短編
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「あーぁ、もうついてない」
結局自分のせいで2時間の残業である
体調不良から来るケアレスミス
書類を作り直したり、スケジュールを見直したり、本当にここ最近は災難続きだ
彼―、鬼である元親の所へは明日行こうか……とも思ったが、逆に飲みながらパーッと話して気持ちを楽にしてしまいたかった
鬼へのお供え物にコンビニのビールも如何なものかと思うが、彼ならなんでも喜んで飲んでくれそうなイメージだったので開き直った
白いチープなコンビニ袋をぶら下げながら神社への階段を登る
夜の神社は何となく不気味だ
「元親〜……?」
鳥居を潜るとそっと名前を呼んでみる
良からぬものが見えたら帰ろう
うん、そうしよう
「お前、こんな時間に何してん……」
「あ、良かった!いた〜!」
「なんつーもん憑けてんだ」
「ん?何が……?」
「どこの花だそれ」
「それ?それってどれ?」
会話は全く噛み合わないのに、元親の顔はどんどんと険しくなっていく
「桜に何か心当たりねぇか?」
「桜?……あぁ!そう聞いてよ!花見の後からなんか体調悪くてさ〜、今日もそのせいでミスして残業!この時間って訳!」
「そうか、なるほどな」
「元親さっきからなんか変じゃない?」
「お前、憑かれてんぞ。その桜にな」
「……ん?え?どういうこと?」
「根ががんじがらめになってやがる。お前から生気を吸い取って養分にしてんだよ。そりゃ不調にもなるぜ」
その言葉にギョッとする
「えっ?!私には何も見えないけど?!」
「お前は霊感がある方だが、完全じゃねぇ。強い霊は見えるが弱ってる奴や成仏しかけてる奴は見えてねぇんだ。死にかけた桜の霊はお前の力じゃ見えねぇ。けど力はそれなりにある。上手いこと利用されたな」
つまり、霊に取り憑かれてるから不調になっているという事か
なるほど
いや、なるほどではないけど……!
「えっ、それどうすればいい?!」
「根を切るしかねぇな。もう寿命なんだ。それを受け入れられずに人に取り憑いて生気を奪うなんて事は道理から外れてる」
「でも、どうやってそんな事……」
「本体を切っちまえばいい。心当たりがあるなら話は早ぇ。案内しな」
そう言えば元親はやれやれと立ち上がった
「マジですか」
「このままだとお前、全部奪われて死んじまうぞ」
その言葉にゾッとする
なるほど、しばらくしたら解放してくれる訳では無いらしい
「すぐに案内します!」
この時間から行くなんてめんどくさいとか思っててごめん、と心の中で謝罪した
結局自分のせいで2時間の残業である
体調不良から来るケアレスミス
書類を作り直したり、スケジュールを見直したり、本当にここ最近は災難続きだ
彼―、鬼である元親の所へは明日行こうか……とも思ったが、逆に飲みながらパーッと話して気持ちを楽にしてしまいたかった
鬼へのお供え物にコンビニのビールも如何なものかと思うが、彼ならなんでも喜んで飲んでくれそうなイメージだったので開き直った
白いチープなコンビニ袋をぶら下げながら神社への階段を登る
夜の神社は何となく不気味だ
「元親〜……?」
鳥居を潜るとそっと名前を呼んでみる
良からぬものが見えたら帰ろう
うん、そうしよう
「お前、こんな時間に何してん……」
「あ、良かった!いた〜!」
「なんつーもん憑けてんだ」
「ん?何が……?」
「どこの花だそれ」
「それ?それってどれ?」
会話は全く噛み合わないのに、元親の顔はどんどんと険しくなっていく
「桜に何か心当たりねぇか?」
「桜?……あぁ!そう聞いてよ!花見の後からなんか体調悪くてさ〜、今日もそのせいでミスして残業!この時間って訳!」
「そうか、なるほどな」
「元親さっきからなんか変じゃない?」
「お前、憑かれてんぞ。その桜にな」
「……ん?え?どういうこと?」
「根ががんじがらめになってやがる。お前から生気を吸い取って養分にしてんだよ。そりゃ不調にもなるぜ」
その言葉にギョッとする
「えっ?!私には何も見えないけど?!」
「お前は霊感がある方だが、完全じゃねぇ。強い霊は見えるが弱ってる奴や成仏しかけてる奴は見えてねぇんだ。死にかけた桜の霊はお前の力じゃ見えねぇ。けど力はそれなりにある。上手いこと利用されたな」
つまり、霊に取り憑かれてるから不調になっているという事か
なるほど
いや、なるほどではないけど……!
「えっ、それどうすればいい?!」
「根を切るしかねぇな。もう寿命なんだ。それを受け入れられずに人に取り憑いて生気を奪うなんて事は道理から外れてる」
「でも、どうやってそんな事……」
「本体を切っちまえばいい。心当たりがあるなら話は早ぇ。案内しな」
そう言えば元親はやれやれと立ち上がった
「マジですか」
「このままだとお前、全部奪われて死んじまうぞ」
その言葉にゾッとする
なるほど、しばらくしたら解放してくれる訳では無いらしい
「すぐに案内します!」
この時間から行くなんてめんどくさいとか思っててごめん、と心の中で謝罪した