四章
夢小説設定
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街に降りてナマエはキロランケとアシㇼパと一緒に刺青人皮の情報を集めていた。
特にこれらしい情報が聞けていないと少し落ち込んでいたとき、ナマエは白石にちょいちょいと呼ばれた。
「どうしたの?」
「ナマエちゃん、あの軍人知ってる?杉元が鶴見中尉のところで見た気がするって言ってたんだけど」
「月島っていう軍人さんです。確かに鶴見中尉のところにいましたよ」
「やっぱり鶴見中尉のとこにいた奴か。後をつけてみてみるか」
「キロランケとアシㇼパちゃん呼んでくる?向こうで聞き込みしてるけど」
「いや、見失う……一緒に来い」
「わ、私も?」
「そのつもりだったけど……怖い?」
「杉元くんもいるし大丈夫」
月島の後をしばらくつけて辿り着いたのは江渡貝邸
ナマエは静かに息をのんだ。
「ナマエは外で隠れてて」
「うん」
ナマエは杉元に言われるがままに江渡貝邸近くの茂みに身を隠した。
息を潜めながら待っていると割とすぐに二人は出てくる。
「ナマエ!江渡貝の後を追う!」
「いっ今行く!」
がばっと立ち上がったからか一瞬よろけてしまう。
だがすぐに持ち直して二人の後を追った。
その時、するりと首元を撫でるような冷たい風が吹いたのをナマエは知らないふりをした。
町民に月島のことを聞いて江渡貝らの後を追う。
炭鉱に着くと、白熊と軍人という奇妙な二人組を見つける。
「いた!俺たちもトロッコで追いかけるぞっ、蛍は危ないから外で待っていてくれ!」
ナマエは頷いてすぐに発車してしまったトロッコには乗らなかった。
危険であろう炭鉱に入らなかったことを安堵すれども、不安が全部拭えたわけではない。
中に入った二人がもしかしたら、なんて思うと途端に呼吸がしずらくなる。
現実逃避なんかでは到底補うことのできない絶望感でナマエは押し潰されそうになる。
「杉元くん、白石さん……」
どうか神様。二人を殺さないでください。
ナマエはいるかどうかもわからない神に祈ることしかできなかった。そんな非力な自分を呪いたくなった。
両手をギュッと握り、心の中でずっと祈っていると爆発音が響き、次にズドンと山が揺れた。
その時のナマエの呼吸は、確かに止まった。生きた心地がしなかった。
「死ん、じゃう……二人が……二人が……」
爆発音が聞こえてから冷静なんて保てるわけがなかった。
次第に自分の周りに人が集まってくる。
「ナマエー!」
「アシㇼパちゃん」
「杉元たちは!?」
「炭鉱の中……どうしよう、二人がまだ出てきてないの」
黒煙が立ち上る坑道の中から男が出てくる。
「誰か出てくるぞ」
「逃げ遅れた奴か?」
「すげえ!!あの旦那二人も助け出したぞ!」
野次馬のその声にナマエがばっと顔を上げる。
牛山が杉元と白石を両手に抱え炭鉱から出てくる。
「よお嬢ちゃん方、また会ったな」
「チンポ先生ぇ」
「はんぺんまだ持ってるぅ!!」
無事助かった二人を見たナマエの目からどぱっと涙が溢れてくる。
「よ、よがっだ……二人とも、無事で」
ひっくひっくとしゃくりあげて泣くナマエをキロランケが優しく頭を撫でた。
「というか、なんであんたがこんなところに」
「連れと夕張に来ていたがふらっといなくなってな。探していたらお前らがトロッコに乗ってるのを見つけたんだ」
「連れ?」
杉元がそう言うとその牛山の連れが現れる。
「しょうがねえ、そいつら連れてついてこい」
「お前は確か鶴見中尉のところの……何で牛山と?」
連れである尾形の顔を見た瞬間、ぼろぼろと流れていたナマエの涙がぴたりと止まる。
珍しいものでも見たようにナマエの目は見開いていった。
「ナマエ?どうした?」
「い、や、なんでも、ない」
歯切れの悪いナマエに疑問を抱きつつも杉元らは尾形と牛山の後についていった。
その間ナマエは何かを考えるように首を捻っていた。
特にこれらしい情報が聞けていないと少し落ち込んでいたとき、ナマエは白石にちょいちょいと呼ばれた。
「どうしたの?」
「ナマエちゃん、あの軍人知ってる?杉元が鶴見中尉のところで見た気がするって言ってたんだけど」
「月島っていう軍人さんです。確かに鶴見中尉のところにいましたよ」
「やっぱり鶴見中尉のとこにいた奴か。後をつけてみてみるか」
「キロランケとアシㇼパちゃん呼んでくる?向こうで聞き込みしてるけど」
「いや、見失う……一緒に来い」
「わ、私も?」
「そのつもりだったけど……怖い?」
「杉元くんもいるし大丈夫」
月島の後をしばらくつけて辿り着いたのは江渡貝邸
ナマエは静かに息をのんだ。
「ナマエは外で隠れてて」
「うん」
ナマエは杉元に言われるがままに江渡貝邸近くの茂みに身を隠した。
息を潜めながら待っていると割とすぐに二人は出てくる。
「ナマエ!江渡貝の後を追う!」
「いっ今行く!」
がばっと立ち上がったからか一瞬よろけてしまう。
だがすぐに持ち直して二人の後を追った。
その時、するりと首元を撫でるような冷たい風が吹いたのをナマエは知らないふりをした。
町民に月島のことを聞いて江渡貝らの後を追う。
炭鉱に着くと、白熊と軍人という奇妙な二人組を見つける。
「いた!俺たちもトロッコで追いかけるぞっ、蛍は危ないから外で待っていてくれ!」
ナマエは頷いてすぐに発車してしまったトロッコには乗らなかった。
危険であろう炭鉱に入らなかったことを安堵すれども、不安が全部拭えたわけではない。
中に入った二人がもしかしたら、なんて思うと途端に呼吸がしずらくなる。
現実逃避なんかでは到底補うことのできない絶望感でナマエは押し潰されそうになる。
「杉元くん、白石さん……」
どうか神様。二人を殺さないでください。
ナマエはいるかどうかもわからない神に祈ることしかできなかった。そんな非力な自分を呪いたくなった。
両手をギュッと握り、心の中でずっと祈っていると爆発音が響き、次にズドンと山が揺れた。
その時のナマエの呼吸は、確かに止まった。生きた心地がしなかった。
「死ん、じゃう……二人が……二人が……」
爆発音が聞こえてから冷静なんて保てるわけがなかった。
次第に自分の周りに人が集まってくる。
「ナマエー!」
「アシㇼパちゃん」
「杉元たちは!?」
「炭鉱の中……どうしよう、二人がまだ出てきてないの」
黒煙が立ち上る坑道の中から男が出てくる。
「誰か出てくるぞ」
「逃げ遅れた奴か?」
「すげえ!!あの旦那二人も助け出したぞ!」
野次馬のその声にナマエがばっと顔を上げる。
牛山が杉元と白石を両手に抱え炭鉱から出てくる。
「よお嬢ちゃん方、また会ったな」
「チンポ先生ぇ」
「はんぺんまだ持ってるぅ!!」
無事助かった二人を見たナマエの目からどぱっと涙が溢れてくる。
「よ、よがっだ……二人とも、無事で」
ひっくひっくとしゃくりあげて泣くナマエをキロランケが優しく頭を撫でた。
「というか、なんであんたがこんなところに」
「連れと夕張に来ていたがふらっといなくなってな。探していたらお前らがトロッコに乗ってるのを見つけたんだ」
「連れ?」
杉元がそう言うとその牛山の連れが現れる。
「しょうがねえ、そいつら連れてついてこい」
「お前は確か鶴見中尉のところの……何で牛山と?」
連れである尾形の顔を見た瞬間、ぼろぼろと流れていたナマエの涙がぴたりと止まる。
珍しいものでも見たようにナマエの目は見開いていった。
「ナマエ?どうした?」
「い、や、なんでも、ない」
歯切れの悪いナマエに疑問を抱きつつも杉元らは尾形と牛山の後についていった。
その間ナマエは何かを考えるように首を捻っていた。