決行は10月31日、渋谷
"U R MY SPECIAL"
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……
…
「ただいま」
蒼磨が学長の正面に飛んできた。まだ子供のくせに五条と同じく、もう長距離移動が出来る
「ただいまじゃないよ。右手…どこやったんだ?」
「宿儺と戦ったら吹き飛んだ。死ななかっただけマシだろ」
いちいちうるせー
蒼磨がため息をついた後、前に出て目を見開く
「どうした?」
「…いや……"視えない"から」
渋谷の街を見渡して声を落とす蒼磨が私と学長に声を掛けた
「父さんの呪力が一箇所で急に途切れた。多分…副都心のホームで何かあったんだ」
唐突にかけ出そうとする蒼磨を学長が思いっ切り殴って止めた。五条の子だ。そうでもしないと止まらない
「いってぇなッ!なにすんだよッ」
「行ったところで今のお前に何が出来るッ!片腕で戦えるのか?」
学長の怒号に蒼磨が怒鳴り返した
「副都心には母さんがいるんだッ!俺が父さんと合流した方がいいって言ったから…だから!」
半ば感情的になりやすいのはまるっきり五条だ。そこに似つかわしくない責任感は名無しに似たんだろう
「今は様子を見たらどうだ?」
煙草をふかして蒼磨に一声かける。蒼磨と言えばまぁ大人しく話を聞こうって顔でもない
ただその困惑したような気に食わないような蒼が、少し昔の五条に重なった。親が親なら子も子だろう
「流石の私だって腕一本治すのは無理だ。だからと言えど片腕なくした状態で母親と顔合わせてみろ。名無しならどんな反応すると思う?」
「……治してくれなんて言ってない。腕くらい治せるけど…まだ治せるまでの呪力が足りねぇんだよ。回復したら治す」
座り込んだ蒼磨が項垂れた
「でも、回復したら戦うからな。父さんに何かあったなら戦えんの俺しか残んねーだろ。渋谷の帳内にいる術師、ざっくり見た所…呪力を感じないのがチラホラいる。まだ少し瀕死なのもいるな。動けないだけかもしれねーけど」
名無しがどうして無事なのかが分からない
あの子は準一級だ。特級と鉢合わせる事もあるだろう。五条は自分から誘いに乗った筈だから名無しと行動を共にしている事もないだろうし……守られているという事はまずない
「母さんの中の呪い…分かんないって言ってただろ?」
「分かってれば学長は前線なんか出さないでしょ」
"混ざってた"と言ってもこっちは低級か特級かも分からない状態だった。現状危険性もあるけど……前線に出した理由は多分
「賭けではあったが、シッポを出したか?」
「宿儺だよ」
蒼磨の言葉に場の空気が固まったかのようにヒヤリとした
「…冗談じゃないだろうな」
学長が蒼磨にそう聞く
蒼磨が不貞腐れた顔を変えないまま口を開いた
「俺がこの"眼"で見てきたってのに信用しねーのかよ」
六眼は嘘を付かない
映る情報は全てが本物だ
「虎杖(器)がいるのに名無しの中にも宿儺がいるのはおかしくないか?」
「いや…器はただ切り分けた宿儺の一部が受肉したに過ぎない。母さんはその…宿儺の本体っつーか…宿儺の生得領域を具現化したみたいなモノになるんだよ……」
落ち込んだように声を落とした蒼磨の頭を学長がポンと叩いた。ガキ扱いするなと蒼磨が怒る
「怪我が治ってから動け。自分で言っただろう。戦えるのは自分しかいないと」
「……当たり前じゃん。みんな弱ぇもん」
「ならば治せ。万全の状態ではないまま前線に出ても荷物になるだけだと分かるだろう」
学長の言葉に蒼磨が静かになる。血の染み込んだ学ランを片手で握りしめて、そのまだ幼い手は震えていた
…
「ただいま」
蒼磨が学長の正面に飛んできた。まだ子供のくせに五条と同じく、もう長距離移動が出来る
「ただいまじゃないよ。右手…どこやったんだ?」
「宿儺と戦ったら吹き飛んだ。死ななかっただけマシだろ」
いちいちうるせー
蒼磨がため息をついた後、前に出て目を見開く
「どうした?」
「…いや……"視えない"から」
渋谷の街を見渡して声を落とす蒼磨が私と学長に声を掛けた
「父さんの呪力が一箇所で急に途切れた。多分…副都心のホームで何かあったんだ」
唐突にかけ出そうとする蒼磨を学長が思いっ切り殴って止めた。五条の子だ。そうでもしないと止まらない
「いってぇなッ!なにすんだよッ」
「行ったところで今のお前に何が出来るッ!片腕で戦えるのか?」
学長の怒号に蒼磨が怒鳴り返した
「副都心には母さんがいるんだッ!俺が父さんと合流した方がいいって言ったから…だから!」
半ば感情的になりやすいのはまるっきり五条だ。そこに似つかわしくない責任感は名無しに似たんだろう
「今は様子を見たらどうだ?」
煙草をふかして蒼磨に一声かける。蒼磨と言えばまぁ大人しく話を聞こうって顔でもない
ただその困惑したような気に食わないような蒼が、少し昔の五条に重なった。親が親なら子も子だろう
「流石の私だって腕一本治すのは無理だ。だからと言えど片腕なくした状態で母親と顔合わせてみろ。名無しならどんな反応すると思う?」
「……治してくれなんて言ってない。腕くらい治せるけど…まだ治せるまでの呪力が足りねぇんだよ。回復したら治す」
座り込んだ蒼磨が項垂れた
「でも、回復したら戦うからな。父さんに何かあったなら戦えんの俺しか残んねーだろ。渋谷の帳内にいる術師、ざっくり見た所…呪力を感じないのがチラホラいる。まだ少し瀕死なのもいるな。動けないだけかもしれねーけど」
名無しがどうして無事なのかが分からない
あの子は準一級だ。特級と鉢合わせる事もあるだろう。五条は自分から誘いに乗った筈だから名無しと行動を共にしている事もないだろうし……守られているという事はまずない
「母さんの中の呪い…分かんないって言ってただろ?」
「分かってれば学長は前線なんか出さないでしょ」
"混ざってた"と言ってもこっちは低級か特級かも分からない状態だった。現状危険性もあるけど……前線に出した理由は多分
「賭けではあったが、シッポを出したか?」
「宿儺だよ」
蒼磨の言葉に場の空気が固まったかのようにヒヤリとした
「…冗談じゃないだろうな」
学長が蒼磨にそう聞く
蒼磨が不貞腐れた顔を変えないまま口を開いた
「俺がこの"眼"で見てきたってのに信用しねーのかよ」
六眼は嘘を付かない
映る情報は全てが本物だ
「虎杖(器)がいるのに名無しの中にも宿儺がいるのはおかしくないか?」
「いや…器はただ切り分けた宿儺の一部が受肉したに過ぎない。母さんはその…宿儺の本体っつーか…宿儺の生得領域を具現化したみたいなモノになるんだよ……」
落ち込んだように声を落とした蒼磨の頭を学長がポンと叩いた。ガキ扱いするなと蒼磨が怒る
「怪我が治ってから動け。自分で言っただろう。戦えるのは自分しかいないと」
「……当たり前じゃん。みんな弱ぇもん」
「ならば治せ。万全の状態ではないまま前線に出ても荷物になるだけだと分かるだろう」
学長の言葉に蒼磨が静かになる。血の染み込んだ学ランを片手で握りしめて、そのまだ幼い手は震えていた