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2年生になって初めての模試が終わり、今日は担任との二者面談が行われている。
名前順なので、真っ先にサソリが呼ばれた。一応自習という名目ではあるけれども、あのマダラ先生がいない開放感からか教室は騒がしい。
私は開いていた参考書を閉じ、彼らの様子を伺った。彼らはいつも通り窓際で屯して談笑している。
悩んだものの、私は席を立って彼らに近づいた。
『ごめん、ちょっといい?』
「ん?どうした、美羽」
いち早く反応してくれたのはデイダラである。促され、空いていた席に腰掛けた。
『ちょっと…相談というか、なんというか』
「相談?」
飛段がスマホから顔を上げる。どうしたんですか?と鬼鮫。
私はできるだけ声のトーンを落とした。
『……。とても言いづらい話なんだけど』
「周りくどいな。なんだ?」
角都にせっつかれ、観念して口を開く。
『……せい事情です』
「せーじじょう?」
「…性事情だろ、うん」
やはり一番最初に察してくれるのはデイダラである。あー…と皆が微妙なリアクションをする。本当は彼らにこんなこと聞きたくない。しかし彼らにしか聞けないのもまた事実である。
「あー。あの後致したのか?」
『致したというか…まあ、それなりに』
何度かサソリが誘ってくれ、そういう機会はあった。ただ、問題があるのである。
『どーにもこうにも、入らなくて』
「えっ、まだ入らねぇの?うん」
デイダラの言葉に首肯する。
途中まではいつも順調だ。しかし、中に指を入れた途端のあの痛み。
「具体的にどれくらいなら入るの?」
『指一本がギリって感じ』
「指かー…」
皆が自分の指を見つめている。なんだか気恥ずかしい。
「厳しいな。少なくともこれの5倍くらいあるだろ、アレ」
『5倍!?絶対無理』
想像するまでもなく確実に無理である。そんなの挿れられたら裂けるんじゃないだろうか。
『サソリ、何か言ってた?』
「いや。サソリは基本自分のこと喋らないから」
『そっかー…』
サソリは基本私にも何も言ってこない。気にするなよ、とそればかり。でも、さすがにお預け期間が長すぎる気がする。彼はまだズボンすら脱いでいない状態だ。
「ローション使えば?」
『ローションね…それは多分、あまり効果がない気が』
「なんで?」
『……』
「察しろよ。濡れはするってことだろ、うん」
またもや察しのいいデイダラである。私は小さく首肯した。飛段がうーん、と顎に手を添えている。
「濡れてるのに入らないってどういうことだろうなァ」
「個人差が大きいらしいぞ。こういうのは」
「んだよ角都。覚えがあんの?」
「……。別にそういうことではない」
飛段がニヤニヤ顔で角都に絡んでいる。私はチラッとデイダラを見た。
『デイダラ先輩は…初めての時どうでした?』
「オイラの初めて聞いてどうすんだよ…うん」
先輩ってなんだよ、とデイダラが顔を赤らめている。男の初めてと女の初めては違うだろ、とデイダラ。それは確かにそうだけど。
『じゃあ助言お願いします。どうしたらいいと思う?』
「どうしたらって言われてもなぁ…」
デイダラが腕を組みながら助けを求めるようにイタチを見た。イタチもうーん、と考えている。
「うーん…入らないなら、他の方法で奉仕してあげれば?」
『というと?』
「手使ったり口使ったり。色々あるだろ」
『その色々の中身を聞きたいんですが』
デイダラとイタチが顔を見合わせる。
「……。言葉で説明しづらいんだよ…」
『えー…じゃあどうしたらいいの?』
「それこそ旦那はなんて言ってんだよ」
『気にしなくていいってそればっかり。でも気にするでしょ。一度も満足させてあげられてないって』
できれば、サソリのことも気持ちよくさせてあげたい。しかし生憎私はその技量を持ち合わせていないのである。
飛段がじゃあ、と声をあげた。
「AV見てみれば?デイダラちゃん今AV持ってねーの?」
「ばっ…!持ってねえよ!変なこと言うなよ!」
『AVかぁ…見たことないのよね』
旅行で飛段たちが見ていたのを目撃したのが最初で最後である。飛段はスマホをポチポチして、私に差し出した。
「ここ、完全無料だから。これ見て勉強すれば?」
『勉強ねえ…』
所謂アダルトサイトである。受け取ってスクロールしてみると、どぎつい映像が飛び込んできた。私は無言になる。
『……』
「なんだよ。お前もしてんだろ?」
『そうだけど。客観的にみるとなんか…』
生理的に受け入れられない、というのが本音である。知らない男女が交わっているのを見るのは私にとってあまり気持ちの良いものではない。
でも、参考資料としては適切なのだろう。私は自分のスマホを取り出した。
『URL送って』
「おー」
飛段にスマホを返して、LINEでURLを送ってもらった。とりあえずそれをブックマークする。
『なんていうか…上手くいかないもんね。ただ気持ちいいものなのかと思ってた』
「男は基本そうだぞ。お前が繊細なんじゃね?それかサソリが下手」
『だから下手じゃないって…』
サソリはとても丁寧に前戯をしてくれ、それは非常に気持ちいいのである。だからこそ、そこから先に進めないことにジレンマを感じていた。
「とりあえず無理矢理突っ込んで貰えば?風穴あければどうにかなんだろ多分」
『それは…多分サソリがしてくれない。私が痛がるとすぐ辞めちゃうから』
「あいつよく我慢できんな。オレには無理」
でしょ?と私も同意する。
『色々と申し訳なさすぎて悩んでるのよ』
「うーん…考えすぎだろ。多分あの様子だと旦那そんなに気にしてないぞ、うん」
「お前と致した後に他の女で抜いてんだろ」
ジロ、と睨む。すると冗談だよ、と飛段は笑った。そういう冗談は笑えないので辞めてほしい。
私は今度は自分のスマホで再び例のサイトを開いた。
『具体的にどれ見ればいいの?サソリの趣味知ってる?』
「サソリは調教ものじゃねーの?女を監禁拘束して服従させる系」
『えっ……』
素で引いてしまった。デイダラが慌ててフォローをいれる。
「AVと現実は別だから、うん」
『…そういうものなの?じゃあデイダラは何が好き?』
「デイダラはコスプレ巨乳。とりあえずおっぱいでかいやつが好き」
「バラすんじゃねーよ!」
飛段にバラされ、デイダラが憤慨している。私は残りの3人に目を向けた。皆がギクッ!とする。
『みんなは?』
「それ聞いてどうするんですか…」
『今後の参考に。とりあえず見てみるから』
えー…と皆がたじろいでいる。
私はイタチは?と聞いた。イタチは意外にもあっさり答えてくれる。
「オレはスレンダーで綺麗なお姉さんが好き」
『へー…角都と鬼鮫は?』
「……。オレはまあ、OLとか、その辺」
『やっぱりお姉さんものなのね。鬼鮫は?』
「…私は、小柄な方が好きです。守りたくなる感じの」
『ふーん…人それぞれなのねやっぱり』
そういえば、と思い出して私は思わず顔をしかめた。
『元カノ派手だったなー。やっぱりああいうのが好きなのかしら』
元カノ元カノ…とそれっぽい女優を探してみる。デイダラが呆れたような目を向けた。
「元カノはもう関係ないだろ…それを言うならお前みたいな清楚系が好きなんじゃねえの?うん」
『清楚系…』
じゃあ、と私。
『総合すると清楚系の女の子を監禁拘束して調教するのが好きってこと?』
「それ言っちまうとただのやべー奴じゃねーか、うん」
まあ当たらずとも遠からずって感じだけど。とデイダラ。
間違ってはいないようである。
私はまた画面をスクロールした。
『じゃあそっち系のAV見てみるかー…』
「…何やってんのお前」
『えー?だからサソリがどういうプレイで興奮するかって話…って!サソリ!?』
サソリが背後から完全に不審者を見る目で私を見下ろしていた。慌ててスマホの画面を消す。
「終わったのか?」
「おー…次イタチだってよ」
「そうか。行ってくる」
イタチが席を立ち、代わりにサソリがそこに座った。で?とサソリが私を見る。
「なんでこんなとこでお前がAV見てんだよ」
『いやー…まあ、参考になるかなと』
サソリがふぅ、とため息をつく。
「なんねえから。所詮フィクションだぞ」
『だって!入らないなら入らないなりになんとかなんないかなと』
「だから気にしなくていいっていってんだろが。お前らも余計なこと教えてんじゃねーよ」
サソリがジロッと皆を睨む。飛段がえー、でもよォ、と声をあげた。
「ぶっちゃけキツいだろ。ずっと挿れられないって」
「別に。今までも挿れられてないんだし、その延長でしかない」
サソリはあっさり言った。むう、と私は唸る。
『でも、清楚な子を監禁拘束して調教するの好きなんですよね?』
「………。別に好きじゃない」
間があった。やはり好きなようである。
そうか。じゃあ、やっぱり後で見てみよう。
サソリはしっしと私のことを追い払う仕草をする。
「お前はそういうくだらないことやってねーで勉強しろ。この前の模試の結果良くなかったんだろ」
『う…そうでした。自習します…』
皆に礼を言って、私はその場を離れる。
この後はきちんと勉強して、夜はそっちの勉強しようと心に決めた。