13
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
オレが美羽の部屋に滞在している間、美羽は基本リビングで過ごしているようだ。オレをゆっくり休ませるための配慮だろう。困ったことがあればLINEを貰えればすぐ行く、と言ってくれている。
お粥を食べた後少し仮眠をとっていたが、起きたときにはまた少しスッキリしていた。明日にはもうベッド生活からは離脱できそうだ。
そして、冷静になってくると今の状況が如何にとんでもないのか理解してしまう。三日間寝ているこのベッドは、毎日美羽が寝ているベッドだ。それだけじゃない。この部屋自体が美羽のプライベート空間である。じっくり見回すと、至る所に彼女の生活感を感じる。
かけてある制服にシワひとつないことや、置いてある本は料理雑誌が多いこと、意外にぬいぐるみはないこと、服が溢れてタンスが締まりきっていないこと。彼女らしさがそこかしこに溢れていて、何もかもが愛しい。
たまんねえな、と思った。正直、この部屋を見ているだけで抜けそうである。引かないで欲しい。男には色々あるのである。
その時、トントン、と扉の叩く音がした。答えると、美羽がひょこりと顔を覗かせる。
『お風呂沸いたけど、どうする?入る?』
「あー…さすがに今日は入りたいな」
動けなかったため、3日間風呂に入っていない。意識が朦朧としていたのであまりわかっていなかったのだが、この3日間は美羽が濡れタオルで体を拭いてくれていたようだ。それも後から考えると興奮する。だめだ。完全にムラムラスイッチがオンになっている。自重せねば。
美羽に誘導され、風呂場に向かう。
シャンプーやリンス、タオルの位置などを一通り教えてもらった。
『じゃ、私はサソリがお風呂の最中に部屋片付けちゃうから』
「何から何までほんとありがとな」
じっ、と美羽がオレを見つめている。どうした?と聞くより先に美羽がオレの体に抱きついてきた。よろけてしまう。
「ちょ…なに?」
『サソリの匂い』
「匂い?」
『嗅ぎたい。いつもよりするから』
言われて、カッと頬が熱くなる。
「やめて…3日風呂入ってねえんだから」
『これくらい男臭いほうが興奮するの』
興奮て。オレは美羽を引き剥がそうともがく。
「せめてシャワー浴びてからにしてくれ」
『じゃあシャワー浴びたらイチャイチャしてくれる?』
「…それは」
考えて、答える。
「病み上がりだから勘弁して」
『じゃあいつならいいの?』
美羽は不服そうである。急にどうしたのだろう。オレは首に手を当てた。
「それは…タイミングとかシチュエーションとか色々あるだろ」
『そんなのいらない。サソリがいればいい』
美羽がオレの耳元に唇を寄せる。甘い吐息がかかった。
『…お風呂から出たら、しよ』
美羽はそのままそそくさと脱衣所を出て行く。オレはその場を暫く動けなかった。
しよ、って。一体なにをするのでしょう。