星宿と井宿は青龍七星士が集まっていることを話し合いをしていた。
「では、青龍七星士が既に集まっていると申すのだな？」
「陛下、ええ確証はありませんが、恐らくは、それよりも問題なのは術者ですのだ、倶東国の術者ですが、おいらだけでは歯が立ちません。いざと言う時はあかりちゃんと幸人君に援護してもらうつもりですのだ。」
「そうか、あの心宿の他に術者がいるのだな？」
「ええ、あかりちゃんと幸人君も恐らく気が付いていますのだ。儀式が無事に済むまでおいらが念の為に結界を張りますのだ。」
星宿が驚き、井宿もあかりと幸人も勘が鋭いため、気がついていることを告げるのであった。
「そうか、頼んだぞ。あかりと幸人は洞察力と観察力が優れているのだ。特にあかりには心配かけたくないのだ。彼女は包容力があり、私も初めて出会って好きになった女だ。しかし、あかりは幸人と相思相愛の仲だ。私は幸人には適わぬ。」
星宿もあかりには未練があり、切ない表情をするのであった。
「陛下、どうやらあかりちゃんがいらっしゃったのだ。おいらはこれで失礼します。」
井宿はあかりが来ていることに気が付き、ドアを開け、あかりと交代しようとしていた。
「井宿、ごめんね。私に気を使わせてありがとう。」
あかりが井宿に対して申し訳ない顏をするのであった。
「あかりちゃん、気にすることはないのだ。陛下と話し合いをするのだ。」
井宿もあかりに気を使うのであった。その後井宿は去り、あかりは星宿と二人きりになっていた。
「あかり、私の気持ちを断りに来たのだろう？」
星宿があかりが自身と告白を断りにきたあかりに聞くのであった。
「ええ、星宿、ごめんね。貴方の気持ちに答えてあげられなくて申し掛けないわ。」
あかりが涙を流しながら、星宿の思いを断っていた。
「あかり、よいのだ。お前が幸人一筋であることを私は知っていたのだ。私は身を引くつもりなのだ。最後に頼みたいことがあるのだ。私をもう一度、お前に恋する情けない男にしてくれるか？」
星宿はあかりを励ました後に、その後あかりを抱きしめるのであった。ある程度した所で、星宿はあかりを抱きしめたのを離したのであった。
「すまなかった、さあ、幸人の元へ行くのだ。」
星宿はあかりに気を使うのであった。
「ええ、星宿ありがとう。星宿もいつか素敵な女性に出会えるわ。星宿も幸せになってね。」
あかりも星宿を激励するのであった。その後、あかりは幸人の所に向かうのであった。星宿も切なそうにあかりを見守るのであった。
（あかり、幸人と幸せになるのだ。）
星宿はあかり対する未練を捨てたのであった。
一方、あかりは幸人と会い、会話をするのであった。
「あかり、星宿様と話し合い終わったんだな？」
幸人があかりに声を掛けた。
「ええ、幸人さん。星宿身を引くそうよ。私と幸人さんの幸せを願うそうよ。」
「そうだな。星宿様の為にも俺とあかりで幸せになろうな？」
「ええ、よろしくね幸人さん。」
あかりも幸人も身を引いた星宿の為に幸せになろうと決意をしたのであった。その後あかりと幸人は抱きしめ合い、キスを交わすのであった。その後あかり達は朱雀を呼び出すために場所を移動するのであった。
「ここが朱雀を呼び出す儀式なのね？」
「俺も驚きました。」
あかりと幸人は朱雀の儀式を呼び出す場所に驚くのであった。
「あかりちゃん、幸人君、簡単に言うと朱雀七星士の四神天地書の呪文を読み上げ、炎の中に入れるのだ。」
井宿はあかりと幸人に儀式のことを説明した。
「もしかして私が呪文を読むのね？」
「この字、翻訳しないと読めんぞ？」
あかりが驚き、幸人も中国語を翻訳しないと読めないことに気が付くのであった。
「あかりちゃん、見事だのだ。もちろん巫女が読み上げるのだ。」
井宿もあかりの勘の鋭さを評価するのであった。
「ええ、わかったわ。どうにかマスターするね。」
「そうだな。あかりは頭がいいからすぐに覚えられるだろうな。」
あかりが了承し、幸人もあかりの頭の良さを理解するのであった。
「巫女様、お召使いのお手伝いに参りました。」
侍女があかりに声を掛けた。
「え？もしかして朱雀の儀式を準備するためなのですか？」
あかりは侍女に聞くのであった。
「あかり、そうだ。身を清めて衣装を着替えるのだ。その間に願い事を整理しておくがいい。3つだけだからな。」
「ええ、そうね、一つはもう決まっているわよ。この世界全体を平和にするつもりだから安心して？」
あかりが星宿に平和の世界にしたいと告げるのであった。
「さあ、こちらへ。」
侍女はあかりを連れて、身を清める場所に移動をするのであった。その後、あかりは全裸になり、水の中に入るのであった。
「巫女様、身を清めてください。」
侍女があかりに声を掛けた。
「ええ、わかりました。これは遊びではなく、身を清めるための行いですね？」
あかりも侍女の言葉に身を清めようと決意するのであった。
「巫女様、見事です。身と心を清めるのです。」
侍女もあかりの勘の鋭さを評価し、あかりの身を清めるのを見守ろうとしていた。その後、あかりは身も心も清め、水が流れているのを浴びるのであった。
一方、幸人達はあかりが身を清めていることを知り、待機していた。
「幸人、お前いつかあかりと結婚するんだろ？」
鬼宿が幸人に結婚するかを聞くのであった。
「鬼宿、ああそうだ。俺もあかりもいつか元の世界で結婚式を上げるつもりだ。」
「俺達は見守ることしかできねえけど、あかりと幸人には幸せになってほしいぜ。」
幸人はあかりといつか結婚することを告げ、鬼宿もあかりと幸人を見守ろうとしていた。
一方、身を清めていたあかりは、気持ちを切り替えていた。
（朱雀を呼び出したら、この世界を平和にして見せるわ。元凶である青龍七星士をいつか私の世界に転生されせ、改心させるわ。）
あかりは朱雀を呼び出したら、世界を平和にしようと決意するのであった。
「巫女様、お時間です。」
「ええ、わかりました。すぐに向かいます。」
侍女の声にあかりもすぐに向かうのであった。その後、体を拭いてもらい、あかりは巫女の召喚服に着替えるのであった。幸人達の待つ儀式の場所に向かうのであった。
一方、朱雀の偽物のである亢宿は角宿にあるメッセージを送るのであった。
角宿がそれを見て、報告するのであった。
「心宿さん、唯様、兄貴からの報告で、もうすぐ朱雀召喚の儀式だそうです。」
「そうか、やつらは亢宿が間者であることを知ってはおらぬ。」
「そうなんだね。」
角宿が報告し、心宿は亢宿は偵察者だと告げ、唯もあかりと幸人が油断していることに驚くのであった。
「あいつら、馬鹿なやつらです。兄貴の笛で窒息死させることができます。」
角宿もあかり達を亢宿の手で抹殺されることを楽しみになるのであった。