輪廻転生 連載中
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(わぁ…帳ってこんななんだ……アニメとも漫画とも違う……もっと生々しい形してる)
10月31日、渋谷
私のトラウマ二号機
悟が万一封印されれば少なくとも二年は獄門疆から出てこない。悟を封印から遠ざけるにはやっぱり"あの呪霊"の事を伝えるのがベストなんだろうけど…
(困惑するだろうな…。親友の体をした呪霊なんて)
「名無し先生は何するん?」
一度帳の中に入ってみんなに指示を出しに回った時、逃げ惑う民間人を遠目に心配そうな目で虎杖くんが覗き込んだ
「あぁ私?悟が『お前は弱いから外!』ってさ。民間人の避難誘導だよ」
「五条先生も心配してるんだな。名無し先生と五条先生付き合ったんだろ?釘崎が喜んでたからさ」
(野薔薇ちゃん…早速虎杖くんに速報入れたな?)
「まぁ、ねw」
でもどうしよう…私は正直帳の中で起きる惨劇を……一人でも多く助けたい。野薔薇ちゃんも七海もみんなやられてしまう。それだけは絶対守りたい
「ねぇ虎杖くん、ずっと野薔薇ちゃんのそばにいてあげて欲しいの。七海も同じ…外回りだけにさせて欲しい」
私の発言でなにか変わってくれるかな?いや待って、その前に…
(これ、本編どうなってんの?)
ただのパラレルワールド的なものなら影響ないんだろうけど…
「悠仁と名無しじゃん。まだいたの?名無しは早く外出な?」
「五条先生!」
五条悟を閉じ込める帳
悟は作中と同じく20:31、そこに現れた
「今虎杖くんに話し終わったところだから、もうここからは出るよ」
「僕携帯には出られないけど…ちゃんと名無しの事は視えるからさ、危ないと思ったらすぐ逃げなよ」
「……約束する。だから悟も約束して」
攻めてこれだけは言っておこう
「何?」
どうなるか分からないけど…
言わないよりマシだとは思うから
「副都心線のホームには近寄らないって約束して」
「…ん〜、ハハッ……無理かな」
「!」
「だって副都心線のホームに特級の気配を沢山感じるし。そこを潰さないと終わんないでしょ。悪いけど僕は昔から言う事聞かないモンで…。だから名無しはいい子に外で待ってて。先に死んだら許さないから」
ぽんっ
頭に優しく置かれる手からジンワリと温もりを感じた。嫌だ、失いたくない。守りたい
(絶対に守りたい)
「ほら、出た出た。外に棘がいると思うから合流してあげて」
「ん…分かった」
本当は納得してないけど言われた通り私は帳に手を伸ばす
バチッ!
「いっ……た…!」
五条悟を閉じ込める帳
この帳はその役割を果たしている
「何してんの」
「名無し先生?」
嫌な予感がする
まさか…
「!………もしかして"出られない"?」
悟が曇った声でそうボヤく
何度通ろうとしても帳は私を拒んだ
押し寄せたのは、みんなを守れるかもしれないという安堵と…どうして私まで出れないのかという困惑の波
「え!?名無し先生もでれないの?」
「…残念ながらそうみたい」
「なら少なくともアレだね。"名無し"って言う存在が呪詛師側にとって邪魔か必要かのどちらかだ」
邪魔か…必要?
ただの弱い術師が?
「つまり相手側には完全に認知されてるんでしょ。悠仁達が出入りできてるのがその証拠…。ざっくりした術師は出入り出来るけど名無しと僕は外に出せない理由がある。しかも名指しだ」
心当たりがない…
「私誰と行動したらいい?」
悟にそう問うと彼は静かに近づいて私の手を両手で握った。途端、強くてゾッとする程の呪力を感じる
「え、何?何したの?」
「最初に結んだ縛りで分けた僕の呪力をかさ増ししたの。これで急襲以外なら無下限で防げるし、遠隔でも名無しにデカイ攻撃が当たれば察知できる。例えで言えば蜘蛛の巣に獲物が引っかかった時みたいな…ね」
私から離れた悟が口角を緩くあげた
「取り敢えず名無しは野薔薇と合流。多分…いや、単体で動くのは危険だから」
(野薔薇ちゃん…良かった。渋谷事変の野薔薇ちゃんの回はしんどかったけどカッコよくて何回も見てたから…いつどのタイミングで攻撃が来るかある程度は覚えてる)
守れるかもしれない
「だからって出しゃばり禁止。マジで自分から呪詛師や呪霊に近寄らない事。これがルールね」
そう言った悟は虎杖くんに野薔薇ちゃんがいる場所までついて行くようにと指示を出して地下に降りていった
(悟と行動できないんじゃ…獄門疆が開いちゃう。何とかできないかな…)
「せんせ、行こ!」
「うん…」
少しの不安と困惑した気持ちを持ったまま、私と虎杖くんは夜の渋谷を駆け巡った