人魚姫
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あの後「市ノ瀬さんらしくありません」という彼を無視して倉庫を後にした
ただ、彼の言葉が心に残る
『市ノ瀬さんらしくありません』
彼は私の事をどんな風に思っていたのだろうか
テツヤ先生が来てから、早いもので1ヶ月が経とうとしていた
あれから特に彼の事について踏み入った質問はない
中学時代の黒子くんの性格を考えれば、確実に問い詰められると身構えていたので、少しだけ拍子抜けしてしまった
けれど、考えてみればそれが普通の事で、私が知っている黒子くんは中学時代
あれから10年以上の時が流れて、今のテツヤ先生なのだ
「咲月先生」
「はい?」
帰り支度をしていれば孝太郎先生に声をかけられる
ここ最近、話す事が増えたと思う
彼は1歳児クラスのサポートで来てくれている先生で、誰にでもフレンドリーなイメージがあった
「今日の飲み会、一緒に行きませんか?」
「えっ、いいんですか?」
「えぇ。咲月先生、確か徒歩通勤ですよね?僕、車ですし、どうせなら一緒にと思いまして……」
「本当に助かります!なら、お言葉に甘えて」
今日は忘年会と、ほなみ先生とテツヤ先生の歓送迎会を兼ねた飲み会である
お酒が入って彼が突拍子もないことを言い出さないかと不安はあるものの、ほなみ先生との最後の飲みにはどうしても参加したかったのだ
「ほなみ先生が居なくなると随分寂しくなりますね」
「えぇ。本当に。子供達も毎日ほなみ先生にしがみついて帰ろうとしないんですよ」
たわいも無い会話をしながら車に向かう
「あ、助手席どうぞ」
「え?えぇ、じゃあ、すみません」
後部座席を開けようとすればわざわざ助手席を指定される
そう言われてしまえば断る理由もなく、回りこんで助手席のドアを開け乗り込んだ
その瞬間、後悔する
この香り、ダメだ……
ふわっと香る程度ならいいが、車内に籠るように広がる芳香剤は、苦手な甘ったるい香り
そもそも、私はあまり乗り物が得意ではない
今回はすぐそこだし大丈夫と思ったので有難く好意に甘えさせて貰ったが、帰りは歩いて帰ろうと固く心に誓った
ただ、彼の言葉が心に残る
『市ノ瀬さんらしくありません』
彼は私の事をどんな風に思っていたのだろうか
テツヤ先生が来てから、早いもので1ヶ月が経とうとしていた
あれから特に彼の事について踏み入った質問はない
中学時代の黒子くんの性格を考えれば、確実に問い詰められると身構えていたので、少しだけ拍子抜けしてしまった
けれど、考えてみればそれが普通の事で、私が知っている黒子くんは中学時代
あれから10年以上の時が流れて、今のテツヤ先生なのだ
「咲月先生」
「はい?」
帰り支度をしていれば孝太郎先生に声をかけられる
ここ最近、話す事が増えたと思う
彼は1歳児クラスのサポートで来てくれている先生で、誰にでもフレンドリーなイメージがあった
「今日の飲み会、一緒に行きませんか?」
「えっ、いいんですか?」
「えぇ。咲月先生、確か徒歩通勤ですよね?僕、車ですし、どうせなら一緒にと思いまして……」
「本当に助かります!なら、お言葉に甘えて」
今日は忘年会と、ほなみ先生とテツヤ先生の歓送迎会を兼ねた飲み会である
お酒が入って彼が突拍子もないことを言い出さないかと不安はあるものの、ほなみ先生との最後の飲みにはどうしても参加したかったのだ
「ほなみ先生が居なくなると随分寂しくなりますね」
「えぇ。本当に。子供達も毎日ほなみ先生にしがみついて帰ろうとしないんですよ」
たわいも無い会話をしながら車に向かう
「あ、助手席どうぞ」
「え?えぇ、じゃあ、すみません」
後部座席を開けようとすればわざわざ助手席を指定される
そう言われてしまえば断る理由もなく、回りこんで助手席のドアを開け乗り込んだ
その瞬間、後悔する
この香り、ダメだ……
ふわっと香る程度ならいいが、車内に籠るように広がる芳香剤は、苦手な甘ったるい香り
そもそも、私はあまり乗り物が得意ではない
今回はすぐそこだし大丈夫と思ったので有難く好意に甘えさせて貰ったが、帰りは歩いて帰ろうと固く心に誓った