彗星
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「駄目だ…」
資料から顔を上げ、ため息を付く。資料に書いてあるのは四皇のデータ。私は四皇のカイドウを倒すため海賊になった。故郷を滅ぼした因縁の相手を倒すために10歳の頃から17歳になる今まで必死に生きてきた。仲間を集め、今や「最悪の世代」とも呼ばれるほどの力は着けてきた。だが新世界での障壁となる怪物達…それらと対面して1人では復讐は不可能と考え、同じく「最悪の世代」のユースタス・キッドと手を組むことにした。しかしデータを見る限り同盟を組んでもやはり勝てる見込みがない。どうしよう…勝たなきゃ、復讐しなきゃいけないのに…日々焦燥感に駆られ時間が過ぎてゆく。絶対勝つには…?もっと同盟を増やすべき…?いや、違う。では何をすれば…?
「おい、サテラ」
不意に声をかけられ振り向く。そこにはユースタスが立ち、見下ろしていた。夕日に照らされ彼の瞳が一層オレンジ色に見える。計画を考えすぎて一瞬反応が遅れてしまった。
「…何か用?」
「用が無きゃ来ちゃいけねえのか?」
「いや、そういう訳じゃ無いけど」
「ならいいじゃねえか。……で、何してんだ?」
「ああ、カイドウを倒すための作戦を考えててね」
「……そうか」
ユースタスはそれだけ聞くと私の隣に座り込み、私と同じように考え始めた。彼は私の仲間ではなく同盟を組んでいるだけだが、こうして一緒に戦略を練ってくれる。なんだか、今まで対等な関係の人物がいなかったからかひどく安心する。
「……なんつー顔してやがる」
「…え」
ふと顔に手を当てると頬が濡れていた。涙だ。ストレスのせいだろうか。
「っ…!」
慌てて顔をそらす。
「……」
彼はそんな私を見て何を思ったのか、私の頭を自分の胸に抱き寄せた。
「……え、ゆ、ユースタス!?何を…!?」
「泣きたいなら泣けばいいじゃねえか。いつも張り詰めすぎなんだお前はよ」
「…泣いて解決するなら泣くわ。海賊船長たるもの泣く暇なんてないもの」
このままじゃ、2つの船団が海の藻屑になってしまう。そんなことだけは絶対に避けなければいけない。あぁ駄目だ。久しぶりに流れた涙が止まらない。いつからだろう。船長として威厳のあるように、高いヒールを履いて、嫌いな酒も飲んで、人前に出て指揮をして。考えれば考えるほど思考が絡まってしまう。無性に目の前の男が頼もしく思える。
「……どうしよう。ユースタス…」
涙で視界が歪む。そして真っ暗になる。あぁ、最近寝不足だったもんなぁ…。
「ん…ここは…?」
目を覚ますと知らない部屋にいた。いや医務室だろうか。アルコールの匂いがつんとする。ここは医務室らしい。
「サテラ、起きたか」
「ユースタス……」
彼もここで寝ていたのか、隣のベットで寝転がっていた。
「ああ……運んでくれたんだ。ありがと」
「……別にいい。それよりだ」
「?」
彼はゴソゴソとベットからおりこちらへ移動すると私の頭を抱き寄せた。
「ユースタス…!?何を!?」
急な接近に頭が真っ白になる。ほんのり香るライム系の香水にドキッとした…ではなく…!
「お前に船長って役割は重すぎるようだな」
「…私じゃ役不足ってこと…?」
つい口調が強くなってしまった。…確かにそうかもしれないけど。でも私は私なりに頑張ってきたつもりだった。悔しくて下唇を噛みしめる。不意に顎に手を添えられる。
「お前、おれの女になれよ」
「は!?」
驚きの声を上げるがユースタスはそのまま話を続ける。
「いつも張り詰めてピリピリしてやがる。そんなお前を見てるとこっちがハラハラするんだよ」
「でも、私……女としての魅力なんてないし……」
「んな事ねェよ。お前は十分いい女だ」
そっと髪に触れる。その手つきは普段とは想像もつかないほど優しい手つきだった。
「毎日森で訓練してんだろ。それに俺はテメェのその強がりな所も好きだ」
彼はそう言うと私の髪をかきあげ、額にキスをした。その行動に顔が真っ赤になるのがわかる。
「な、ななな……!」
「……嫌か?」
「……ふ、不埒…!!結婚前の男女がそんな…そんなっこと…!」「おれはいいぜ。お前を嫁に貰う」
「〜〜〜〜ッ!!」
顔がに熱が籠もるのがわかり、何も言えない。ユースタスは私の様子を見て楽しそうに笑っている。こんな顔、初めて見たかもしれない。彼になら…でも私は船員も引っ張っていくリーダーとして、恋愛なんかにかまけている暇なんてないのだ。
「ごめん、ユースタス…その気持は受け取れないや」
「……わかった」
そう言って手をどかしたかと思えば腰に手を回し、身体を引き寄せられ距離が近くなる。
「じゃあ、同盟が終わるまでにお前を落とす」
「は……!?」
彼は私を抱き寄せたまま耳に噛み付く。そして唇を滑らせ首筋に軽く歯型をつけるとベットから降りた。その行動に驚きのあまり固まってしまった。
「な、な、なに……!何して……!?」
きっと今の私は真っ赤だろう。そんな状態の私を面白そうに見ながらユースタスは医務室から出ていった。
「……え」
一人取り残された私はただ呆然とするしかなかった。
「……ばか」
医務室に声がこだまする。返事はなかった。もし、カイドウを倒せたら、そのときは彼の隣にいてもいいのかな…そう思いベットに潜るのであった。
資料から顔を上げ、ため息を付く。資料に書いてあるのは四皇のデータ。私は四皇のカイドウを倒すため海賊になった。故郷を滅ぼした因縁の相手を倒すために10歳の頃から17歳になる今まで必死に生きてきた。仲間を集め、今や「最悪の世代」とも呼ばれるほどの力は着けてきた。だが新世界での障壁となる怪物達…それらと対面して1人では復讐は不可能と考え、同じく「最悪の世代」のユースタス・キッドと手を組むことにした。しかしデータを見る限り同盟を組んでもやはり勝てる見込みがない。どうしよう…勝たなきゃ、復讐しなきゃいけないのに…日々焦燥感に駆られ時間が過ぎてゆく。絶対勝つには…?もっと同盟を増やすべき…?いや、違う。では何をすれば…?
「おい、サテラ」
不意に声をかけられ振り向く。そこにはユースタスが立ち、見下ろしていた。夕日に照らされ彼の瞳が一層オレンジ色に見える。計画を考えすぎて一瞬反応が遅れてしまった。
「…何か用?」
「用が無きゃ来ちゃいけねえのか?」
「いや、そういう訳じゃ無いけど」
「ならいいじゃねえか。……で、何してんだ?」
「ああ、カイドウを倒すための作戦を考えててね」
「……そうか」
ユースタスはそれだけ聞くと私の隣に座り込み、私と同じように考え始めた。彼は私の仲間ではなく同盟を組んでいるだけだが、こうして一緒に戦略を練ってくれる。なんだか、今まで対等な関係の人物がいなかったからかひどく安心する。
「……なんつー顔してやがる」
「…え」
ふと顔に手を当てると頬が濡れていた。涙だ。ストレスのせいだろうか。
「っ…!」
慌てて顔をそらす。
「……」
彼はそんな私を見て何を思ったのか、私の頭を自分の胸に抱き寄せた。
「……え、ゆ、ユースタス!?何を…!?」
「泣きたいなら泣けばいいじゃねえか。いつも張り詰めすぎなんだお前はよ」
「…泣いて解決するなら泣くわ。海賊船長たるもの泣く暇なんてないもの」
このままじゃ、2つの船団が海の藻屑になってしまう。そんなことだけは絶対に避けなければいけない。あぁ駄目だ。久しぶりに流れた涙が止まらない。いつからだろう。船長として威厳のあるように、高いヒールを履いて、嫌いな酒も飲んで、人前に出て指揮をして。考えれば考えるほど思考が絡まってしまう。無性に目の前の男が頼もしく思える。
「……どうしよう。ユースタス…」
涙で視界が歪む。そして真っ暗になる。あぁ、最近寝不足だったもんなぁ…。
「ん…ここは…?」
目を覚ますと知らない部屋にいた。いや医務室だろうか。アルコールの匂いがつんとする。ここは医務室らしい。
「サテラ、起きたか」
「ユースタス……」
彼もここで寝ていたのか、隣のベットで寝転がっていた。
「ああ……運んでくれたんだ。ありがと」
「……別にいい。それよりだ」
「?」
彼はゴソゴソとベットからおりこちらへ移動すると私の頭を抱き寄せた。
「ユースタス…!?何を!?」
急な接近に頭が真っ白になる。ほんのり香るライム系の香水にドキッとした…ではなく…!
「お前に船長って役割は重すぎるようだな」
「…私じゃ役不足ってこと…?」
つい口調が強くなってしまった。…確かにそうかもしれないけど。でも私は私なりに頑張ってきたつもりだった。悔しくて下唇を噛みしめる。不意に顎に手を添えられる。
「お前、おれの女になれよ」
「は!?」
驚きの声を上げるがユースタスはそのまま話を続ける。
「いつも張り詰めてピリピリしてやがる。そんなお前を見てるとこっちがハラハラするんだよ」
「でも、私……女としての魅力なんてないし……」
「んな事ねェよ。お前は十分いい女だ」
そっと髪に触れる。その手つきは普段とは想像もつかないほど優しい手つきだった。
「毎日森で訓練してんだろ。それに俺はテメェのその強がりな所も好きだ」
彼はそう言うと私の髪をかきあげ、額にキスをした。その行動に顔が真っ赤になるのがわかる。
「な、ななな……!」
「……嫌か?」
「……ふ、不埒…!!結婚前の男女がそんな…そんなっこと…!」「おれはいいぜ。お前を嫁に貰う」
「〜〜〜〜ッ!!」
顔がに熱が籠もるのがわかり、何も言えない。ユースタスは私の様子を見て楽しそうに笑っている。こんな顔、初めて見たかもしれない。彼になら…でも私は船員も引っ張っていくリーダーとして、恋愛なんかにかまけている暇なんてないのだ。
「ごめん、ユースタス…その気持は受け取れないや」
「……わかった」
そう言って手をどかしたかと思えば腰に手を回し、身体を引き寄せられ距離が近くなる。
「じゃあ、同盟が終わるまでにお前を落とす」
「は……!?」
彼は私を抱き寄せたまま耳に噛み付く。そして唇を滑らせ首筋に軽く歯型をつけるとベットから降りた。その行動に驚きのあまり固まってしまった。
「な、な、なに……!何して……!?」
きっと今の私は真っ赤だろう。そんな状態の私を面白そうに見ながらユースタスは医務室から出ていった。
「……え」
一人取り残された私はただ呆然とするしかなかった。
「……ばか」
医務室に声がこだまする。返事はなかった。もし、カイドウを倒せたら、そのときは彼の隣にいてもいいのかな…そう思いベットに潜るのであった。
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