罪滅ぼしと救済目指したは良いけどこれで良いんだろうか…?
わい
わい
がや
がや
『なんで俺はここに居るんだ…?』
「ん?如何したオビト?
あぁ、コレはお前が好きそうな味だな
おい口を開けろ、食わせてやろう」
「ほらオビト、こっちも美味しいよ?
あーんしてごらん?」
突然悪いな
うちはオビトだ
今日は珍しく父さんが晩飯は外で食うぞって
言い出して、しかもなんだか知らんが
やたら生地やら作りが良い着物引っ張り出してきて
上から下まで着飾らされた
未来ではほぼ廃れていたらしい
祭り事だとかきちんとした場とかで着る
うちはの正式な伝統衣装らしいが…
正直な感想を言うと気分は完全に七五三だ
その姿はまるでうちは流のひな人形…
父さんもイズナ兄ちゃんも正装らしい格好は
しているし化粧もバチバチにキメては居るが
俺の着飾り具合は二人の比ではない
何で飯食うだけでこんな仰々しい恰好
しなきゃなんねぇんだ…?
って思ってたんだけどよ……
いやな、確かに晩飯は食ってるよ
だけどな、
誰が国のお偉いさんたちが勢ぞろいしている
超高級料亭の宴会で飯食うと思うよ
しかもこの店、未来でも一定以上の身分が
しっかり証明できないと敷地にすら入れないと
有名な一見さんお断りの完全会員制な
とんでもない場所だ
入り口についた段階で驚きのあまり
大口開けて固まる俺を見てイズナ兄ちゃんが
クスクス笑いながら説明してくれたんだが
なんでも、忍界を代表する二強である
うちはと千手が同盟を組み、平和の切っ掛けを
作り、人々をまとめ上げ忍の隠れ里と言う物を
始めて作り出した功績を称え態々お国の方から
ご褒美が送られたらしい
そのご褒美ってのが、うちはと千手で
内容は違うが緊急の有事の際にいちいち国に
申請しなくても、事後報告でいいよって
権限を貰ったらしい
勿論、乱用は厳禁だけど
そんで今やってるこの宴会は
各大名にこれからよろしくねって言う
ご挨拶と顔見せの宴会らしい
あ?
何で子供の俺がそんな大事な宴会に
参加してるかって?
これでもここでは一応族長・うちはマダラの
一人息子って事になってんだよチクショウ
礼儀作法だってここに飛ばされて来て
養子入りして早々スパルタで叩き込まれたわ
そんなこんなで元々親無しで
貧乏性な俺は緊張で正直生きた心地は
しなかったが未来では人生の半分以上を
【うちはマダラ】として生きて来た演技力で
何とか繕いながらちチマチマ飯を食っていた
食っていたんだが…
今俺は父さんとイズナ兄ちゃんに
挟まれて座って飯を食ってる
その食ってる合間合間に両隣の二人に
構われながら…
俺個人は納得してないが
俺の顔は【美しい】が多いうちはの中では
珍しく【可愛らしい】顔立ちらしい
第三者目線で客観的に見る今の状況は
美しい容姿の者が多いうちはの中でも
トップクラスに美しく強いと有名な
うちはマダラ、イズナ兄弟に挟まれて
可愛がられるうちはでも珍しい
可愛らしい容姿をしたチンマイのが
下品に成らない位で小さな口に食べ物を
ほおばっている…
しかも、三人ともこれでもかと着飾り
化粧もしてそりゃもう美しさで威圧しろ
可憐さで殴れと言わんばかりにキメているのだ
解るだろ…
ありとあらゆる視線がうっとおしい…
俺たち以外のうちはを知っている
大名たちがなんか言ってる…
確かにうちはの持つ黒は他の奴らの黒と違って
青みがかってて珍しいけどさ
なんだ、いろんなタイプが居るって…
なんだ、各方面を網羅しているって…
そしてこの日、忍界に
【うちは美人】
と言う言葉が産まれてしまったのだった…
・・・
因みに…
一番うっとおしい視線を寄越していたのは
予想が付くだろう、千手柱間だった事を
明言しておこう…
宴会が始まる前に挨拶はしたと言っても
俺は今回が初対面だったからな
それも有るんだろうな
扉間の視線は違う意味でうっとおしかったが
感じる熱量は明らかに柱間の方がうざかった
「見ろ、扉間!
うちはの綺麗どころが勢ぞろいで
着飾っとるんぞ!!まさに眼福ぞ!!!!」
「おい、兄者!場所が場所だぞ!
頼むから大人しくしていてくれ!!
(しかし…ふむ、マダラの息子か…)」
『…!!!!??(ぞわっ』
「あ!兄さん!!
扉間の奴がオビトガン見してる!!!!」(ガタッ!
「なにぃッ!?あの解剖狂やはり
オビトに手を出す気かぁぁあッ!!!!」(ガタッ!!
『(ここで乱闘は不味い!!)
父さん、兄ちゃん、おれぇ
あっちの料理も食べたいなぁ』(きゅるん♡
「「「「「 !!? 」」」」」
「あぁ食え!好きなだけ食え!!」
「ほらオビト!こっちもお食べ!!」
「ほっほっほ!愛いぃ童じゃの!」
「どれ、甘味の類は好きかね?」
「中居さんや!甘味の類も持って参れや!」
「扉間ぁぁぁあ!!!
可愛いのが居るんぞぉぉぉお!!!!」
「落ち着け兄者ぁあ!!!!」
『は…ははは
………はぁ』
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