ありえねーだろ
まるで静かな恋のような
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「……」
意識を飛ばしてそのまま眠りにつく名無しの髪を優しく梳く
割と感情任せに引っ張って事を進めたが、ようやく名無しの本音が聞けたから後悔はしていない
『私も好きだよ』
って事はだ、つまり……
(両想いって事だろ?)
「ん……」
寝返りをうつ名無しの白い足が布団から覗く。明らかな事後の空気に再び元気になろうとする俺は深呼吸をして布団をかけてやる
「ったく…風邪ひくぞ」
かけてやった布団に潜り込んで幸せそうに笑う名無しを見ていると俺も釣られて口角が緩む
傑や硝子に見られたらゲラゲラ笑われるだろう
(きっと"俺"がコイツを好いた事で面倒な奴らが名無しを取りに来るはずだ)
コンコン
「誰だよ」
「私だけど、入ってい「傑か。入ってくんな。都合悪ぃんだ」
事後の名無しの姿なんてとても見せられない
「ドアの前で言えよ」
「名無しに用があるんだけど…見てないかい?」
傑の一言にギクリとした
真隣で眠る名無しがまるでタイミングを見計らったように身動ぎをする
「ん〜「知らね、見たらなんか伝えとこうか?」
「今度、三週間後くらいに泊まり込みで任務があるらしくてね。小さな集落に発生した呪いを、名無しと祓いに行って欲しいと頼まれたんだ」
「ハァ?俺はお呼びじゃねーの?いつもなら俺らセットで祓いに行くじゃん」
少しの間の後、傑が続けるように説明をした
「…悟は別の呪いを一人で祓って貰うって」
「ふ〜ん……」
なんだよ、じゃあ傑も名無しも今までくっついて祓ってたのにバラバラになるってのかよ
「じゃあアレだな。高専で集合する感じのヤツだな」
「そうだね」
寝息を立てる名無しを横目に俺は扉に声をかけた
「傑、無理すんなよ」
「悟に言われたくはないかな」
扉の前でクスッと笑い声が聞こえた後、親友の気配は遠ざかっていく。俺はそれを遠目に名無しに視線を落とす
「傑になんか言われても断れよな。お前はもう俺のなんだから」
「……」
(な〜んっても寝てっから聞こえねーか)
近くに人が居てこんなに安心することがあるものあるものだろうか?
俺は名無しの隣に潜り込んで一緒に寝息を立てた