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「なんか…すげーアクの強い担任だな、うん」
デイダラの言葉に皆が同意する。
「というか。うちはって知り合いですか?」
「うーん…」
イタチが困ったように顔を歪ませた。
「まあ、知り合いといえば知り合いかな。うちはって家系的には結構多いから。遠い親戚というか」
「遠い親戚ねー」
飛段がチラッと私を見る。
「春島さん」
『だから私は春島じゃないって…』
うんざりして答える。皆と同じクラスになれたのは嬉しいけれど、それにしても今日はマイナス要因が多すぎる。
「同窓っていつの話?」
『さあ…高校か大学じゃない?聞いたことないからわからないけど』
母と父は大学で学生結婚しているはずだ。その時の同窓。あれやこれや知っているに違いない。ゾッとする。
「随分気に入られたみたいだな」
『冗談言わないでよ。目をつけられてるの間違いでしょ』
一体何をしでかしたんだお母さん。父は比較的常識人であるけれども、なんてったって母がアレである。
『万が一食ってたらどうしよう…』
「あり得るのが怖いところだな」
サソリが失笑した。怖くて真実は聞けない。
「食ってるといえばさー」
飛段が私とサソリを交互に見た、
「どうだった?初体験は」
『ぶっ』
吹いた。ジロッとサソリを睨みつける。
『何早速喋ってんのよ!』
「いや、喋ったわけじゃねーよ」
サソリは困ったように頬をかいている。隣の皐月があら、したの?おめでとう。と呑気に言った。
私は恥を誤魔化すように腕を組む。
『いやー…あれは、どうなの?』
「処女卒はしてないな。指一本も入ってねーから」
サソリがあっさり言った。えー、と不満そうに飛段。
「なんで途中で辞めちゃうんだよ。つまんねー」
「簡単に言うなよ。痛いって言うんだから仕方ねぇじゃん」
ああー、と珍しく皐月が同意する。
「最初は無理だよ。入んない入んない」
「えっ、お前経験者?」
デイダラが驚いている。まあね、と皐月。
「単純な男と違って女は色々あんのよ。最初は死ぬほど痛いから。慣れよ、慣れ」
『正直あそこまで痛いとは思ってなかった…』
ねー、と女子同士でしかわからない会話である。ふぅん、と飛段が相槌を打つ。
「痛いって、どれくらい?」
『どれくらいって言われても…』
うーん、と少し考えた。
『臓器をえぐられる痛み、裂ける痛みというか…刺されてる?みたいな感じ?』
「え、指入れたくらいで?」
『うん』
力強く首肯する。サソリがうーん、と唸った。
「リアクション見てると当たらずとも遠からずって感じだな」
「それってサソリが下手なんじゃねーの?」
『え!そんなことはないよ!』
飛段の言葉に、思わず反応してしまう。皆が一斉に私を見た。
しまった、つい。
「へー。なんで下手じゃないってわかるんですかね?」
『そ、それは…色々あるじゃん…』
「色々って何?」
『ぐっ…』
助けを求めるようにサソリを見る。しかしサソリは私から目を逸らして涼しい顔である。
『察してください…』
「あえて察さない」
サソリが下手じゃないって証明できるのはお前しかいねえぞ、と茶化される。そう言われてしまうと。
「ぶっちゃけ、気持ちよかった?」
皆がニヤニヤ顔で私を見ている。こんなところで感想を求められても困る。しかしサソリの名誉を考えると。
私は観念して答えた。
『…まあ、そうといえば、そう、かな…』
『えー。じゃあー」
飛段がニィッと怪しく笑う。
「またしたいと思う?」
『……』
なんでそんなことをここで公表しなきゃいけないんだ。と思いながらここまできたらもう引くに引けない。
『………う、…ん』
私は両手で顔を覆って下を向いた。とてもじゃないけどサソリの顔が見られない。可愛い~と皆に茶化される。
「ははっ」
今まで黙っていたサソリが、声を立てて笑った。珍しいリアクションに思わず顔を上げてしまう。
サソリは口を手で押さえて必死に笑いを堪えている様子である。しかし耐えきれず吹き出している。
『そんなに笑わないでよ…』
「いや…すまん、なんか…ぶっ」
完全にツボに入っている。恥じらいの気持ちが段々怒りに変わってきた。
私はプイッと顔を背ける。
『したくないならいいもん。もうしなくて』
「そーじゃなくて…ごめんって、怒るなよ」
サソリはまだ笑っている。そんなにおかしい事は言っていないはずなのに。
「お前ら、あんまからかうなよ。可哀想だろ」
「旦那が一番笑ってんじゃん」
「いや…だって、嬉しいじゃん。なあ?」
サソリは笑いを必死に堪えながら私の頭をポンと撫でた。
「そう言っていただけて光栄です。精進するよ、オレも」
その言葉に、耐えきれず私はその場に蹲み込んだ。
もう無理だ。隠しきれないくらい好きが溢れてしまう。