あかりと星宿が演劇白き花のマドリガルを演じる。
次はアリオスと星宿の演劇であった。
「覚えているか、オスカー?幼き日、棒切れを手にしてこの路地裏を掛け回った日々の事を。」
「ユリウス……忘れることができようか。君とセシリア様と無邪気に過ごしたあの日々……かけがいのない自分の宝だ。」
「ふふ、あの時は驚いたものだ。お忍びで遊びに来ていたのが私だけでなかったとはな……」
「舞い散る桜のごときの可憐さと清水のごとき潔さを備えた少女。セシリア様はまさに自分たちにとっての太陽だった。」
「だが、その輝きは日増しに翳りを帯びている。貴族勢力と平民勢力……両者の対立はもはや避けられぬ所まで来ている。姫の嘆きも無理はない……」
「そして……ああ、なんと言うことだろう。その嘆きを深くしているのが他ならぬ我々の存在だとは……」
アリオスがユリウスとして、星宿がオスカーとして演じるのであった。
その後、あかりとアリオスの2人きりの場面のシーンが登場するのであった。
「久しぶりですね、姫。」
「ユリウス……本当に久しぶりです……今日は……オスカーと一緒ではないのですね。お父様がご存命だったころ……宮廷であなた達が談笑するさまは侍女たちの憧れの的でしたのに。」
「……姫もご存じのように王国は存亡の危機を迎えています。私と彼が親しくすることは、最早、かなわぬものかと……」
「………………………………」
「今日は姫に、あることをお願いしたく参上しました。」
「お願い……ですか?」
「私とオスカー……近衛騎士団団長と若き猛将との決闘を許していただきたいのです。そして勝者には……姫の夫たる幸運をお与えください。」
「!!!」
あかりとアリオスの演劇シーンが終わり、次はアリオスと星宿の決闘シーンである。
「貴族勢力と平民勢力の争いに巻き込まれるようにして……親友同士だった2人の騎士はついに決闘をする事になりました。彼らの決意をさとった姫はもはや何も言えませんでした。そして決闘の日……王都の王立競技場(グランセルアリーナ)に2人の騎士の姿がありました。貴族、平民、中立勢力など大勢の人々が見届ける中……セシリア姫の姿だけがそこには見られませんでした。」
香蓮のナレーターが終わり、アリオスと星宿の決闘シーンが始まるのであった。
「わが友よ。こうなれば是非もない……我々はいつか雌雄を決する運命にあったのだ。抜け!互いの背負うもののために!何よりも愛しき姫のために!」
「運命とは自らの手で切り拓くもの……背負うべき立場も姫の微笑みも、今は遠い……」
「臆したか、オスカー!」
「だが、この身を駆け抜ける狂おしいまでの熱情は何だ?自分もまた、本気になった君と戦いたくて仕方ないらしい……革命という名の猛き嵐が全てを呑み込むその前に……剣を持って運命を決するべし!」
「おお、我らが2人の魂女神(エイドス)もご照覧あれ!いざ尋常に勝負!」
「応!」
その後、アリオスと星宿は剣を構え決闘シーンを始めるのであった。
「やるな、ユリウス……」
「それはこちらの台詞だ。だが、どうやら……今だ迷いがあるようだな!」
その後剣を交えるのであった。
「どうしたオスカー!お前の剣はそんなものか!?帝国を退けた武勲はその程度のものだったのか!」
「くっ……おおおおおおおっ!さすがだユリウス……何と華麗な剣裁きな事か。く……」
「オスカー、お前……腕にケガをしているのか!?」
「問題ない……カスリ傷だ。」
「今だ我々の剣は互いを傷付けていない筈……ま、まさか決闘の前に……」
「卑怯だぞ、ラドー侯爵!貴公のはかりごとか!?」
「ふふふ……言いがかりは止めてもらおうか。私の差し金という証拠はあるのか?」
「父上……なんということを。」
「いいのだ。ユリウス。これも自分の未熟さが招いた事。それにこの程度のケガ戦場では当たり前のものだろう?」
「………………………………」
「次の一撃で全てを決しよう。自分は……君を殺すつもりで行く。」
「オスカー、お前……わかった……私も次の一撃に全てを賭ける。」
お互い一歩下がった後に剣を構える幸人と星宿であった。
「さならる生と、姫の笑顔。そして王国の未来さえも……生き残った者が全ての責任を背負うのだ。」
「そして敗れた者は魂となって見守っていく……それもまた騎士としての誇りだろう。」
「ふふ、違いない。………………………」
「………………………………」
「はああああああッ!」
「おおおおおおおッ!」
アリオスと星宿が決着をつけるシーンを演じるのであった。
「だめ――――――っ!!」
あかりが表れ、斬られるシーンを演じるのであった。
「あ……」
「セ……シリア……?」
「な…………」
幸人と星宿があかりの登場に驚く。
「ひ、姫ーーーーーーーッ!」
アリオスが叫ぶ。星宿はあかりを抱きしめるのであった。
「セシリア、どうして……君は欠席していたはずでは……」
「よ、よかった……オスカー、ユリウス……あなたたちの決闘なんて見たくありませんでしたが……どうしても心配で戦うのをやめて欲しくて……ああ、間に合ってよかった……」
「セシリア……」
「ひ、姫……」
「皆も……聞いてください……わたくしに免じて……どうか争いは止めてください……皆、リベールの地を愛する大切な仲間ではありませんか……ただ……少しばかり……愛し方が違っただけのこと……手を取り合えば……分かりあえるはずです……」
「お、王女殿下……」
「もう……これ以上は仰いますな……」
「ああ……目がかすんで……ねえ……2人とも……そこに……いますか……?」
「はい……」
「君の側にいる……」
「不思議……あの風景が浮かんできます……幼い頃……お城を抜け出して遊びに行った……路地裏の……オスカーも……ユリウスも……あんなに楽しそうに笑って……わたくしは……2人の笑顔が……だいすき……だ…から……どうか……、……いつも笑って……いて……、……………………」
あかりが息を引き取るシーンを演じるのであった。
「姫……?嘘でしょう、姫!頼むから嘘と言ってくれええ!」
「セシリア……自分は……、………………………………………」
アリオスが叫び、星宿も悲しそうな顔をするのであった。
「姫様、おかわいそうに……」
「ああ、どうしてこんな事に……」
「殿下は命を捨ててまで我々の争いをお止めになった……その気高さと比較べたら……貴族などの誇りなど如何な物か……そもそも我々が争わなければこんな事にはならなかったのに……」
「人は、いつも手遅れになってから己の誤ちに気が付くもの……これも魂を肉体に縛られた人の子としての宿命か……エイドスよ、大いなる空の女神よ。お恨み申し上げますぞ……」
誰もが姫がなくなったことで悲しそうになるのであった。
「まだ……判っていないようですね。」
柳宿の演じる空の女神エイドスが声を掛ける。それを聞いて星宿達が驚く。
「……確かに私はあなたたちに器として肉体を与えました。しかし、人のの子の魂はもっと気高く自由にあれるはず。それをおとしめているのは他ならぬあなたたち自身です。」
「ま、眩しい……」
「何て綺麗な声……」
「おお……なんたること!方々、畏れ多くもエイドスが降臨なさいましたぞ!」
「これが女神……」
「何という神々しさだ……」
アリオスが驚き、星宿も驚く。
「若き騎士たちよ。あなたたちの勝負、私も見させてもらいました。なかなかの勇壮さでしたが……肝心なものが欠けていましたね。」
「仰るとおりです……」
「全ては自分たちの未熟さが招いたこと……」
「議長よ……あなたは身分を憎むあまり貴族や王族が、同じ人である事を忘れてはいませんでしたか?」
「……面目次第もありません。」
「そして侯爵よ……あなたの罪は、あなた自身が一番良く判っているはずですね?」
「………………………………」
「そして、今回の事態を傍観するだけだった者たち……あなたたちもまた大切なものが欠けていたはず。胸に手を当ててごらんなさい。」
柳宿の声に鬼宿達も考えるのであった。
「ふふ、それぞれの心に思い当たる所があったようですね?ならば、リベールにはまだ未来が残されているでしょう。今日という日のことを決して忘れる事がないように……」
その後、あかりがエイドスによって蘇生するシーンがあり、星宿達は驚くのであった。
「ああ……」
「消えてしまわれた……」
「…………ん………」
あかりが目を覚ますのであった。
「あら……ここは……」
「ひ、姫!?」
「セシリア!?」
あかりの声にアリオスと星宿が声を掛ける
「まあ、ユリウス、オスカー……まさか、あなたたちまで天国に来てしまったのですか?」
「……………………………」
「……………………………」
それを聞いた幸人と星宿は驚く。
「こ、これは……これは紛う方なき奇跡ですぞ!」
軫宿演じる大司教が驚く。
「姫様ああ~っ!!」
「本当に、本当に良かった!!」
「きゃっ……どうしたのです2人とも……あら……侯爵……議長までも……わたくし死んだはずでは……」
あかりが驚く。
「おお。女神(エイドス)よ!よくぞリベールの至宝を我らにお返ししてくださった!」
「大いなる慈悲に感謝しますぞ!」
「オスカー、ユリウス……あの……どうなっているのでしょう?」
あかりが幸人と星宿に声を掛ける。
「セシリア様……もう心配することはありません。永き渡る対立は終わり……全て良い方向に流れるでしょう。」
「甘いなオスカー。我々の勝負の決着はまだ付いていないはずだろう?」
「ユリウス……」
アリオスの言葉に星宿も驚く。
「そんな……また戦うというのですか?」
あかりが止めようとする。
「いえ……今回の勝負はここまでです。何せそこにいる大馬鹿者が利き手腕にケガをしておりますゆえ。しかし、決闘騒ぎまで起こして勝者がいないのも恰好が付かない。ならば、ハンデを乗り越えて互角の勝負をした者に勝利を!」
「待て!ユリウス!」
「勘違いするな、オスカー。姫をあきらめたわけではないぞ。お前の傷が癒えたら、今度は木剣で決着をつけようではないか。幼き日にように、心ゆくまでな。」
アリオスは星宿と決着を付けようと声を掛けるのであった。
「そうか……ふふ……わかった、受けて立とう。」
「もう、2人とも……わたくしの意思は無視ですか?」
あかりが止めようとする。
「そ、そういうわけではありませんが……」
「ですが、姫……今日の所は勝者へのキスを。皆がそれを期待しております。」
星宿が慌て、アリオスも星宿とあかりにキスしろと告げる。
「……わかりました。」
あかりが納得し、星宿と抱き合いキスシーンを演じるのであった。
「きゃあきゃあ♡」
「お2人ともお似合いです♡」
「空の女神も照覧あれ!今日という良き日がいつまでも続きますように!」
アリオスが最後に告げた後に大団円で無事に終わるのであった。あかり達セーラー戦士と朱雀七星士の演劇はこうして成功し、無事に終わるのであった。あかり達は元の私服に着替えるのであった。
「覚えているか、オスカー?幼き日、棒切れを手にしてこの路地裏を掛け回った日々の事を。」
「ユリウス……忘れることができようか。君とセシリア様と無邪気に過ごしたあの日々……かけがいのない自分の宝だ。」
「ふふ、あの時は驚いたものだ。お忍びで遊びに来ていたのが私だけでなかったとはな……」
「舞い散る桜のごときの可憐さと清水のごとき潔さを備えた少女。セシリア様はまさに自分たちにとっての太陽だった。」
「だが、その輝きは日増しに翳りを帯びている。貴族勢力と平民勢力……両者の対立はもはや避けられぬ所まで来ている。姫の嘆きも無理はない……」
「そして……ああ、なんと言うことだろう。その嘆きを深くしているのが他ならぬ我々の存在だとは……」
アリオスがユリウスとして、星宿がオスカーとして演じるのであった。
その後、あかりとアリオスの2人きりの場面のシーンが登場するのであった。
「久しぶりですね、姫。」
「ユリウス……本当に久しぶりです……今日は……オスカーと一緒ではないのですね。お父様がご存命だったころ……宮廷であなた達が談笑するさまは侍女たちの憧れの的でしたのに。」
「……姫もご存じのように王国は存亡の危機を迎えています。私と彼が親しくすることは、最早、かなわぬものかと……」
「………………………………」
「今日は姫に、あることをお願いしたく参上しました。」
「お願い……ですか?」
「私とオスカー……近衛騎士団団長と若き猛将との決闘を許していただきたいのです。そして勝者には……姫の夫たる幸運をお与えください。」
「!!!」
あかりとアリオスの演劇シーンが終わり、次はアリオスと星宿の決闘シーンである。
「貴族勢力と平民勢力の争いに巻き込まれるようにして……親友同士だった2人の騎士はついに決闘をする事になりました。彼らの決意をさとった姫はもはや何も言えませんでした。そして決闘の日……王都の王立競技場(グランセルアリーナ)に2人の騎士の姿がありました。貴族、平民、中立勢力など大勢の人々が見届ける中……セシリア姫の姿だけがそこには見られませんでした。」
香蓮のナレーターが終わり、アリオスと星宿の決闘シーンが始まるのであった。
「わが友よ。こうなれば是非もない……我々はいつか雌雄を決する運命にあったのだ。抜け!互いの背負うもののために!何よりも愛しき姫のために!」
「運命とは自らの手で切り拓くもの……背負うべき立場も姫の微笑みも、今は遠い……」
「臆したか、オスカー!」
「だが、この身を駆け抜ける狂おしいまでの熱情は何だ?自分もまた、本気になった君と戦いたくて仕方ないらしい……革命という名の猛き嵐が全てを呑み込むその前に……剣を持って運命を決するべし!」
「おお、我らが2人の魂女神(エイドス)もご照覧あれ!いざ尋常に勝負!」
「応!」
その後、アリオスと星宿は剣を構え決闘シーンを始めるのであった。
「やるな、ユリウス……」
「それはこちらの台詞だ。だが、どうやら……今だ迷いがあるようだな!」
その後剣を交えるのであった。
「どうしたオスカー!お前の剣はそんなものか!?帝国を退けた武勲はその程度のものだったのか!」
「くっ……おおおおおおおっ!さすがだユリウス……何と華麗な剣裁きな事か。く……」
「オスカー、お前……腕にケガをしているのか!?」
「問題ない……カスリ傷だ。」
「今だ我々の剣は互いを傷付けていない筈……ま、まさか決闘の前に……」
「卑怯だぞ、ラドー侯爵!貴公のはかりごとか!?」
「ふふふ……言いがかりは止めてもらおうか。私の差し金という証拠はあるのか?」
「父上……なんということを。」
「いいのだ。ユリウス。これも自分の未熟さが招いた事。それにこの程度のケガ戦場では当たり前のものだろう?」
「………………………………」
「次の一撃で全てを決しよう。自分は……君を殺すつもりで行く。」
「オスカー、お前……わかった……私も次の一撃に全てを賭ける。」
お互い一歩下がった後に剣を構える幸人と星宿であった。
「さならる生と、姫の笑顔。そして王国の未来さえも……生き残った者が全ての責任を背負うのだ。」
「そして敗れた者は魂となって見守っていく……それもまた騎士としての誇りだろう。」
「ふふ、違いない。………………………」
「………………………………」
「はああああああッ!」
「おおおおおおおッ!」
アリオスと星宿が決着をつけるシーンを演じるのであった。
「だめ――――――っ!!」
あかりが表れ、斬られるシーンを演じるのであった。
「あ……」
「セ……シリア……?」
「な…………」
幸人と星宿があかりの登場に驚く。
「ひ、姫ーーーーーーーッ!」
アリオスが叫ぶ。星宿はあかりを抱きしめるのであった。
「セシリア、どうして……君は欠席していたはずでは……」
「よ、よかった……オスカー、ユリウス……あなたたちの決闘なんて見たくありませんでしたが……どうしても心配で戦うのをやめて欲しくて……ああ、間に合ってよかった……」
「セシリア……」
「ひ、姫……」
「皆も……聞いてください……わたくしに免じて……どうか争いは止めてください……皆、リベールの地を愛する大切な仲間ではありませんか……ただ……少しばかり……愛し方が違っただけのこと……手を取り合えば……分かりあえるはずです……」
「お、王女殿下……」
「もう……これ以上は仰いますな……」
「ああ……目がかすんで……ねえ……2人とも……そこに……いますか……?」
「はい……」
「君の側にいる……」
「不思議……あの風景が浮かんできます……幼い頃……お城を抜け出して遊びに行った……路地裏の……オスカーも……ユリウスも……あんなに楽しそうに笑って……わたくしは……2人の笑顔が……だいすき……だ…から……どうか……、……いつも笑って……いて……、……………………」
あかりが息を引き取るシーンを演じるのであった。
「姫……?嘘でしょう、姫!頼むから嘘と言ってくれええ!」
「セシリア……自分は……、………………………………………」
アリオスが叫び、星宿も悲しそうな顔をするのであった。
「姫様、おかわいそうに……」
「ああ、どうしてこんな事に……」
「殿下は命を捨ててまで我々の争いをお止めになった……その気高さと比較べたら……貴族などの誇りなど如何な物か……そもそも我々が争わなければこんな事にはならなかったのに……」
「人は、いつも手遅れになってから己の誤ちに気が付くもの……これも魂を肉体に縛られた人の子としての宿命か……エイドスよ、大いなる空の女神よ。お恨み申し上げますぞ……」
誰もが姫がなくなったことで悲しそうになるのであった。
「まだ……判っていないようですね。」
柳宿の演じる空の女神エイドスが声を掛ける。それを聞いて星宿達が驚く。
「……確かに私はあなたたちに器として肉体を与えました。しかし、人のの子の魂はもっと気高く自由にあれるはず。それをおとしめているのは他ならぬあなたたち自身です。」
「ま、眩しい……」
「何て綺麗な声……」
「おお……なんたること!方々、畏れ多くもエイドスが降臨なさいましたぞ!」
「これが女神……」
「何という神々しさだ……」
アリオスが驚き、星宿も驚く。
「若き騎士たちよ。あなたたちの勝負、私も見させてもらいました。なかなかの勇壮さでしたが……肝心なものが欠けていましたね。」
「仰るとおりです……」
「全ては自分たちの未熟さが招いたこと……」
「議長よ……あなたは身分を憎むあまり貴族や王族が、同じ人である事を忘れてはいませんでしたか?」
「……面目次第もありません。」
「そして侯爵よ……あなたの罪は、あなた自身が一番良く判っているはずですね?」
「………………………………」
「そして、今回の事態を傍観するだけだった者たち……あなたたちもまた大切なものが欠けていたはず。胸に手を当ててごらんなさい。」
柳宿の声に鬼宿達も考えるのであった。
「ふふ、それぞれの心に思い当たる所があったようですね?ならば、リベールにはまだ未来が残されているでしょう。今日という日のことを決して忘れる事がないように……」
その後、あかりがエイドスによって蘇生するシーンがあり、星宿達は驚くのであった。
「ああ……」
「消えてしまわれた……」
「…………ん………」
あかりが目を覚ますのであった。
「あら……ここは……」
「ひ、姫!?」
「セシリア!?」
あかりの声にアリオスと星宿が声を掛ける
「まあ、ユリウス、オスカー……まさか、あなたたちまで天国に来てしまったのですか?」
「……………………………」
「……………………………」
それを聞いた幸人と星宿は驚く。
「こ、これは……これは紛う方なき奇跡ですぞ!」
軫宿演じる大司教が驚く。
「姫様ああ~っ!!」
「本当に、本当に良かった!!」
「きゃっ……どうしたのです2人とも……あら……侯爵……議長までも……わたくし死んだはずでは……」
あかりが驚く。
「おお。女神(エイドス)よ!よくぞリベールの至宝を我らにお返ししてくださった!」
「大いなる慈悲に感謝しますぞ!」
「オスカー、ユリウス……あの……どうなっているのでしょう?」
あかりが幸人と星宿に声を掛ける。
「セシリア様……もう心配することはありません。永き渡る対立は終わり……全て良い方向に流れるでしょう。」
「甘いなオスカー。我々の勝負の決着はまだ付いていないはずだろう?」
「ユリウス……」
アリオスの言葉に星宿も驚く。
「そんな……また戦うというのですか?」
あかりが止めようとする。
「いえ……今回の勝負はここまでです。何せそこにいる大馬鹿者が利き手腕にケガをしておりますゆえ。しかし、決闘騒ぎまで起こして勝者がいないのも恰好が付かない。ならば、ハンデを乗り越えて互角の勝負をした者に勝利を!」
「待て!ユリウス!」
「勘違いするな、オスカー。姫をあきらめたわけではないぞ。お前の傷が癒えたら、今度は木剣で決着をつけようではないか。幼き日にように、心ゆくまでな。」
アリオスは星宿と決着を付けようと声を掛けるのであった。
「そうか……ふふ……わかった、受けて立とう。」
「もう、2人とも……わたくしの意思は無視ですか?」
あかりが止めようとする。
「そ、そういうわけではありませんが……」
「ですが、姫……今日の所は勝者へのキスを。皆がそれを期待しております。」
星宿が慌て、アリオスも星宿とあかりにキスしろと告げる。
「……わかりました。」
あかりが納得し、星宿と抱き合いキスシーンを演じるのであった。
「きゃあきゃあ♡」
「お2人ともお似合いです♡」
「空の女神も照覧あれ!今日という良き日がいつまでも続きますように!」
アリオスが最後に告げた後に大団円で無事に終わるのであった。あかり達セーラー戦士と朱雀七星士の演劇はこうして成功し、無事に終わるのであった。あかり達は元の私服に着替えるのであった。