫ちゃんどこ行くの?」
『にゃおん』
「猫語はわからないなあ……」
鳴き声を発する猫に対して困ったように言う。
歩き出した猫を見て、特にこれといった用事もないナマエはそのままついて行くことにした。
ついて行って数分後、獣道を抜けると猫はぴたりと止まった。
そこはとても静かな住宅街だった。
「?、ここにきみの飼い主さんがいるのかな?」
『にゃ〜』
「何?……これ、祠ってやつ、かな?」
道を出たすぐ端にあった小さな祠
中には埃をかぶった小さな鏡のようなものがあり、ナマエはその埃を払った。
あまり主張の激しくない控えめな装飾の鏡は不思議と神秘的な雰囲気を纏っていた。その神秘的な祠に、ナマエはまるで引っ張られるかのように近づき、覗き込んだ。
「……?!」
覗き込んだ途端、急な目眩がナマエを襲った。よろよろと数歩後退る。
浅い呼吸をしたその直後、内蔵がふわりと浮くような錯覚と不快感。
嫌な汗がダラダラと流れ、吐きそうになるのをぐっと堪えているうちにナマエはふっと意識を手放してしまった。
『にゃあ』
猫が鳴く。
そこにナマエの姿はなく、代わりにナマエの持っていたカメラとスクールバッグがぽつんと落ちていた。
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