輪廻転生 連載中
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ふ、伏黒ぉッ!!」
ぎゃー!と悲鳴をあげる虎杖くんと野薔薇ちゃんの前に血だらけの伏黒くんが横たわっている。呪霊にやられて間一髪って感じ
(領域展開できたんだ…。当たり前だけどなんか実際教師としてそれを見守ることが出来るのは感動かも)
自分が置かれた状況は決して普通では無いんだろうけど……
「伏黒くん、大丈夫?」
微かに触れて反転を回してあげれば伏黒くんは少し顔を歪めて息を吐いた
「すいません……大丈夫です」
「ね、初の領域展開どうだった?上手く出来た?」
前世の私は本誌を見て凄いなぁって見てた。伏黒くんは不完全ながらにも領域展開をしたんだ。ボロボロになりながらもまるでそれこそ底力を更に振り絞るようになって……
「…あんま覚えてないです。必死だったんで。でも…何となく感覚を掴んだ気はします」
グッと拳を握る伏黒くんの傷は綺麗に治った。それを見届けた野薔薇ちゃんが区切りをつけるように『よぉし』と手を叩く
「私は今日一日、五条先生が名無し先生に脈アリなのか脈ナシなのか気になって……早く実験したくてウズウズしてたのよ!遂に実験の時がやってきた見たいね!」
切り替えの早い野薔薇ちゃんについていけない虎杖くんと伏黒くんが『マジかよ』っていう目を彼女に向けた
「作戦はこうよ!まず私がこのオープンセールの30%オフチケットを五条先生に渡す!五条先生をその喫茶に伏黒が誘導する!」
『俺かよ』伏黒くんはそんな顔で小さく息を吐いた
「そして!それより少し前に伊地知さんと名無し先生は色々細かくとにかく楽しそうな話をする事!伊地知さんにはそれとなく言っとくから後はよろしくって感じよ」
名無し先生になるべく近い席にしなさいよ。野薔薇ちゃんが伏黒くんに念を押してそう言った
〜当日
「五条さんの補助監督の伊地知潔高と申します。よろしくお願いします」
律儀にお辞儀をする伊地知さんを見て私は謎の安心感を覚えた
(うん、やっぱり伊地知さんって私の前世にでも居そうなくらいにシンプルに普通の人だ)
「一回会ってみたかったんです。補助監督って言っても悟のだから忙しいだろうし…実際新任として付いてからも顔合わせてなかったと思うので」
悟のご機嫌を何より気にする伊地知さんが野薔薇ちゃん発案の下手したらご機嫌ななめになるかも…ってやつに参加してくれてるってなるとまさか
「私もお話はしてみたいと思っていたので…。釘崎さんが割引のクーポンを下さったので誘えて嬉しかったです」
(あ…本人何も聞かされてない感じなんだ……)
「まぁとにかく……伊地知さん何食べますか?」
確か伊地知さんの好きな食べ物って麺類だったはずなんだけど…ここの喫茶麺あるかなぁ…?
「私は今あまりお腹はすいてないので。このシフォンケーキで大丈夫です」
(シフォンケーキ!?かっわッ乙女か!)
「いいですねシフォンケーキ!じゃあ私はいちごパフェにしようかな〜」
結構メニュー豊富で迷うけど、季節モノってめちゃくちゃ美味しいんだよなぁ
「あの……ずっと気になっていたんですけど」
同時刻、伏黒side
…
「五条先生、聞いてますか」
「…あ〜……うん。聞いてるよ」
(この人……絶対聞いてない)
釘崎に言われた通り
名無し先生になるべく近い席を選んだが、多分近い席を選ぶ必要はなかっただろう
(脈アリっぽいな)
「何か気になる事でもあるんですか」
わざとそう聞くと五条先生は少し口角を上げた
「ねぇさ、恵。名無し先生は僕の事好きだと思う?」
「まぁ……人並みには好きなんじゃないんですか?」
「好きなやつ以外と外食するのってどんな心境?」
(なんか面倒くさくなってきたな……)
五条先生の視線はずっと名無し先生と伊地知さんの席に向いている。楽しそうな名無し先生の笑顔に何も知らない伊地知さんは嬉しそうに笑う
「さぁ……飽きたんじゃ「恵はここで一人で食べてなよ。僕あっちの席の方が楽しそうだから席移るね」
ヒラヒラ手を振る五条先生の気配に多分二人ともまだ気づいてない
名無しside
…
「伊地知さんは凄いと思いますよ。悟に死ぬ程信頼されてます…!それこそ背中を任せられる程に」
人外魔境戦で見た伊地知さんと悟の名シーン。今の伊地知さんは悟に"信頼されてる"自覚がない
「私は…名無しさんを尊敬していますよ」
「え?」
喫茶店の街ゆく人を眺めながら伊地知さんは頬を緩める
「つい最近まで何事もない平凡な民間人だったのに、わざわざ呪術師になって術師の皆さんを守りたいなんて」
「……」
(だって私……)
『これが僕の妄想じゃない事を祈るよ』
「おッ、偶然だね〜!名無しと伊地知じゃん。こんなオシャレな喫茶で何してんの?デート?」
コツンと靴音が隣で止まる。ふと見上げればさっきまで脳裏で思い描いていた彼がそこに立っている
「ご、五条さん!?いえ、滅相もないです!ただ割引券を貰いまして!ランチをご一緒させて頂いてただけで…」
「は?男と女でランチとか十分デートじゃん」
原作通りの反応で伊地知さんが怯む。この二人のやり取り結構好きなんだよね…やっぱり信頼しあってるって感じで
「つーわけで、名無しは僕が攫いま〜すッ!店員さーん?そっちの席の男子高生とここの席くっ付けてくれます?」
(かっ攫…ッ!?え、なにそれなにそれ!?めっちゃ乙女ゲーシチュじゃん!まさかこの人乙女ゲーを知っている!?ヤキモチ妬いてヒロインをかっ攫う主人公かな?)
「悪いね〜伊地知、恵とデートしてあげてくれる?恵は自分から誘ったくせに僕とのデート嫌みたいだからさ〜」
(申し訳ねぇ…全部野薔薇ちゃんが仕組んだシナリオだってのに本当に伊地知さんごめんなさい)
心で合掌してたら悟は私の手を引いてそのまま喫茶店を出た。私が注文したいちごパフェは一体どうなるんだろう。そんな事より今は自分の今の状況に頭がついて行かなくていっぱいいっぱいだった