四章
夢小説設定
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――アザラシ皮の花嫁衣裳を取り返した一行
「あの婆ちゃんきっと喜ぶぜ」
「そうだね」
「赤毛と戦って弓が折れたそうだね?それは君に贈ろう。代わりと言ってはなんだが、あの親分の下半身にあった入れ墨、剥いで持っていく理由を聞かせてくれないか?」
「ダンさん、あんたは悪い人じゃなさそうだから忠告するが、知らない方がいい。入れ墨に関われば命を失うぞ」
それを聞いたダンはアシㇼパとナマエを見た。
きっと一行の中で子供である二人を心配したのだろう。
「……面白いものを見せよう」
「本?これがどうかしたのか?……うっ!」
「……表紙が、人の皮?」
「この本はいろいろな人間の手を渡ってきたそうだが、炭鉱の町、夕張にいる男が作ったものらしい」
夕張に囚人がいるかもしれない。
それを知った一行は夕張へと向かうことになった。
道中、コタンに寄る。
ナマエはまた魚が食べられると喜んでキロランケと白石に着いていった。
「ナマエはサクラマス食べたことあるか?」
「ないです!」
「そうか、なら早く戻って料理しないとな」
「んも~キロちゃんはすぐナマエちゃんを子ども扱いする~」
「白石も人のこと言えないぞ?しょっちゅう蛍に飴やるだろう。ほらナマエ、フキの若葉だ。生で食えるぞ」
差し出されたフキをナマエはぱくりと食べる。
美味しいとにこにこするナマエにキロランケは子供を思い出してほっこりした。
「白石さんも食べてみて」
「ん、んま!」
「口の周り黒くなるんだ……」
ナマエはごしごしと口元を拭った。
白石はそのままサクラマス片手にフキを咥えていた。
コタンに帰り、春に食べる汁物で一番おいしいらしいサクラマスのオハウを食べる。
「とってもヒンナ……」
完全にとろけきった顔をするナマエを見てみんながふふ、と笑う。
気づけばアシㇼパはぐっすりと眠ってしまっていた。
「キロランケは奥さん心配じゃねえのか?そろそろ畑耕すのに馬が必要な時期なんだろ?」
「あの村にはアイツの親兄弟がたくさんいるし、働き者で強い女だから子供たちも任せられる」
それを聞いたナマエはまた何かを懐かしむような、そんな顔をした。
「ナマエちゃん?」
「何ですか?」
「……なんでもない」
「?」
「杉元はどうしたんだよその顔」
「イタドリの若葉とかヨモギとか、傷に効く薬草だそうだ。俺は傷跡なんてどうだっていいんだけど」
「傷が増える前の顔が気に入ってたのかな?」
「確かに、元々モテそうな顔ではあるよな。さすがに結婚はしてないんだろ?地元にいい人くらいいるんじゃねえのか?」
何も答えない杉元に対して否定しないね?と茶化す白石
「白石、もういいだろその話は」
「わかったよ。ナマエちゃんは?いい人いないの?」
「白石……」
「いい人……って言われてもなあ、まだ17だし……」
そう零すナマエに白石が驚く。
杉元とキロランケは札幌でナマエが未成年だということを知っていたが、その場にいなかった白石は知らなかったのだ。
「17!?ナマエちゃん未成年だったの!?」
「え?う、うん、そうだけど……白石さんには言ってなかったっけ。もしかして成人済みに見えてた?よく言われるんだよね」
「……ん~、年相応なところもあるけどちょっとばかし大人っぽいかもね」
そう杉元が返したのにナマエはきゅ、と眉間にしわを寄せた。
「別に悪い事じゃあなくない?」
「大人っぽく見えたところでみんなとお酒は飲めないし、いいことなんて何にもないですよ」
ぽそりと呟いたナマエの頭を白石が撫でる。
「ナマエちゃん純粋だね~そのまま育っておくれ」
「誰目線!?」
そんなこんなで夜は更け、また朝が来る。
また網走に向け出発した。
「あの婆ちゃんきっと喜ぶぜ」
「そうだね」
「赤毛と戦って弓が折れたそうだね?それは君に贈ろう。代わりと言ってはなんだが、あの親分の下半身にあった入れ墨、剥いで持っていく理由を聞かせてくれないか?」
「ダンさん、あんたは悪い人じゃなさそうだから忠告するが、知らない方がいい。入れ墨に関われば命を失うぞ」
それを聞いたダンはアシㇼパとナマエを見た。
きっと一行の中で子供である二人を心配したのだろう。
「……面白いものを見せよう」
「本?これがどうかしたのか?……うっ!」
「……表紙が、人の皮?」
「この本はいろいろな人間の手を渡ってきたそうだが、炭鉱の町、夕張にいる男が作ったものらしい」
夕張に囚人がいるかもしれない。
それを知った一行は夕張へと向かうことになった。
道中、コタンに寄る。
ナマエはまた魚が食べられると喜んでキロランケと白石に着いていった。
「ナマエはサクラマス食べたことあるか?」
「ないです!」
「そうか、なら早く戻って料理しないとな」
「んも~キロちゃんはすぐナマエちゃんを子ども扱いする~」
「白石も人のこと言えないぞ?しょっちゅう蛍に飴やるだろう。ほらナマエ、フキの若葉だ。生で食えるぞ」
差し出されたフキをナマエはぱくりと食べる。
美味しいとにこにこするナマエにキロランケは子供を思い出してほっこりした。
「白石さんも食べてみて」
「ん、んま!」
「口の周り黒くなるんだ……」
ナマエはごしごしと口元を拭った。
白石はそのままサクラマス片手にフキを咥えていた。
コタンに帰り、春に食べる汁物で一番おいしいらしいサクラマスのオハウを食べる。
「とってもヒンナ……」
完全にとろけきった顔をするナマエを見てみんながふふ、と笑う。
気づけばアシㇼパはぐっすりと眠ってしまっていた。
「キロランケは奥さん心配じゃねえのか?そろそろ畑耕すのに馬が必要な時期なんだろ?」
「あの村にはアイツの親兄弟がたくさんいるし、働き者で強い女だから子供たちも任せられる」
それを聞いたナマエはまた何かを懐かしむような、そんな顔をした。
「ナマエちゃん?」
「何ですか?」
「……なんでもない」
「?」
「杉元はどうしたんだよその顔」
「イタドリの若葉とかヨモギとか、傷に効く薬草だそうだ。俺は傷跡なんてどうだっていいんだけど」
「傷が増える前の顔が気に入ってたのかな?」
「確かに、元々モテそうな顔ではあるよな。さすがに結婚はしてないんだろ?地元にいい人くらいいるんじゃねえのか?」
何も答えない杉元に対して否定しないね?と茶化す白石
「白石、もういいだろその話は」
「わかったよ。ナマエちゃんは?いい人いないの?」
「白石……」
「いい人……って言われてもなあ、まだ17だし……」
そう零すナマエに白石が驚く。
杉元とキロランケは札幌でナマエが未成年だということを知っていたが、その場にいなかった白石は知らなかったのだ。
「17!?ナマエちゃん未成年だったの!?」
「え?う、うん、そうだけど……白石さんには言ってなかったっけ。もしかして成人済みに見えてた?よく言われるんだよね」
「……ん~、年相応なところもあるけどちょっとばかし大人っぽいかもね」
そう杉元が返したのにナマエはきゅ、と眉間にしわを寄せた。
「別に悪い事じゃあなくない?」
「大人っぽく見えたところでみんなとお酒は飲めないし、いいことなんて何にもないですよ」
ぽそりと呟いたナマエの頭を白石が撫でる。
「ナマエちゃん純粋だね~そのまま育っておくれ」
「誰目線!?」
そんなこんなで夜は更け、また朝が来る。
また網走に向け出発した。