空蝉の憧憬
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前世の記憶があるとはいえ、現世までその因縁が続くと思うか、と問われれば、それには少々懐疑的だと思う
それは今まで、真田の旦那、その因縁の相手と側近、それから腐れ縁の忍び仲間としか出会えていなかったから
けれど今はまた少し考えを改めている自分がいる
新年度、旦那がうちの高校に入学してくると同時に、それまで名を聞くこともなかった顔見知りの面々がズラリと揃ってしまったのだ
何とも馬鹿げた運命である
『徳川家康、石田三成……。まぁ竜の旦那はここに入学するとは聞いてたけど……。それから西は毛利元就に長曾我部ねぇ……。前田の風来坊まで同学年か……』
小さなため息で留めたのは、我ながら褒めたいと思う
ただの神の気まぐれか、それにしても悪趣味な神だ、と思う
今まで一度も神なんて存在を肯定的に捉えたことは無いが……
いったいこの中の何人が、前世の記憶を持っているのか
そう考えると少しだけ胸の奥がザワつく
俺様が死んだ後の世界を生きた人間も多くいるのだ
……それにしても、ここまでの顔ぶれを揃えておいてお目当ての人は見つからない
そんな現実に思わずいるのかも分からない神に心の中で恨み言を言う
『まず一番は、徳川家康、かな……』
心の中で標的を見定める
豊臣を見限り、友と豪語していた石田三成と対立
最終的に天下分け目の大戦で多くの絆の犠牲の上に立った、傷だらけの東照
絆を語る彼が、一番の絆を己の手で葬った後悔
結局その天下分け目の大戦で俺様も旦那も死んじまった訳で、その後の徳川家康を俺様は知らない
けれど前世の記憶を有するポイントが本当に"後悔"であるならば、彼を差し置いて他にはいないはずだ
あとは石田の旦那と、あぁ、以外と毛利辺りも上手いこと隠しているのかもしれない
これ程までに新聞部に入っていて良かったと思うことはなかった
自然とニヤけそうになる頬を無意識に抑えながら、これからの事に思いを馳せた
それは今まで、真田の旦那、その因縁の相手と側近、それから腐れ縁の忍び仲間としか出会えていなかったから
けれど今はまた少し考えを改めている自分がいる
新年度、旦那がうちの高校に入学してくると同時に、それまで名を聞くこともなかった顔見知りの面々がズラリと揃ってしまったのだ
何とも馬鹿げた運命である
『徳川家康、石田三成……。まぁ竜の旦那はここに入学するとは聞いてたけど……。それから西は毛利元就に長曾我部ねぇ……。前田の風来坊まで同学年か……』
小さなため息で留めたのは、我ながら褒めたいと思う
ただの神の気まぐれか、それにしても悪趣味な神だ、と思う
今まで一度も神なんて存在を肯定的に捉えたことは無いが……
いったいこの中の何人が、前世の記憶を持っているのか
そう考えると少しだけ胸の奥がザワつく
俺様が死んだ後の世界を生きた人間も多くいるのだ
……それにしても、ここまでの顔ぶれを揃えておいてお目当ての人は見つからない
そんな現実に思わずいるのかも分からない神に心の中で恨み言を言う
『まず一番は、徳川家康、かな……』
心の中で標的を見定める
豊臣を見限り、友と豪語していた石田三成と対立
最終的に天下分け目の大戦で多くの絆の犠牲の上に立った、傷だらけの東照
絆を語る彼が、一番の絆を己の手で葬った後悔
結局その天下分け目の大戦で俺様も旦那も死んじまった訳で、その後の徳川家康を俺様は知らない
けれど前世の記憶を有するポイントが本当に"後悔"であるならば、彼を差し置いて他にはいないはずだ
あとは石田の旦那と、あぁ、以外と毛利辺りも上手いこと隠しているのかもしれない
これ程までに新聞部に入っていて良かったと思うことはなかった
自然とニヤけそうになる頬を無意識に抑えながら、これからの事に思いを馳せた
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