眠りの森
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8. 気付けば君のことを
ルナと出会ったあの日から、彼女の気配はパタリと止んだ。
姫にはルナの存在をひた隠しにしておいた。
「最初からそんなヤツ、いなかったんじゃないかな。」
「ですが、噂によると…」
「所詮噂に過ぎなかったてことさ。そもそも、得体も知れないヤツ一人如きにそんなにこだわる必要ないと思うけどね。神獣操作も戦闘も、僕がいる時点で事足りているはずだ。」
姫は最初こそ落ち込んでいたものの、以来ルナのことを探すことはしなかった。
これで良かったんだろ?
ルナは様々な事情を抱えている。だから僕の誘いを断った。
これ以上彼女の存在に我々が関与することはない…そう判断して、一切を黙っておくことにした。
彼女は結局あの日以来リトの村へ訪れることはなく、当然僕とも出くわすこともなかった。
あちこち飛び回ることが多い僕だが、上空から見下ろしてもルナを見かけることはなかった。
一応断っておくけど、彼女を探しているわけではないよ。
…だけど、別れ際にあんな未練がましく寂しそうにしていたヤツが、あれっきり姿を見せないなんてことがあるだろうか?
彼女の職業上、危険な目に合ってしまい二度と会えないなんてことも…いや、不吉なことは考えるまい。
彼女の強さはこの目でしかと見たはずだ。大丈夫。
気付けばルナのことをよく考えるようになった。
くだらない。彼女にもう一度会ったって、特段話すことはないはずだ。
…またあの魚入りスープを食べさせてほしい、とか?
余計なことばかり考えてしまい、練習に集中が出来ない。
こんな雑念に見舞われている自分を忌々しく思った。
目を瞑り、神経を集中させ空高く舞い上がる。
的に狙いを定め、矢を放つ。
…彼女の家の表札に書かれていた「眠りの森」、って何のことだったんだろう。
またいらないことを考えてしまった、と思ったが
矢はひとつ残らず命中していた。
---to be continued---
ルナと出会ったあの日から、彼女の気配はパタリと止んだ。
姫にはルナの存在をひた隠しにしておいた。
「最初からそんなヤツ、いなかったんじゃないかな。」
「ですが、噂によると…」
「所詮噂に過ぎなかったてことさ。そもそも、得体も知れないヤツ一人如きにそんなにこだわる必要ないと思うけどね。神獣操作も戦闘も、僕がいる時点で事足りているはずだ。」
姫は最初こそ落ち込んでいたものの、以来ルナのことを探すことはしなかった。
これで良かったんだろ?
ルナは様々な事情を抱えている。だから僕の誘いを断った。
これ以上彼女の存在に我々が関与することはない…そう判断して、一切を黙っておくことにした。
彼女は結局あの日以来リトの村へ訪れることはなく、当然僕とも出くわすこともなかった。
あちこち飛び回ることが多い僕だが、上空から見下ろしてもルナを見かけることはなかった。
一応断っておくけど、彼女を探しているわけではないよ。
…だけど、別れ際にあんな未練がましく寂しそうにしていたヤツが、あれっきり姿を見せないなんてことがあるだろうか?
彼女の職業上、危険な目に合ってしまい二度と会えないなんてことも…いや、不吉なことは考えるまい。
彼女の強さはこの目でしかと見たはずだ。大丈夫。
気付けばルナのことをよく考えるようになった。
くだらない。彼女にもう一度会ったって、特段話すことはないはずだ。
…またあの魚入りスープを食べさせてほしい、とか?
余計なことばかり考えてしまい、練習に集中が出来ない。
こんな雑念に見舞われている自分を忌々しく思った。
目を瞑り、神経を集中させ空高く舞い上がる。
的に狙いを定め、矢を放つ。
…彼女の家の表札に書かれていた「眠りの森」、って何のことだったんだろう。
またいらないことを考えてしまった、と思ったが
矢はひとつ残らず命中していた。
---to be continued---