三章
夢小説設定
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部屋に帰るなりキロランケはぐっすり眠ってしまった。
「んも~……」
呆れつつキロランケに布団をかけてナマエも眠ることにした。
「その前にトイレ行こう」
眠い目をこすりながらトイレに向かい用を足す。
トイレから出ると家永が立っていた。
「ヒュッ……な、なん、ですか?」
思わずしどろもどろな返答になってしまうナマエを見て家永はニコリと微笑んだ。
「やっぱり綺麗な琥珀色の瞳、すらりと長い手足……惚れ惚れする体ですわ」
「ほ、褒め言葉と受け取りますね。では私は部屋に戻ります。おやすみなさい」
「ええ、おやすみなさいませ」
何故か本能的に危ういと思い足早に自分の部屋に戻る。
怖くなり布団にくるまって目を閉じた。
眠りは浅くなるがどこでも寝られるのはナマエのいいところなのかもしれない。
――ガタッ
「……っ」
騒がしい物音に起きると白石がキロランケに跨っていた。
ナマエに声をかける前に注射器を持った家永が現れ白石は部屋から飛び出した。
寝ていないナマエを見て強制的に寝かせようと注射器をナマエに向けるがナマエは反射で家永の持っている注射器を叩き落とし部屋を出る。
「びっっくりした、心臓に悪いって」
ぐるりと回るようにしてもう一度部屋に戻る。
キロランケは家永に腹に乗られた衝撃で起きていた。
「さっき白石なんて言ってた?」
「あの女将が入れ墨の囚人だったって」
「マジかよ」
「流石の白石さんもそんなくだらない嘘はつかないと思いますよ」
「そうだよな、荷物持ってホテルを出るか」
――ドンッ
「手投げ弾の爆破音」
「俺のを白石が持ってたんだろう」
ホテル内がとんでもなく騒がしい。
二人が部屋から出ると杉元もアシㇼパを抱きかかえて階段を下りるところだった。
ガタンと階段が坂になり滑り落ちる。
突然視界が回ったのにナマエは頭がくらっとしたが咄嗟にキロランケに守られるように抱えられたため怪我はなかった。
「なんなんだ!?この仕掛けは」
「早く外に出なきゃ!」
ナマエが玄関の扉を開けたと同時にホテルが爆散する。
「チンポ先生は?チンポ先生え~~っ!」
「アシㇼパちゃん……」
「はっ、チンポ先生……」
「はんぺんだろそれ」
「警察や軍も集まってくるぞ。面倒になる……ひとまずずらかろう」
「ますます網走ののっぺらぼうに会わなきゃいけなくなってきたぜ。あの不敗の牛山が吹っ飛んじまっていればの話だが……」
「牛山さんは多分死んでない。そんな気がする」
ぽつりと呟いたナマエに杉元は異様な寒気を感じたが、気のせいだと思うことにした。
だって目の前にいるのは囚人でもなんでもない、ちょっとばかし運動神経のいい一般人のはずなのだから。
次の日、明るくなってから瓦礫を退けて牛山を探す一行
「杉元、野次馬から聞いたんだが、消防も警察も死傷者は見つけられなかったらしい。地下室の死体も吹っ飛んだか瓦礫で深く埋もれてしまったようだ。二人の死体があるとすればそこかもな」
「爆発の直前まで家永も牛山も俺たちと同じ二階にいたと白石が言っていた」
「そうなると地下に埋もれたとは考えにくいね」
「二人とも無事避難できたかもしれないな」
「そのはんぺん捨てなさいよ?」
そんな話をしている中、ナマエはまたこれからのことを考えてしまっていた。
ぐるぐると考えてしまうのはナマエの悪い癖だ。直そうと思っても直らない昔からの癖。
「あいつどこ行った?」
「ススキノだろ、あのエロ坊主」
「人間の三大欲求だし、しょうがないってことで」
「だがそのススキノで俺は囚人の情報を掴んできたぜ!網走の計画だってうまくいく保証はないんだからよう、道すがら囚人の情報が手に入ればそこへ向かってみるべきだと思うんだよな」
「で?囚人はどこにいる?」
「日高だ」
日高に向かう途中、ナマエは鞄の中から貰った手投げ弾を一つ取り出した。
「キロランケさんの手投げ弾結局私にくれた三つだけになっちゃったね」
「白石の馬鹿がドジしなきゃもっとあったんだけどな」
「……てへっ」
「それで済んだら警察も何もいらないんですよ」
「蛍ちゃん厳し~……」
札幌から南へ約60キロ、勇払にあるコタン
なくなった手投げ弾補補充するためにも金が必要なため、狐とエゾリスを狩った。
「お前がキロランケの爆薬を台無しにしなきゃ猟で金作って買い直す必要もなかったのに」
こつん、と自分の頭を小突いて舌を出す白石は死ぬほど腹立つ顔だった。
「杉元、それになこの男は札幌で……」
「キロちゃんそれ言わないでぇ?」
「アシㇼパちゃんから金借りて競馬で全部スッたんだよ」
「ナマエちゃ~~ん??言っちゃったねえ????」
言おうとしたキロランケの口を塞ぐも後ろにいたナマエが杉元に暴露する。
「あのお金、博打に使ったのか……」
「樽の底の油舐めろ」
「やだあっ!」
「押さえろ小鳥遊」
「ナマエちゃん?くそ味方いねえ!」
ナマエに押さえられた白石は頭に狐用の罠をかぶせられ、膝をストゥで殴られる。
「しばらく苫小牧の勇払に滞在するしかねえな」
「んも~……」
呆れつつキロランケに布団をかけてナマエも眠ることにした。
「その前にトイレ行こう」
眠い目をこすりながらトイレに向かい用を足す。
トイレから出ると家永が立っていた。
「ヒュッ……な、なん、ですか?」
思わずしどろもどろな返答になってしまうナマエを見て家永はニコリと微笑んだ。
「やっぱり綺麗な琥珀色の瞳、すらりと長い手足……惚れ惚れする体ですわ」
「ほ、褒め言葉と受け取りますね。では私は部屋に戻ります。おやすみなさい」
「ええ、おやすみなさいませ」
何故か本能的に危ういと思い足早に自分の部屋に戻る。
怖くなり布団にくるまって目を閉じた。
眠りは浅くなるがどこでも寝られるのはナマエのいいところなのかもしれない。
――ガタッ
「……っ」
騒がしい物音に起きると白石がキロランケに跨っていた。
ナマエに声をかける前に注射器を持った家永が現れ白石は部屋から飛び出した。
寝ていないナマエを見て強制的に寝かせようと注射器をナマエに向けるがナマエは反射で家永の持っている注射器を叩き落とし部屋を出る。
「びっっくりした、心臓に悪いって」
ぐるりと回るようにしてもう一度部屋に戻る。
キロランケは家永に腹に乗られた衝撃で起きていた。
「さっき白石なんて言ってた?」
「あの女将が入れ墨の囚人だったって」
「マジかよ」
「流石の白石さんもそんなくだらない嘘はつかないと思いますよ」
「そうだよな、荷物持ってホテルを出るか」
――ドンッ
「手投げ弾の爆破音」
「俺のを白石が持ってたんだろう」
ホテル内がとんでもなく騒がしい。
二人が部屋から出ると杉元もアシㇼパを抱きかかえて階段を下りるところだった。
ガタンと階段が坂になり滑り落ちる。
突然視界が回ったのにナマエは頭がくらっとしたが咄嗟にキロランケに守られるように抱えられたため怪我はなかった。
「なんなんだ!?この仕掛けは」
「早く外に出なきゃ!」
ナマエが玄関の扉を開けたと同時にホテルが爆散する。
「チンポ先生は?チンポ先生え~~っ!」
「アシㇼパちゃん……」
「はっ、チンポ先生……」
「はんぺんだろそれ」
「警察や軍も集まってくるぞ。面倒になる……ひとまずずらかろう」
「ますます網走ののっぺらぼうに会わなきゃいけなくなってきたぜ。あの不敗の牛山が吹っ飛んじまっていればの話だが……」
「牛山さんは多分死んでない。そんな気がする」
ぽつりと呟いたナマエに杉元は異様な寒気を感じたが、気のせいだと思うことにした。
だって目の前にいるのは囚人でもなんでもない、ちょっとばかし運動神経のいい一般人のはずなのだから。
次の日、明るくなってから瓦礫を退けて牛山を探す一行
「杉元、野次馬から聞いたんだが、消防も警察も死傷者は見つけられなかったらしい。地下室の死体も吹っ飛んだか瓦礫で深く埋もれてしまったようだ。二人の死体があるとすればそこかもな」
「爆発の直前まで家永も牛山も俺たちと同じ二階にいたと白石が言っていた」
「そうなると地下に埋もれたとは考えにくいね」
「二人とも無事避難できたかもしれないな」
「そのはんぺん捨てなさいよ?」
そんな話をしている中、ナマエはまたこれからのことを考えてしまっていた。
ぐるぐると考えてしまうのはナマエの悪い癖だ。直そうと思っても直らない昔からの癖。
「あいつどこ行った?」
「ススキノだろ、あのエロ坊主」
「人間の三大欲求だし、しょうがないってことで」
「だがそのススキノで俺は囚人の情報を掴んできたぜ!網走の計画だってうまくいく保証はないんだからよう、道すがら囚人の情報が手に入ればそこへ向かってみるべきだと思うんだよな」
「で?囚人はどこにいる?」
「日高だ」
日高に向かう途中、ナマエは鞄の中から貰った手投げ弾を一つ取り出した。
「キロランケさんの手投げ弾結局私にくれた三つだけになっちゃったね」
「白石の馬鹿がドジしなきゃもっとあったんだけどな」
「……てへっ」
「それで済んだら警察も何もいらないんですよ」
「蛍ちゃん厳し~……」
札幌から南へ約60キロ、勇払にあるコタン
なくなった手投げ弾補補充するためにも金が必要なため、狐とエゾリスを狩った。
「お前がキロランケの爆薬を台無しにしなきゃ猟で金作って買い直す必要もなかったのに」
こつん、と自分の頭を小突いて舌を出す白石は死ぬほど腹立つ顔だった。
「杉元、それになこの男は札幌で……」
「キロちゃんそれ言わないでぇ?」
「アシㇼパちゃんから金借りて競馬で全部スッたんだよ」
「ナマエちゃ~~ん??言っちゃったねえ????」
言おうとしたキロランケの口を塞ぐも後ろにいたナマエが杉元に暴露する。
「あのお金、博打に使ったのか……」
「樽の底の油舐めろ」
「やだあっ!」
「押さえろ小鳥遊」
「ナマエちゃん?くそ味方いねえ!」
ナマエに押さえられた白石は頭に狐用の罠をかぶせられ、膝をストゥで殴られる。
「しばらく苫小牧の勇払に滞在するしかねえな」