眠りの森
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1. 噂の狩人
厄災ガノンの復活が予言されて以来、ハイラル王国は日々討伐に備えていた。
4人の英傑たちと騎士リンク、ゼルダ姫は毎日のように顔を合わせ、迎え撃つその日のために綿密な作戦を練っていた。
この日も、有志一同はハイラル城へ召集されていた。
「…ひとつ、気になる噂を聞きました。」
ゼルダ姫の言葉に、全員が注目する。
「ハイラルで、魔物の討伐を生業 としている狩人のことです。御存知ですか?」
僕には聞き覚えのない話だった。
魔物の討伐を生業としている?
肝や羽や角でも売って換金しているのだろうが、そのこと自体は別段珍しくもなんともない話だ。
何故姫は今、そんな話を取り上げたのだろうか。
「その方は、金色 の魔物やキングサイズの魔物、ライネルなど…驚異的な力を持った魔物たちの討伐に、幾度となく成功していると話を聞きました。それも、ほぼ、無傷で生還しているとか。」
「そんなすげぇ奴がいるのか。」
ダルケルが驚くのも無理はない。
姫が列挙した魔物の強さを知っていれば、誰もが信じ難い話と思うだろう。
僕も、ほとんど迷信の様に思う。ただの噂に過ぎない、と。
「それが本当なら、きっとそいつが魔物みてぇなヤツだぜ。おっかない大男なんだろうなぁ。」
「でも、そんなに強い人なら…ガノン討伐に力を貸してほしいね。」
ミファーは俯ききがちに呟いた。
彼女もまた、噂の真偽を思量しているのだろう。
「さぁ、どうだか。そんな馬鹿みたいに強いヤツの話なんて、僕は聞いたことないね。」
「ああ、そういえばそんな話を聞いたことがあるね。」
思い出したようにウルボザが言う。
「私はお目に掛かれていないんだけど、なんでもキングラジークを退治した帰りにゲルドの街へ立ち寄ったとかで、街中でちょっとした話題になったらしい。名前は…えーと、なんて言ってたっけねぇ。」
「ゲルドの街に…ということは、女性、ですか?」
姫の言葉に一同が驚愕の声を上げる。
「おっかねえ大男かと思ってたら、おっかねぇ大女だったってことか?!ますます信じられねぇ話だなぁ。」
「そんな強い女性がハイラルに…是非、お会いしてみたいです。」
「ウルボザ、そいつの名前、思い出せないのか?」
「えーと…あっ!思い出した。」
噂の真相が、明らかになる―
全員固唾をのみ、ウルボザへ注目する。
「そういえば、リトの村へ行くって言ってたらしい。名前は聞いてないよ。」
張っていた気がみるみる抜け、皆脱力した。
「なんだよ、名前は知らないのか。」
「おいおい、しっかりしてくれよ。」
「すまないね、この後街へ帰って改めて聞いてみるとするよ。…それより、リーバル。」
言われなくてもわかっているが、嫌な予感がよぎった。
「噂のヴァーイがリトの村へいるかもしれないんだ。あんた、村へ帰ってそれらしきヴァーイを見つけたらスカウトしてきなよ。」
そんなことだろうと思った。
予想はしていたが、話の流れに納得がいかない。
「スカウト?まさか英傑の一員にそいつを迎え入れるつもり?冗談じゃない。優秀な人材は、僕がいる時点ですでに出揃っているわけだし、今更その必要は無いはずだ。」
やれやれだ。人員が多ければいいと思っているんだろうけど、僕はそうは思わない。
ここまでの間で、僕たちは何度も話し合い作戦を練り上げ、それぞれ神獣の操作にも鍛錬してきている。
途中から新しいヤツが入ってきても、付いていけず足を引っ張るだけだろう。
目に見えている。
「リーバルの考えはよくわかります。しかし―」
姫は、まっすぐと僕を見つめた。
「ガノン討伐には、ハイラル王国の運命がかかっています。その方を、英傑の一員として迎え入れるかどうかは、今すぐに決めることはありません。…ただ、国民への被害も最小限に抑えるため、今は国の力になってくれる方を一人でも多く集めたいのです。」
僕はため息をつく。
姫の必死の訴えかけは、それだけで命令と同等の効力を持っているんだ。
こうなったら僕に拒否する術はない。
「それで?スカウトって言ったって、名前も知らないヤツをどうやって見つければいいのさ。」
---to be continued---
厄災ガノンの復活が予言されて以来、ハイラル王国は日々討伐に備えていた。
4人の英傑たちと騎士リンク、ゼルダ姫は毎日のように顔を合わせ、迎え撃つその日のために綿密な作戦を練っていた。
この日も、有志一同はハイラル城へ召集されていた。
「…ひとつ、気になる噂を聞きました。」
ゼルダ姫の言葉に、全員が注目する。
「ハイラルで、魔物の討伐を
僕には聞き覚えのない話だった。
魔物の討伐を生業としている?
肝や羽や角でも売って換金しているのだろうが、そのこと自体は別段珍しくもなんともない話だ。
何故姫は今、そんな話を取り上げたのだろうか。
「その方は、
「そんなすげぇ奴がいるのか。」
ダルケルが驚くのも無理はない。
姫が列挙した魔物の強さを知っていれば、誰もが信じ難い話と思うだろう。
僕も、ほとんど迷信の様に思う。ただの噂に過ぎない、と。
「それが本当なら、きっとそいつが魔物みてぇなヤツだぜ。おっかない大男なんだろうなぁ。」
「でも、そんなに強い人なら…ガノン討伐に力を貸してほしいね。」
ミファーは俯ききがちに呟いた。
彼女もまた、噂の真偽を思量しているのだろう。
「さぁ、どうだか。そんな馬鹿みたいに強いヤツの話なんて、僕は聞いたことないね。」
「ああ、そういえばそんな話を聞いたことがあるね。」
思い出したようにウルボザが言う。
「私はお目に掛かれていないんだけど、なんでもキングラジークを退治した帰りにゲルドの街へ立ち寄ったとかで、街中でちょっとした話題になったらしい。名前は…えーと、なんて言ってたっけねぇ。」
「ゲルドの街に…ということは、女性、ですか?」
姫の言葉に一同が驚愕の声を上げる。
「おっかねえ大男かと思ってたら、おっかねぇ大女だったってことか?!ますます信じられねぇ話だなぁ。」
「そんな強い女性がハイラルに…是非、お会いしてみたいです。」
「ウルボザ、そいつの名前、思い出せないのか?」
「えーと…あっ!思い出した。」
噂の真相が、明らかになる―
全員固唾をのみ、ウルボザへ注目する。
「そういえば、リトの村へ行くって言ってたらしい。名前は聞いてないよ。」
張っていた気がみるみる抜け、皆脱力した。
「なんだよ、名前は知らないのか。」
「おいおい、しっかりしてくれよ。」
「すまないね、この後街へ帰って改めて聞いてみるとするよ。…それより、リーバル。」
言われなくてもわかっているが、嫌な予感がよぎった。
「噂のヴァーイがリトの村へいるかもしれないんだ。あんた、村へ帰ってそれらしきヴァーイを見つけたらスカウトしてきなよ。」
そんなことだろうと思った。
予想はしていたが、話の流れに納得がいかない。
「スカウト?まさか英傑の一員にそいつを迎え入れるつもり?冗談じゃない。優秀な人材は、僕がいる時点ですでに出揃っているわけだし、今更その必要は無いはずだ。」
やれやれだ。人員が多ければいいと思っているんだろうけど、僕はそうは思わない。
ここまでの間で、僕たちは何度も話し合い作戦を練り上げ、それぞれ神獣の操作にも鍛錬してきている。
途中から新しいヤツが入ってきても、付いていけず足を引っ張るだけだろう。
目に見えている。
「リーバルの考えはよくわかります。しかし―」
姫は、まっすぐと僕を見つめた。
「ガノン討伐には、ハイラル王国の運命がかかっています。その方を、英傑の一員として迎え入れるかどうかは、今すぐに決めることはありません。…ただ、国民への被害も最小限に抑えるため、今は国の力になってくれる方を一人でも多く集めたいのです。」
僕はため息をつく。
姫の必死の訴えかけは、それだけで命令と同等の効力を持っているんだ。
こうなったら僕に拒否する術はない。
「それで?スカウトって言ったって、名前も知らないヤツをどうやって見つければいいのさ。」
---to be continued---
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