変換無しであれば緑木緑《ミドリギ リョク》と表示されます。
降水確率、1%(お試し読書中)
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ふんわりと、少し恥ずかしげに微笑む緑に三井はしばらく気を取られていた。
「 ― … 行くか」
緑へ背を向けてパン、と傘が開く。三井は左側にスポーツバッグを寄せ、顔だけ緑に向けた。
すると緑も右側で鞄を持ち、会釈をしながら隣に並んでくる。
歩きだした二人の歩調は、随分と落ち着いていた。
傘が少し傾いている。三井は意識していなかったが。
緑は三井の傘を占領している事に気が付いていたが、それを口に出さない方が良いような気もしていた。
風が向かってくると、時々緑の髪が三井の手元に触れる。とても質が良かった。揺れるたび、かいだことのない柔らかな香りがする。
初対面で気まずくなるかと思えばそうでもなく、緑は三井へ気軽に話しかけてくれた。
緑は時々単語に詰まる。三井はそれが不思議でならなかったが、人を惹きつけるような話し方に、いつの間にか完全に聞き役となっていた。
話の山場で、肩の力が随分と抜けていた三井だったが
「(…考えてたより… … ちけぇな;)」
熱は引かなかった。
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