四章
夢小説設定
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蛍は特に杉元に「女性だから」と言われて一人部屋になることが多かった。
部屋で静かに本を読んでいるとすぅっと障子が開いた。
「あ、勇作さん」
傍から見るとひとりでに開いた障子だが、勇作の姿がちゃんと見えている蛍からは普通に人が入ってきたにすぎないのですんなりと迎え入れ、本を傍らに置く。
「昼間の話の続きを聞きに来たんですか?」
「はい。昼間と同じ質問ですが、蛍さんは兄様と会ったことがあるのですか?」
「昼間も言いましたがありません。勇作さん、私は勇作さんを信じてこれから話します」
「安心してください。死人に口なし、今から聞く話をおれでは誰にも伝えることはできませんよ」
勇作はにこりと笑ってからぴしっと正座をして蛍の話を聞き始める。
蛍も自分のことを話すことに変に緊張することはなく、むしろ砕けて何か世間話をするかのように話したのだ。
自分が未来が来たということを全てを話した蛍はふっと一息ついた。
勇作はどんな言葉を言えばいいかわからない、そんな感じだった。
「……すいません。一気に話過ぎましたかね?」
「いえ、なんというか……眉唾物といいますか、どんな言葉を言えばいいのかわからないのです」
「そうですよね」
「でも蛍さんがこんな真剣な表情で嘘を言うとも思えないんです。だからおれは信じます」
「ありがとう、勇作さん」
お礼を言う蛍に勇作は思わずその頭を撫でた。
触れられないと思っていたのにすんなり触れたことに触った張本人が驚いていた。
「さ、触れるんですか……?」
「い、いえ、人に触れられたのは初めて、です……」
自分の手を見て困惑している勇作の手を蛍が触ろうとするが、何となく触れたという実感はあるが、ちゃんと掴むことはできずにするりと透けてしまう。
「あれ?」
「すり抜けましたね……」
「なぜでしょう。確かに触ったと思ったのですが」
蛍がもう一度勇作の手を掴もうとするが、やはりすり抜けてしまった。
「……もう一度勇作さんの方から触ってもらえますか?」
「は、はい」
差し出した手を勇作が掴むとすり抜けることはなくちゃんと掴むことができた。
「蛍さん、どんな感じですか?おれからはちゃんと体温を感じるほどしっかり掴めています」
「なんていえばいいんでしょうか……ぬるま湯に手を浸しているような……」
「変ですね、体温はないはずなのに」
「確かに、でも冷たいよりいいじゃないですか」
「それもそうですね」
ふふ、と笑う勇作につられて蛍もゆっくりと目を閉じて、口角を上げた。
「私の秘密を知ったんです。これから仲良くしてくださいね」
「もちろんです!」
ぬるま湯に浸かるようなほんのり温かい体温のようなものに蛍はうとうとしてしまう。
それを見かねた勇作はすぐに蛍を横にして、優しく布団をかける。
「おやすみなさい、蛍さん」
「はい……おやすみなさい……」
部屋で静かに本を読んでいるとすぅっと障子が開いた。
「あ、勇作さん」
傍から見るとひとりでに開いた障子だが、勇作の姿がちゃんと見えている蛍からは普通に人が入ってきたにすぎないのですんなりと迎え入れ、本を傍らに置く。
「昼間の話の続きを聞きに来たんですか?」
「はい。昼間と同じ質問ですが、蛍さんは兄様と会ったことがあるのですか?」
「昼間も言いましたがありません。勇作さん、私は勇作さんを信じてこれから話します」
「安心してください。死人に口なし、今から聞く話をおれでは誰にも伝えることはできませんよ」
勇作はにこりと笑ってからぴしっと正座をして蛍の話を聞き始める。
蛍も自分のことを話すことに変に緊張することはなく、むしろ砕けて何か世間話をするかのように話したのだ。
自分が未来が来たということを全てを話した蛍はふっと一息ついた。
勇作はどんな言葉を言えばいいかわからない、そんな感じだった。
「……すいません。一気に話過ぎましたかね?」
「いえ、なんというか……眉唾物といいますか、どんな言葉を言えばいいのかわからないのです」
「そうですよね」
「でも蛍さんがこんな真剣な表情で嘘を言うとも思えないんです。だからおれは信じます」
「ありがとう、勇作さん」
お礼を言う蛍に勇作は思わずその頭を撫でた。
触れられないと思っていたのにすんなり触れたことに触った張本人が驚いていた。
「さ、触れるんですか……?」
「い、いえ、人に触れられたのは初めて、です……」
自分の手を見て困惑している勇作の手を蛍が触ろうとするが、何となく触れたという実感はあるが、ちゃんと掴むことはできずにするりと透けてしまう。
「あれ?」
「すり抜けましたね……」
「なぜでしょう。確かに触ったと思ったのですが」
蛍がもう一度勇作の手を掴もうとするが、やはりすり抜けてしまった。
「……もう一度勇作さんの方から触ってもらえますか?」
「は、はい」
差し出した手を勇作が掴むとすり抜けることはなくちゃんと掴むことができた。
「蛍さん、どんな感じですか?おれからはちゃんと体温を感じるほどしっかり掴めています」
「なんていえばいいんでしょうか……ぬるま湯に手を浸しているような……」
「変ですね、体温はないはずなのに」
「確かに、でも冷たいよりいいじゃないですか」
「それもそうですね」
ふふ、と笑う勇作につられて蛍もゆっくりと目を閉じて、口角を上げた。
「私の秘密を知ったんです。これから仲良くしてくださいね」
「もちろんです!」
ぬるま湯に浸かるようなほんのり温かい体温のようなものに蛍はうとうとしてしまう。
それを見かねた勇作はすぐに蛍を横にして、優しく布団をかける。
「おやすみなさい、蛍さん」
「はい……おやすみなさい……」