変換無しであれば緑木緑《ミドリギ リョク》と表示されます。
降水確率、1%(お試し読書中)
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ベルが鳴り、緑が線まで下がった。
小さく手を挙げてくる緑に、三井は驚くほど早く寂しさを覚える。
緑は、微かに表情の変わった三井に首を傾げた。
三井の瞳が、今日で一番穏やかに見えるのは、緑の勘違いなのだろうか。
「緑木」
初めて呼ばれる名字。
緑は、目を丸くする事しか出来ない。
「またな」
三井は寄りかかったまま、じっとこちらを見つめていた。
緑が、今日一番の笑顔を魅せたのは、やはり三井の優しさに気が付いてしまうからだった。
すぐに扉が閉まり、三井の表情は確認できなかったが。
走り出す電車。
その車内で、三井は見えなくなった緑の方向を向いたまま
他の学生が、小声で緑が美人だと噂しているのが聞こえるのと同時に、急に熱くなってくる自身の顔を押さえ、そんな己に困惑しながら熱が冷めるのを待つしかなかった。
... to be continued ...
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