短篇
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time over
やあ、あんたがヴァ・メド―を鎮めてくれたんだってな。
テバの奴があんたを背負って、神獣 へ乗り込んだんだろ?
あんな空高い所、リトの俺でも寒くて凍えちまいそうだ。テバもあんたも、よく頑張ったよ。
…それにしても、リト族のテバとハイリア人のあんたが手を取り合って立ち向かう姿は、100年前の言い伝えとよく似てるなぁ。
―言い伝え?
ああ。リトの英傑リーバル様と、その恋人の言い伝えだ。知ってるか?彼の恋人はお前と同じハイリア人だったんだぜ。
ハハ、驚くのも当然だ。100年経った今でも、異種族間の恋なんて珍しいことだもんなぁ。
リーバル様とその恋人―ルナ様は、姿形だけでなく性格や得意とすることも全く異なっていたらしい。
ルナ様はリーバル様のように武術に長けていたわけではないが、とても頭の切れる方だった。神獣操作や遺跡の研究などで、大いに貢献なさったと言われている。
考え方も真逆な二人だったから、小さな諍いは常に絶えなかったが、
それでも『ハイラル中どこを探しても、あんなに仲の良い恋人はいない』と評判だったそうだぜ。
二人はお互いの足りないところを補い合い、力を合わせて、リトの村の安寧を守り抜こうと切磋琢磨していた。
彼らは、二人で一つのような存在だったんだな。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
「ねぇ、リンク。リーバルのこと、どうか許してあげてね。」
100年前のリトの村の広場で、ルナはこっそりと耳打ちした。
「やけにリンクのこと目の敵にしてるけど、嫌いってわけじゃないと思うの。ただ、認めたくないだけっていうか…意地っ張りなの、彼。」
ルナはフッと柔らかく笑った。
「もし私たちに万一のことがあれば、きっと最後に何もかも救ってくれるのは、リンク以外いないでしょうね。私がそんな風に思っているってことは、リーバルもきっと、心のどこかでそんな風に考えているんじゃないかな。…あ!これ、リーバルには絶対秘密よ。」
絶対怒るんだから、と彼女は付け加えた。
確かに、と思う。カンカンに怒ったリーバルの顔が容易に思い浮かぶ。
「こんなところでお喋りなんて、君たちは暇でいいね。」
「リーバル!」
いつの間に背後にいたリーバルに気が付かず、ルナと驚いて振り返る。
「ふぅん。僕に隠れて逢瀬ってわけ。」
…逢瀬?
予想外の言葉にさらに驚いてルナの方を見ると、彼女もまた、目を丸くしてこちらを見つめていた。
「…逢瀬?リンクと私が?ップ…アハハ!なになに、やきもち?」
コロコロと笑うルナと、いかにも不愉快そうな顔で僕らを見つめるリーバルに、どうしていいかわからず立ち尽くす。
「…どうやら邪魔したみたいだね。暇人同士、気が合うようならこれ以上僕は介入しないよ。」
舌打ちをして踵を返すリーバルに向かって、ルナも負けじと声を張り上げた。
「まーたそうやって不貞腐れるんだから!私が愛を誓ったのは、このハイラル中でリーバルだけだって、昨日の夜に散々そう言ったでしょう。」
「バッ…!あのねぇ、そういうことを人前で言うんじゃない!」
リーバルは物凄い勢いで振り向き直り、みるみる顔を紅潮させルナをまくし立てている。
…あのリーバルをこんな風にからかうことが出来る女性は、ルナ以外いないんだろうな。
爽やかな風が頬をそっと撫でる。
二人の言い合う声が、へブラの高い空へと吸い込まれていく。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
おい、あんた大丈夫か?ぼーっとして。
まあ、あれだよ。
恋人同士っていうのは、思いやりの気持ちと互いを助け合う努力ってのが大切だってことだな。
いやあ、俺もいつか嫁さんをもらう時が来たら、リーバル様とルナ様のような二人になろう、ってプロポーズするだろうね。
お前も大切な人が出来たら、この二人を手本に…って、どうしたんだよ、ニヤニヤして。思い出し笑いなんて、変なヤツだなあ。
---fin---
やあ、あんたがヴァ・メド―を鎮めてくれたんだってな。
テバの奴があんたを背負って、
あんな空高い所、リトの俺でも寒くて凍えちまいそうだ。テバもあんたも、よく頑張ったよ。
…それにしても、リト族のテバとハイリア人のあんたが手を取り合って立ち向かう姿は、100年前の言い伝えとよく似てるなぁ。
―言い伝え?
ああ。リトの英傑リーバル様と、その恋人の言い伝えだ。知ってるか?彼の恋人はお前と同じハイリア人だったんだぜ。
ハハ、驚くのも当然だ。100年経った今でも、異種族間の恋なんて珍しいことだもんなぁ。
リーバル様とその恋人―ルナ様は、姿形だけでなく性格や得意とすることも全く異なっていたらしい。
ルナ様はリーバル様のように武術に長けていたわけではないが、とても頭の切れる方だった。神獣操作や遺跡の研究などで、大いに貢献なさったと言われている。
考え方も真逆な二人だったから、小さな諍いは常に絶えなかったが、
それでも『ハイラル中どこを探しても、あんなに仲の良い恋人はいない』と評判だったそうだぜ。
二人はお互いの足りないところを補い合い、力を合わせて、リトの村の安寧を守り抜こうと切磋琢磨していた。
彼らは、二人で一つのような存在だったんだな。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
「ねぇ、リンク。リーバルのこと、どうか許してあげてね。」
100年前のリトの村の広場で、ルナはこっそりと耳打ちした。
「やけにリンクのこと目の敵にしてるけど、嫌いってわけじゃないと思うの。ただ、認めたくないだけっていうか…意地っ張りなの、彼。」
ルナはフッと柔らかく笑った。
「もし私たちに万一のことがあれば、きっと最後に何もかも救ってくれるのは、リンク以外いないでしょうね。私がそんな風に思っているってことは、リーバルもきっと、心のどこかでそんな風に考えているんじゃないかな。…あ!これ、リーバルには絶対秘密よ。」
絶対怒るんだから、と彼女は付け加えた。
確かに、と思う。カンカンに怒ったリーバルの顔が容易に思い浮かぶ。
「こんなところでお喋りなんて、君たちは暇でいいね。」
「リーバル!」
いつの間に背後にいたリーバルに気が付かず、ルナと驚いて振り返る。
「ふぅん。僕に隠れて逢瀬ってわけ。」
…逢瀬?
予想外の言葉にさらに驚いてルナの方を見ると、彼女もまた、目を丸くしてこちらを見つめていた。
「…逢瀬?リンクと私が?ップ…アハハ!なになに、やきもち?」
コロコロと笑うルナと、いかにも不愉快そうな顔で僕らを見つめるリーバルに、どうしていいかわからず立ち尽くす。
「…どうやら邪魔したみたいだね。暇人同士、気が合うようならこれ以上僕は介入しないよ。」
舌打ちをして踵を返すリーバルに向かって、ルナも負けじと声を張り上げた。
「まーたそうやって不貞腐れるんだから!私が愛を誓ったのは、このハイラル中でリーバルだけだって、昨日の夜に散々そう言ったでしょう。」
「バッ…!あのねぇ、そういうことを人前で言うんじゃない!」
リーバルは物凄い勢いで振り向き直り、みるみる顔を紅潮させルナをまくし立てている。
…あのリーバルをこんな風にからかうことが出来る女性は、ルナ以外いないんだろうな。
爽やかな風が頬をそっと撫でる。
二人の言い合う声が、へブラの高い空へと吸い込まれていく。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽
おい、あんた大丈夫か?ぼーっとして。
まあ、あれだよ。
恋人同士っていうのは、思いやりの気持ちと互いを助け合う努力ってのが大切だってことだな。
いやあ、俺もいつか嫁さんをもらう時が来たら、リーバル様とルナ様のような二人になろう、ってプロポーズするだろうね。
お前も大切な人が出来たら、この二人を手本に…って、どうしたんだよ、ニヤニヤして。思い出し笑いなんて、変なヤツだなあ。
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