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サスケくんたちに連れてきてもらったのは、中学校だった。サソリも通っていた中学校。
春休みなので人気はほぼない。
『勝手に入っちゃっていいの?』
「卒業生だから問題ないだろ」
多分それは問題あるのでは…と思いながらサスケくんの後を追う。プレートに理科準備室と書いてあった。
闇市に理科準備室。イマイチ繋がりが読めない。
「大蛇丸。入るぞ」
サスケくんはノックもせず扉を開けた。おろちまる?なにかの名前だろうか。
私も続いて入るものの、人の姿は見当たらない。
「大蛇丸。いるんだろ」
「さっきからここにいるわよ」
『っわ!?』
突然背後に人の気配が現れた。思わずサスケくんにしがみついてしまう。サスケくんより、香燐ちゃんがムスッと顔をしかめた。ごめんなさい、とすぐ手を離す。
「毎回言っているが急に出てくるんじゃねーよ」
「だからさっきからここにいたって…貴方は?」
大蛇丸と呼ばれた男性…もしくは女性だろうか。どっちかわからない。恐らくここにいるから先生ではあるのだろう。
じろっと睨まれる。思わずサスケくんの後ろに隠れてしまった。
「ビビらすなよ」
「いや…貴方が女を連れてくるなんて珍しいから、つい」
『…月野美羽です。初めまして』
一応挨拶をする。どーも、と大蛇丸先生。
「で、なに?私女には興味ないんだけど」
「闇市のことで聞きたいことがある」
「闇市?」
サスケくんが事の顛末を説明した。ふぅん、と興味なさげに大蛇丸先生。
「ネックレスなんて、特別目立つものじゃないから。もしあっても私にはわからないわ」
『…そうですか』
ガックリ肩を落とす私。サスケくんは腕を組んだ。
「だから探しに行くっていう話だろ」
「探しに行くって…貴方達、何か売れるものでもあるの?」
『売れるかはわからないんですが…一応持ってきました』
私はガサゴソと紙袋の中を漁った。ピラリ、と朱色の布が顔を出す。皆が訝しげに見ていた。
『K女学院時代の制服』
「ぶっ」
水月くんが吹いた。サスケくんが呆れ顔で私を見ている。
「それ売るのかよ…」
『わかんないけど、売れるかなって。K女の制服って可愛いって有名だったし』
もう着ないし、私にはいい思い出がないし。もし売れるのだとしたら丁度いい。
ふぅん、と大蛇丸先生が呟いた。
「制服にはマニアがいるから。売れると思うわよ」
『じゃあ、』
「でも、それじゃパンチが弱いわね」
どうやらお気に召さないようだ。私はもう一度紙袋に手を突っ込む。
『これもつけます。体操服と弓道着』
「それはヤバくないか」
サスケくんが顔を赤らめている。そう?と私。
『もう着ないし。闇市とかだとウケるかなと』
「ははっ、確かにウケそうだ!」
水月くんは大爆笑している。ふむ、と大蛇丸先生。
もうひと押しでいけそうである。私はダメ押しでもう一度紙袋に手を突っ込んだ。
『どどーんとこれもつけちゃう!スクール水着!』
「採用」
『やった!』
「…お前、これ大丈夫なのかよ…」
サスケくんが困惑顔で私を見ている。どうして?と私。
「これ…ネックレス買い戻したとして、失う物がでかすぎないか?」
『私にとっては不要な物だし。おっさんが何かしてた所で別に自分が知らなければいいし』
「…まあお前がいいならいいけど」
赤髪に怒られるぞ、とボソッと呟かれた。そこに関してはあえてスルーである。
「丁度今夜、闇市開催されるわよ。事件発生日から考えてもこちらに流れてるなら今日が狙いどきじゃないかしら」
まあ、ない可能性も十二分にあるけど、と大蛇丸先生。そこに関しては百も承知である。
『大丈夫です。サソリのネックレスを回収するためなら多少の遠回りもやむなしですから』
「サソリ?」
大蛇丸先生が反応する。そういえばサソリもこの学校の卒業生なのだ。会長もやっていたらしいし、もしかしたら知っているのかもしれない。
「赤砂サソリいたろ。そいつの女」
「へぇ!貴方がサソリの」
『サソリを知っているんですか?』
まぁね、と意味深に呟く大蛇丸先生。改めて私を上から下に舐めるような目で観察する。
「ふーん…サソリってこういう子がタイプだったんだ。意外ね」
なにやら嬉しそうな様子だった。べろ、と舌舐めずりをする大蛇丸先生にビビってしまう。
「いいわ。サソリの彼女だったら特別。通行料はまけてあげる」
『え…いいんですか?』
「まあせいぜい頑張りなさい。数ある商品の中からネックレスを探し出して、しかもその服達を売らなきゃいけないんだから」
それに、と大蛇丸先生。
「変な奴ら多いんだから。女一人じゃ危ないわよ。サスケくんから絶対に離れないようにね」
『…サスケくん、一緒に来てくれるの?』
「仕方ないだろ」
サスケくんは元々決めていた様子だった。ジロッと水月くん達を睨む。
「お前らも協力しろよ」
「サスケがどーしてもっていうなら協力してあげる!」
「面白そうだからついてってあげるよ」
「護衛しますよ、美羽さん」
皆にありがとう、と頭を下げた。年下なのにかなり心強い。
大蛇丸先生に闇市の詳しい説明をうける。私は真剣にその話を聞いた。