三章
夢小説設定
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辺見和雄と出会ったニシン場から数十キロ離れた別の番屋
「寝床にありつけて運が良かったな」
「海岸で野宿なんて凍死するんだろ。酒も手に入ったし極楽だぜ」
二人がそんな話をする中、ナマエとアシㇼパはもうほとんど眠りこけていた。
そこに一人の老人が訪れる。
「あんたらヤン衆に見えないねえ旅行かい?」
「ええ、まあ。あなたも?」
知らない声が聞こえたのでナマエはぱち、と目を覚ます。
慣れない音や声が聞こえると起きてしまうのである。
「めんこい子じゃなあ、ワシの孫と歳も同じくらいじゃ、抱っこして構わんかのう?」
「眠いと機嫌悪いですよ」
老人はアシㇼパを抱きかかえその目をじっと見つめた。
「綺麗な瞳の色だ。よく見ると青の中に緑が散っておる。ロシア人の血が混ざっておるのかな」
「ひっ!!」
「白石さん?」
「どうした?」
「え?いやっ」
「君も、少し顔を見せてくれるかい?」
「へ?あ、はい」
寝ぼけた頭でナマエは老人の方に近づく。
老人はぴと、とナマエの頬に触れて同じように顔をじっと見つめる。
不思議な魅力を持つ老人に蛍は目を奪われる。
「綺麗な琥珀色の目だ……。光の加減で金色に輝く目、世界的にも珍しい美しい瞳だ」
「そうなんですか?気にしたことがなかった」
「名前はなんていうんだい?」
「小鳥遊ナマエです」
素敵な名前だと褒め、土方はニコリと微笑むと杉元と白石の方に向きなおした。
「こちらのお嬢さんと同じ目をした知り合いがいる。この子の名前は?」
「……アシㇼパ」
「……和名は?」
「和名?」
「戸籍上の名前があるはずだ」
「さあ、聞いたこともないなあ」
「そうか」
土方は次に杉元の顔を見つめる。
「今にも血が噴き出しそうな生々しい顔の傷、梅戸も似たような傷があった」
「ウメド?あんたの友達かい?」
「だがその内に秘めた凶暴さは、鍬次郎かな。じゃあ失礼するよ。アシㇼパちゃん、元気でな」
去り際にナマエにも手を振り、よちよちとその場を去る。
「変なジイさんだったな」
「そうだね、不思議な人だった。私の目を希少な目だなんて言っていたし」
「確かに小鳥遊の目は日本だと珍しいかもね」
「そう?」
「うん、あのジイさんが言ってた通り太陽が当たると金色に見える」
ナマエは自分の瞼に触れてそんな珍しかったかなと首を傾げた。
こんなにまじまじと目を見られたことはないし、言われることもなかったからなんだかむずがゆくて、照れ隠しに髪の毛を触った。
「寝床にありつけて運が良かったな」
「海岸で野宿なんて凍死するんだろ。酒も手に入ったし極楽だぜ」
二人がそんな話をする中、ナマエとアシㇼパはもうほとんど眠りこけていた。
そこに一人の老人が訪れる。
「あんたらヤン衆に見えないねえ旅行かい?」
「ええ、まあ。あなたも?」
知らない声が聞こえたのでナマエはぱち、と目を覚ます。
慣れない音や声が聞こえると起きてしまうのである。
「めんこい子じゃなあ、ワシの孫と歳も同じくらいじゃ、抱っこして構わんかのう?」
「眠いと機嫌悪いですよ」
老人はアシㇼパを抱きかかえその目をじっと見つめた。
「綺麗な瞳の色だ。よく見ると青の中に緑が散っておる。ロシア人の血が混ざっておるのかな」
「ひっ!!」
「白石さん?」
「どうした?」
「え?いやっ」
「君も、少し顔を見せてくれるかい?」
「へ?あ、はい」
寝ぼけた頭でナマエは老人の方に近づく。
老人はぴと、とナマエの頬に触れて同じように顔をじっと見つめる。
不思議な魅力を持つ老人に蛍は目を奪われる。
「綺麗な琥珀色の目だ……。光の加減で金色に輝く目、世界的にも珍しい美しい瞳だ」
「そうなんですか?気にしたことがなかった」
「名前はなんていうんだい?」
「小鳥遊ナマエです」
素敵な名前だと褒め、土方はニコリと微笑むと杉元と白石の方に向きなおした。
「こちらのお嬢さんと同じ目をした知り合いがいる。この子の名前は?」
「……アシㇼパ」
「……和名は?」
「和名?」
「戸籍上の名前があるはずだ」
「さあ、聞いたこともないなあ」
「そうか」
土方は次に杉元の顔を見つめる。
「今にも血が噴き出しそうな生々しい顔の傷、梅戸も似たような傷があった」
「ウメド?あんたの友達かい?」
「だがその内に秘めた凶暴さは、鍬次郎かな。じゃあ失礼するよ。アシㇼパちゃん、元気でな」
去り際にナマエにも手を振り、よちよちとその場を去る。
「変なジイさんだったな」
「そうだね、不思議な人だった。私の目を希少な目だなんて言っていたし」
「確かに小鳥遊の目は日本だと珍しいかもね」
「そう?」
「うん、あのジイさんが言ってた通り太陽が当たると金色に見える」
ナマエは自分の瞼に触れてそんな珍しかったかなと首を傾げた。
こんなにまじまじと目を見られたことはないし、言われることもなかったからなんだかむずがゆくて、照れ隠しに髪の毛を触った。