#1. 卯月さんと映画
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まあ本当に蹴ったりはしない。心の中で我慢するのが正しい対応だ。
「あの、どこか変でしたか?」
私の問いに監督は「うーん」と唸り、私と卯月さんを交互に見た。
「君たちの個人の演技力は高い。だが相手を見れていない。台詞が宙に浮いて会話になっていない。台本通りではあるけど、台本通りすぎる」
……伝わるような、伝わらない、ような?
ようは私も卯月さんもお互いを見ていないってこと?
……え、見てるよ? ていうか練習方法は前と変えてないはずだし、なんなら今日は調子が良い。それなのに、演技のしすぎ?台本通りすぎる?
それって結局、演技が下手ってことなのでは……?
横目でちらりと卯月さんを見てみるが、表情が変わらない。彼は理解できたのだろうか。
私はうまく理解できなくて、そのことに気づいたのか監督はパンッ、と軽い音を立てて手を合わせた。
「ま! まだ始めたばっかりだし。スタッフもゆっくりな人たち集めたから、気長にやっていこう。はい、休憩〜」
「えっいや、まだやれます!」
咄嗟に監督の一歩前へ出たけれど、監督は場違いな程ほのぼのとした笑顔で、
「俺、お腹減ったんだよね〜。ついでにお二人さんで親睦でも深めておいで。20分後、再開ね」
と言って去ってしまった。
周りのスタッフもそれぞれ休憩に入るが、私は緊張とやる気が宙ぶらりんのまま、状況についていけなかった。
(え、なに、こんなんでいいの、この現場?)
お腹減ったとか、ありなの? いやなしだよね? 嘘下手すぎじゃないですか??
「俺たちも休憩しようか、早瀬さん」
「あ、はい」
……こんなんで無事に終わるのか?
「あの、どこか変でしたか?」
私の問いに監督は「うーん」と唸り、私と卯月さんを交互に見た。
「君たちの個人の演技力は高い。だが相手を見れていない。台詞が宙に浮いて会話になっていない。台本通りではあるけど、台本通りすぎる」
……伝わるような、伝わらない、ような?
ようは私も卯月さんもお互いを見ていないってこと?
……え、見てるよ? ていうか練習方法は前と変えてないはずだし、なんなら今日は調子が良い。それなのに、演技のしすぎ?台本通りすぎる?
それって結局、演技が下手ってことなのでは……?
横目でちらりと卯月さんを見てみるが、表情が変わらない。彼は理解できたのだろうか。
私はうまく理解できなくて、そのことに気づいたのか監督はパンッ、と軽い音を立てて手を合わせた。
「ま! まだ始めたばっかりだし。スタッフもゆっくりな人たち集めたから、気長にやっていこう。はい、休憩〜」
「えっいや、まだやれます!」
咄嗟に監督の一歩前へ出たけれど、監督は場違いな程ほのぼのとした笑顔で、
「俺、お腹減ったんだよね〜。ついでにお二人さんで親睦でも深めておいで。20分後、再開ね」
と言って去ってしまった。
周りのスタッフもそれぞれ休憩に入るが、私は緊張とやる気が宙ぶらりんのまま、状況についていけなかった。
(え、なに、こんなんでいいの、この現場?)
お腹減ったとか、ありなの? いやなしだよね? 嘘下手すぎじゃないですか??
「俺たちも休憩しようか、早瀬さん」
「あ、はい」
……こんなんで無事に終わるのか?