#1. 卯月さんと映画
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誰に会うにも、余裕があればまずは深呼吸から始める。
息を心臓に届けて、余分な空気を吐き出して、楽屋の扉に貼られた相手の名前を確認する。
『卯月 新 様』
苗字だけなら可愛いけれど、相手は男。ツキノ芸能プロダクション所属、芸歴2年の先輩。年も同じく2つ離れている。クールな方だと聞いているが、大丈夫、そういう相手は寧ろ得意だ。
愛想の良い笑顔を準備してから扉をノックすると、中からすぐに「はい」と低い声が聞こえた。少し重たいドアを開けると、紙パックのいちご牛乳を持った『卯月 新』がこちらを見ていた。
……なんでいちご牛乳?
とりあえずピンク色の可愛いパックについては置いておいて、私はいつも通り挨拶をする。
「おはようございます! 今回共演させていただく早瀬暦です! よろしくお願いします!」
我ながら完璧な挨拶だった思う。明るい声色に人懐こい笑顔。自分で自分に花丸を上げたいくらいだ。
しかし卯月さんは眉ひとつ動かさず、
「卯月新です。よろしくお願いします」
で終わり。
だめだこの人。愛想が通じない。
こういう人は本人にも愛想がないから話も続かない。成る程、たしかにクールキャラだ。
これ以上は話が続かないし相手も嫌がるからさっさと切り上げて退室しよう。
顔が良い。
それだけで愛想が無くてもいいなんて。
流石、芸能界って感じ。
「それでは失礼します! また後で……」
「あ。ちょっと待って」
「?」
卯月さんは何を思い出したのか、楽屋に備え付けられた簡易的な冷蔵庫を漁り、見覚えのあるピンク色の紙パックを取り出した。
見覚えのある、っていうか、卯月さんが現在進行形で持ってるいちご牛乳と同じもの。2本目ですか? 一体何本持ってるんですか??
「はい。お近づきの印に」
「あ、はい、ありがとうございます……?」
卯月さんは、クールな方だけどちょっとマイペースさんだった。
息を心臓に届けて、余分な空気を吐き出して、楽屋の扉に貼られた相手の名前を確認する。
『卯月 新 様』
苗字だけなら可愛いけれど、相手は男。ツキノ芸能プロダクション所属、芸歴2年の先輩。年も同じく2つ離れている。クールな方だと聞いているが、大丈夫、そういう相手は寧ろ得意だ。
愛想の良い笑顔を準備してから扉をノックすると、中からすぐに「はい」と低い声が聞こえた。少し重たいドアを開けると、紙パックのいちご牛乳を持った『卯月 新』がこちらを見ていた。
……なんでいちご牛乳?
とりあえずピンク色の可愛いパックについては置いておいて、私はいつも通り挨拶をする。
「おはようございます! 今回共演させていただく早瀬暦です! よろしくお願いします!」
我ながら完璧な挨拶だった思う。明るい声色に人懐こい笑顔。自分で自分に花丸を上げたいくらいだ。
しかし卯月さんは眉ひとつ動かさず、
「卯月新です。よろしくお願いします」
で終わり。
だめだこの人。愛想が通じない。
こういう人は本人にも愛想がないから話も続かない。成る程、たしかにクールキャラだ。
これ以上は話が続かないし相手も嫌がるからさっさと切り上げて退室しよう。
顔が良い。
それだけで愛想が無くてもいいなんて。
流石、芸能界って感じ。
「それでは失礼します! また後で……」
「あ。ちょっと待って」
「?」
卯月さんは何を思い出したのか、楽屋に備え付けられた簡易的な冷蔵庫を漁り、見覚えのあるピンク色の紙パックを取り出した。
見覚えのある、っていうか、卯月さんが現在進行形で持ってるいちご牛乳と同じもの。2本目ですか? 一体何本持ってるんですか??
「はい。お近づきの印に」
「あ、はい、ありがとうございます……?」
卯月さんは、クールな方だけどちょっとマイペースさんだった。
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