エレンへの執着が飽くまで 【弟】なミカサの話
エレンの裁判の後
リヴァイ班が旧本部に行く前に
ミカサ、アルミンが面会した設定
エレンの裁判が過激な形ではあったが
無事に終わり、旧調査兵団本部への
移動が前日に迫った今日
調査兵団団長であるエルヴィンの好意で
家族であり幼馴染なミカサとアルミンに
エレンとの面会許可が下りた
場所は兵団敷地内のちょっとした空き地
傍に林が有り、立体機動の訓練も出来そうだ
そこに集まったのは当事者の
エレン、ミカサ、アルミンの他に
お目付け役のリヴァイ兵士長
許可を出したエルヴィン団長
そして、面白そうだからと付いてきた
ハンジ分隊長と、彼女に
(ここでのハンジさんは女性設定)
引っ張ってこられたミケ分隊長だった
そこそこ久ぶりの再開で
会話に花を咲かせていた若者たちを
大人たちは微笑ましそうに…
約一名仏頂面では有ったが眺めていた
話が少し落ち着いた頃
唐突にミカサがリヴァイに近づいて行った
皆が何事かと見ていると
彼女は彼に向って頭を下げた
『今回は、エレンを助けてくれて
ありがとうございました…
過激すぎる演出ではありましたが
それでエレンが助かったのは事実です
ですので…お礼を言います』
「ミ…ミカサ?どうしたんだ急に…?」
「……。」
『ですが…それは訓練兵の
仲間としての意見です
今から私はエレンの家族
ミカサ・アッカーマン個人として
意見させていただきます…』
「ちょッ…!!ミカs」
ドゴォォオンッ!!!
「ファッ!!?」
「!?」
「いやはや…
今年の首席はとんでもないな」
言うや否や
彼女は恐ろしい威力で
目の前に居たリヴァイを蹴り飛ばした
何か嫌な予感を感じ取ったアルミンの声は
惜しくも間に合うことは無く…
宣言が有りはしたが
予想だにしなかったの彼女の行動に
見守っていた面々は唖然とする
エレンやアルミンに至っては
頭を抱え項垂れていた
リヴァイが飛ばされた先には
濛々と土煙が立ち込めており
彼女の蹴りの威力が如何ほどの物かを
物語っている様だ
『言いたいことは多々有りますが
有りすぎて纏まらないのでこれで納めます』
● ● ● 。
「ねーちゃん!?ミカサさん!?
兵長に何やっちゃってんの!!?」
「ダメだよミカサ!!危ないよミカサ!!
普通の人があんなの受けたら
死んじゃうよ!!!!」
『大丈夫…あの人は普通じゃない
蹴りが当たる瞬間ガードしながら
後ろに飛んで威力を殺してる』
「それでも危ないだろ!!
お前の蹴りは野生のクマを
気絶させられるんだぞ!!!!」
『じゃあ、あの人はクマ以上ね』
「「そういうこっちゃない!!!!!!」」
ギャーギャーと騒ぐ三人を横目に
エルヴィンとハンジ、ミケは
飛ばされたリヴァイの元に行き
声をかける
「おーい…リヴァイ?死んだ?」
「ッつ…!
勝手に殺すんじゃねぇよクソ眼鏡!!」
「死んではいないが
"無事"では無さそうだな」
「はっはっは!
一撃でこれだけリヴァイにダメージを
入れられるとは逸材じゃないか!」
「クッソ…!流石に効いた
咄嗟に威力殺してなかったら
骨何本か逝ってたぞ!」
立ち上がり腕をさすりながら
リヴァイは苦々しい顔をする
そんなリヴァイを見ながらエルヴィンは
爽やかな…けれど、リヴァイに言わせれば
この上なく胡散臭い笑みを浮かべた
「しかしリヴァイ、お前ならあの蹴り
避けられたんじゃないか?」
「あ?避けねぇよ
彼奴は先に"個人の意見"だって言ったろ
まぁ、流石にあの威力の蹴りは
予想してなかったが」
「綺麗に吹っ飛んだよねぇッ!」
「うるせぇ黙れ」
爆笑するハンジを睨みつける
しかし、彼女は慣れた物で
全く意に介していない
『ほら見て、エレン、アルミン
大丈夫でしょ?』
「アレを大丈夫とは言わねぇよ…」
「うん…言わない」
『?』
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