三章
夢小説設定
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ナマエは一瞬警戒されたが、あれ以来特に変なことも言わないので自然と警戒は解け、態度は前と変わらなくなった。
インカラマッと白石は競馬場にいた。連続で勝っている白石は調子づいていた。
「アホくさ……」
「次に勝ちそうなのは3番か4番だな」
「わかるんですか?」
キロランケは馬の状態で次に勝つ馬を予想する。
それは昔から馬に乗って育ったキロランケだからわかることであった。
競馬で馬鹿になった白石を止めることもせずにナマエはキロランケに着いていった。
しばらく二人で歩いていると、キロランケがぴたりと止まり落ちていた騎手の帽子を拾い上げかぶる。
「ここにいたのか高崎!探したぞ!」
「高崎?」
「オイ、全然違うだろバカ。高崎はこんなひげ生えてねえだろ、服装もアイヌじゃねえか。メガネ買い替えろ!」
「長い髪と背格好が似てたんだよ……」
「どうかしたのか?」
「その帽子の騎手が逃げちまった。あんた馬に乗れるかい?」
「はあ?」
キロランケとナマエが調教師と厩務員の二人に着いていく。
逃げた騎手は最終レースの八百長を馬主に指示されていて、おそらくそれが嫌になったから逃げたのだろう。
成功率の低い八百長なのに逃げれば騎手はヤクザに報復される。
「馬は勝ちたいって思っているはずなのに」
「そりゃそうだ、負けたい馬なんかいねぇ」
競馬の裏事情を知ってしまったキロランケは静かに怒り、ナマエはドン引きしていた。
馬に無理をさせてでも勝ちたいなんて心底あほらしい。
「よし分かった、出てやる」
「本当か!ありがたい」
「髭を剃らなきゃだな」
「そうですね」
キロランケは着替えて杉元のところに戻る。
「お前ら、俺に賭けろ」
事情も言わずにそう言ったキロランケにナマエを除く面子は首を傾げた。
「ええっと、私が説明しますね」
.
.
.
「と、いうわけで……」
ナマエが事情を説明して一行は納得する。
「俺は最終レース3番の馬に乗る。儲けたきゃ賭けろ。俺が勝つぜ」
「3番の馬ぁ?競馬予報では確かに2着と予想される強い馬だ」
それを知ってもなお白石はインカラマッに勝てる馬を占ってもらう。
だが占いは微妙に狂い、キロランケの乗る3番の馬は勝たないという暗示が出た。
「白石さん、いい加減にやめてください」
「そうだ白石、売らないというのは判断に迷ったときに必要なものだ。私たちのこの旅に迷いなんかない。だから占いも必要ない」
「シラッキカムイは6番が勝つと示しました」
元々アシㇼパの言葉が響かないと知っていたナマエは白石の懐からはみ出ていたお札を数枚くすねていた。悪い事だとは分かっていたがゼロになるよりマシだと思うことにしたのだ。
爆薬が数個買えるお金がナマエの手元に渡った。
「爆薬の金くらい残しておけっ!」
「やだっ!俺は勝負するんだ!インカラマッ様買ってきて!」
「わかりました」
白石の持っていた全額をインカラマッが受け取り馬券を買いに行く。
キロランケはレースのためにその場を離れ、アシㇼパはインカラマッを追い、残った杉元と蛍が白石を押さえる。
「杉元!お前は金が必要だから北海道に来たんだろ?いくら必要なんだ?金塊二万貫じゃないだろ?命なんか懸けなくても稼ぐ方法が目の前にあるじゃねぇかっ!!」
それを聞いたナマエは白石の頭に着いていた占い道具を引っぺがした。
そして杉元は……
「必要な額の金が手に入ったから『一抜けた』だなんて、そんなこと……俺があの子に言うとでも思ってんのかッ!」
「杉元くん、最終レースが始まるよ。観客席に行こう?」
観客席に移動した三人はレースを見る。
「っ、キロランケが出遅れちまった!」
「そらやっぱりっ」
「まだ決まってないですよ!これからです!」
出遅れはしたが、他の騎手よりも馬に負担のかからないキロランケの乗り方はぐんぐんと加速していき他の馬を追い越していく。
「あぁッ、ダメェ!!」
結局、勝ったのはキロランケの乗る3番の馬だった。
全額賭けた白石はぶっ壊れてしまった。
「杉元!さっさとずらかるぜ、今頃大損したヤクザの親分が俺を探してる。……ん、白石は?」
「あそこで頭おかしくなってる」
「置いていこう。勝手にコタンへ戻ってくるだろ」
「アシㇼパちゃんも私もやめとけって言ったんですけど…」
「しょうがない、白石はそういう男だ」
ため息をつきながら一同はコタンに戻った。
インカラマッと白石は競馬場にいた。連続で勝っている白石は調子づいていた。
「アホくさ……」
「次に勝ちそうなのは3番か4番だな」
「わかるんですか?」
キロランケは馬の状態で次に勝つ馬を予想する。
それは昔から馬に乗って育ったキロランケだからわかることであった。
競馬で馬鹿になった白石を止めることもせずにナマエはキロランケに着いていった。
しばらく二人で歩いていると、キロランケがぴたりと止まり落ちていた騎手の帽子を拾い上げかぶる。
「ここにいたのか高崎!探したぞ!」
「高崎?」
「オイ、全然違うだろバカ。高崎はこんなひげ生えてねえだろ、服装もアイヌじゃねえか。メガネ買い替えろ!」
「長い髪と背格好が似てたんだよ……」
「どうかしたのか?」
「その帽子の騎手が逃げちまった。あんた馬に乗れるかい?」
「はあ?」
キロランケとナマエが調教師と厩務員の二人に着いていく。
逃げた騎手は最終レースの八百長を馬主に指示されていて、おそらくそれが嫌になったから逃げたのだろう。
成功率の低い八百長なのに逃げれば騎手はヤクザに報復される。
「馬は勝ちたいって思っているはずなのに」
「そりゃそうだ、負けたい馬なんかいねぇ」
競馬の裏事情を知ってしまったキロランケは静かに怒り、ナマエはドン引きしていた。
馬に無理をさせてでも勝ちたいなんて心底あほらしい。
「よし分かった、出てやる」
「本当か!ありがたい」
「髭を剃らなきゃだな」
「そうですね」
キロランケは着替えて杉元のところに戻る。
「お前ら、俺に賭けろ」
事情も言わずにそう言ったキロランケにナマエを除く面子は首を傾げた。
「ええっと、私が説明しますね」
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「と、いうわけで……」
ナマエが事情を説明して一行は納得する。
「俺は最終レース3番の馬に乗る。儲けたきゃ賭けろ。俺が勝つぜ」
「3番の馬ぁ?競馬予報では確かに2着と予想される強い馬だ」
それを知ってもなお白石はインカラマッに勝てる馬を占ってもらう。
だが占いは微妙に狂い、キロランケの乗る3番の馬は勝たないという暗示が出た。
「白石さん、いい加減にやめてください」
「そうだ白石、売らないというのは判断に迷ったときに必要なものだ。私たちのこの旅に迷いなんかない。だから占いも必要ない」
「シラッキカムイは6番が勝つと示しました」
元々アシㇼパの言葉が響かないと知っていたナマエは白石の懐からはみ出ていたお札を数枚くすねていた。悪い事だとは分かっていたがゼロになるよりマシだと思うことにしたのだ。
爆薬が数個買えるお金がナマエの手元に渡った。
「爆薬の金くらい残しておけっ!」
「やだっ!俺は勝負するんだ!インカラマッ様買ってきて!」
「わかりました」
白石の持っていた全額をインカラマッが受け取り馬券を買いに行く。
キロランケはレースのためにその場を離れ、アシㇼパはインカラマッを追い、残った杉元と蛍が白石を押さえる。
「杉元!お前は金が必要だから北海道に来たんだろ?いくら必要なんだ?金塊二万貫じゃないだろ?命なんか懸けなくても稼ぐ方法が目の前にあるじゃねぇかっ!!」
それを聞いたナマエは白石の頭に着いていた占い道具を引っぺがした。
そして杉元は……
「必要な額の金が手に入ったから『一抜けた』だなんて、そんなこと……俺があの子に言うとでも思ってんのかッ!」
「杉元くん、最終レースが始まるよ。観客席に行こう?」
観客席に移動した三人はレースを見る。
「っ、キロランケが出遅れちまった!」
「そらやっぱりっ」
「まだ決まってないですよ!これからです!」
出遅れはしたが、他の騎手よりも馬に負担のかからないキロランケの乗り方はぐんぐんと加速していき他の馬を追い越していく。
「あぁッ、ダメェ!!」
結局、勝ったのはキロランケの乗る3番の馬だった。
全額賭けた白石はぶっ壊れてしまった。
「杉元!さっさとずらかるぜ、今頃大損したヤクザの親分が俺を探してる。……ん、白石は?」
「あそこで頭おかしくなってる」
「置いていこう。勝手にコタンへ戻ってくるだろ」
「アシㇼパちゃんも私もやめとけって言ったんですけど…」
「しょうがない、白石はそういう男だ」
ため息をつきながら一同はコタンに戻った。