「…白い。」

スッ

「？」

突然、彼は私の頬に包むように触れた。かと思

えば、今度は親指でグリグリと押してきた。

「ちょっ、え、何ですか？！」

急な接触に思わず身を引いた。

「一週間後、この城で健康診断がある。場所は

わかるな？」

「はい、一応…」

「ならいい。」

薄笑いを浮かべそっと手を離し、座っていた場

所へと戻っていった。私はこの時、謎の危機感

を感じ、さっさと本を戻し図書室をあとにした

。



後日、オフの日だったので、ベーベべさんに会

いに行こうと思った。けど、今日も今日とて疲

れているに違いない。手ぶらでは何だか申し訳

ないので、城内の自販機でミネラルウォーター

を買ってきてから向かうことにした。

「今日はお話できるといいな。」

「スネ毛真拳奥義！！」

「！ベーベべさんの声だ！」

声がした方角へ向かうと、黒く細長いヒモのよ

うなモノに足を取られてうっかり転んでしまっ

た。

「うっ、痛てて…」

「おい、大丈夫か…って花子かよ。」

ほれ、立てるか？と差し伸ばされた手を握り、

身体を起こした。

「悪いな、さっきまでスネ毛真拳を極めてたん

だ。どこまで毛を伸ばせるか、ってなw」

「そうだったんですか…あ、はいコレ。」

「おっ、サンキュー^」

転んだ弾みで若干ペットボトルがヘコんでたが

彼は気に止まず受け取ってくれた。