飛翔
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「あ……」
そんな間抜けな声が出た
市ノ瀬咲月
あの笠松先輩が知っていたアイドルをしているらしい女子
何となく浮かない表情で電話で誰かと話している
ここは俺が良く使う裏の水道
表の水道はファンに絡まれて休憩中に戻る事が難しくなってしまうのだ
彼女はこちらに気づくこともなく、暗い表情のまま通話を終える
「何やってんっっスか、市ノ瀬先輩?」
「っ……!……黄瀬、涼太くん……」
「あ、俺の事知っててくれたんっスか!」
「……まぁ、君は有名人だからね」
苦笑いを浮かべる彼女は隠すようにスマホを鞄にしまう
「あんまりいい話じゃなかったんっスか?」
「え?」
「電話。顔に出てたっスよ」
水道を捻れば冷たい水で顔を洗う
「…そっか、私そんな顔してたんだ……」
そんな他人事のような呟きにそちらに目を向ければ彼女は困ったように笑う
「ごめんね、休憩中にお邪魔しちゃって」
「いや、別にいいっスけど……」
そう言うと彼女から突拍子もない質問が飛んできた
「黄瀬くんはモデルの仕事好き?」
「…は?いや、まぁ仕事内容によるって感じっスかね」
「あはは、素直だね」
そう言って彼女は楽しそうに笑う
「……じゃあ私も素直に言うね。私、歌を歌うのが好きなんだ。けど、本番では歌わせてもらえないの。…だから……」
次に続いた言葉に正直少しだけ驚いた
「……アイドルは、好きじゃない」
春を告げる風が彼女の綺麗なポニーテールの髪を乱した
そんな間抜けな声が出た
市ノ瀬咲月
あの笠松先輩が知っていたアイドルをしているらしい女子
何となく浮かない表情で電話で誰かと話している
ここは俺が良く使う裏の水道
表の水道はファンに絡まれて休憩中に戻る事が難しくなってしまうのだ
彼女はこちらに気づくこともなく、暗い表情のまま通話を終える
「何やってんっっスか、市ノ瀬先輩?」
「っ……!……黄瀬、涼太くん……」
「あ、俺の事知っててくれたんっスか!」
「……まぁ、君は有名人だからね」
苦笑いを浮かべる彼女は隠すようにスマホを鞄にしまう
「あんまりいい話じゃなかったんっスか?」
「え?」
「電話。顔に出てたっスよ」
水道を捻れば冷たい水で顔を洗う
「…そっか、私そんな顔してたんだ……」
そんな他人事のような呟きにそちらに目を向ければ彼女は困ったように笑う
「ごめんね、休憩中にお邪魔しちゃって」
「いや、別にいいっスけど……」
そう言うと彼女から突拍子もない質問が飛んできた
「黄瀬くんはモデルの仕事好き?」
「…は?いや、まぁ仕事内容によるって感じっスかね」
「あはは、素直だね」
そう言って彼女は楽しそうに笑う
「……じゃあ私も素直に言うね。私、歌を歌うのが好きなんだ。けど、本番では歌わせてもらえないの。…だから……」
次に続いた言葉に正直少しだけ驚いた
「……アイドルは、好きじゃない」
春を告げる風が彼女の綺麗なポニーテールの髪を乱した
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