輪廻転生 連載中
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「え、名無し先生出れないの?」
無事野薔薇ちゃんと合流した私は虎杖くんにお礼を伝えた後、ことの事情を彼女に伝えた
「私が単体で動くのはやめた方がいいって」
「どーでもいいけど……。五条先生って…恋人が出来ると束縛系になるのね」
ウゲッ…と顔を顰めた野薔薇ちゃんを前に私は周囲に警戒する
野薔薇ちゃんと私が立っているこの場所はもう既に敵の手のうちで…もう間もなくもすればアイツが来るはずだ。でも展開が早すぎる、もしかして七海は無事?ちゃんと無傷でいてくれてるのかな?
(なんとかして真人と野薔薇ちゃんを遠ざけたい)
「マジ?俺大当たり引いちゃった感じッ!?」
目の前に現れた真人を前に野薔薇ちゃんが咄嗟に私より前に出る
「先生下がってて。コイツは私が祓いたい」
てか普通咄嗟に私の前出るか!?
なんちゅー度胸と瞬発力!
(野薔薇ちゃんカッケーッ!)
とか言ってる場合じゃないのよ!
野薔薇ちゃんも七海もコイツにやられてしまうから…前線に出るのは私なのに!
「取り敢えず聞くけどさー…後ろのセンセー?"名無し"って奴であってる?」
そもそもなんで呪詛師サイドは私を悟と同じ帳に閉じ込めたの?邪魔か必要って……どういう意味で…
ガンッ!
「だったらなんだよ」
野薔薇ちゃんが先手を打つようにして真人の額に釘を撃つ。そのまま挑発的に金槌を向けられた真人は『う〜ん』と声を出して口角を怪しく上げる
「取り敢えず、連れて帰る」
「!」
(って事は…邪魔じゃなくて……必要って事?)
「連れて帰る?一度しっぽ巻いて逃げたって聞いたヤツが?笑わせんなよッ!」
「あ…!野薔薇ちゃ……」
驚く程の速さで戦う野薔薇ちゃん。ここ数ヶ月で野薔薇ちゃんの動きは本当に立派な準一級並に磨きがかかっていた
(止める隙がない…)
「混ざんないの?」
真人がまるで流れ弾のように変形させた腕を私に飛ばす。野薔薇ちゃんはそれでも攻撃の手を休めない当たり前だ。私だってただの反転使いじゃない
(失うものが多すぎるのに…守りたいと願う私が鍛えない訳ないじゃん!)
前世に残る呪具の記憶。扱い方とリーチの長さ…。それを活かした攻め方
「おッ…やるじゃん?」
ガンガン防御する私とその背後から攻めに行く野薔薇ちゃん。そうだ、そのまま意識を私に向ければいい。野薔薇ちゃんには触らせない、絶対ッ…!
「♪」
あの顔…
(本体と合流する気だ…!)
「待ちなさい!」
「待てやコラァッ…!」
野薔薇ちゃんと地下に駆け下りる。そこに居た返り血塗れの虎杖くんは私と野薔薇ちゃんを見て目を見開いていた
(返り血…?まさか、七海……)
『ななみん死んじゃった…なんで?悲しい』
不意に記憶が蘇る
リアタイで見た衝撃展開のシーン
手を広げて野薔薇ちゃんに手を伸ばす真人
「ッ…駄目!やめてッ!」
私は呪具を振り上げる。今なら間に合う。触れるより前に真人の体勢を崩せる
「バーカ♪狙いはお前だって」
嬉しそうに笑った真人は野薔薇ちゃんに伸ばしていた手を変形させて私に急襲を仕掛けた
メキッとめり込む感覚。意識が飛びそうなほどの鈍痛
「ッ゛……」
「名無し先生ッ!!」
「はい、一緒に行こうね」
虎杖くんの叫び声が聞こえる。次に私に触れようとした真人の手は触れる寸前で止まった
「……?」
(……悟…)
少し感じる悟の呪力。じんわり流れ出る私の血。止めなきゃ…反転を回して……二人を落ち着かせなくちゃ
「なんだ…やっぱ五条悟保険かけといたんだ。計画違い過ぎてウケるんだけど」
反転を回してようやく開くようになった口で私は野薔薇ちゃんを呼ぶ
「野薔薇…ちゃ……早く、離れて。お願いだから…」
行動を共にするなら虎杖くんと一緒にいて欲しい。誰か近くにいてくれれば…
「ごめんね先生。私はコイツみたいにしっぽ巻いて逃げる気さらさらないの」
金槌を構え直す野薔薇ちゃんの前で虎杖くんも同じく構えを取る
(良かった…取り敢えず二人で戦ってくれるのなら安心だ)
少し血を流しすぎたかもしれない。傷口が塞がる頃に意識がフーッとなくなる感覚を覚えた
(やば…意識……飛びそ…)
遠くで聴こえる金属音を聴きながら私は目を閉じた。まさか自分が致命傷を受けるなんて。それが助けたい人が前にいる時に限って
…
…
奥へ奥へと真人を追い詰めたゆえ、静かになった渋谷駅構内。意識を失った名無しに一つの影が落ちた