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あれから3日間、オレはほぼ起きられず飲まず食わず状態だった。病院にも連れていってもらったがインフルエンザではなく過労のために風邪を拗らせてしまったらしい。とにかく安静に、とのこと。
今日やっと熱が下がり久々に腹がぐぅと鳴った。何か食べられそうだと伝えると美羽がすぐにお粥を作って部屋に持ってきてくれた。
「ほんっとに、何から何まで申し訳ない…」
『いいよ。気にしないで』
オレは沈んだ顔で、美羽からお粥を受け取る。
「お父さんにもお母さんにも、印象最悪だよな…」
『そんなことないって。大変だったんだねって、それだけだよ』
美羽はそう言うが、絶対印象は悪かったに違いない。憂鬱な気分に浸りながら一口お粥を食べる。ふわふわな卵が口の中でとろけて美味い。彼女の料理は本当にハズレがない。
美羽はオレの様子に安心したような表情を見せ、ベットの縁に腰掛ける。
『そりゃ2週間以上も深夜バイトして寝てなかったらたらそうなるでしょ』
「向こう見ずだったな。本当に恥ずかしい限りだ」
美羽にピンクダイヤを買ってやりたくて完全に暴走していた。
しかし、彼女の胸元にあるそれを見ると、やはり無理してよかったとも思ってしまう。
また一口、オレはお粥を口に含んだ。
『そういえばサソリって、お正月どうしてるの?』
クリスマスから、学校は冬休みに入っている。今日は28日。もう直ぐ年明けである。
年末年始か。これといって予定はない。
「オレは特に。里という里もないし。ババアは病院だし」
『よかったら、このままうちでどう?私おせち作るし』
オレは動きを止めた。
「いや…さすがにそれは。いい加減帰らねーとと思ってたとこだし」
『なんで?このまま泊まっていきなよ。そのまま初詣も行けるし』
美羽は何事もないように言う。オレはお粥をもぐもぐとさせながら答えた。
「年末年始は家族水入らずで過ごすもんだろ」
『だから家族』
「は?」
『言ったでしょ。私はサソリの家族になるって』
確かに、言ったけど。オレは動揺する心を誤魔化すように今度はお茶を口に含む。
「…ご両親はなんて?」
『まだ病み上がりで大変だからゆっくりしてきなさいって。本当に気にしてないよ。サソリ次第』
これは、どう答えるのが正解なのだろう。正直、美羽の両親は今回の件に関して全く干渉がなくとても過ごしやすかった。おそらく気を遣ってくれたのだろう。
まだ体は重いし甘えたい反面、まだいるのか?常識がない!と言われるのが怖い。
『本当に全然、気にしなくていいから。熱があるときに看病してもらうなんて至って普通のことでしょ。サソリが一人暮らしだから、たまたまうちでってなっただけで』
美羽はオレの心情を察してかフォローをいれてくれる。
『あくまでサソリが嫌じゃなければだよ。私はほら、サソリがいてくれた方が嬉しいし』
美羽が上目遣いでオレを見た。
『…最近、あんまり喋れてなかったから。いっぱい喋りたいな』
そう言われてしまうとオレは例に違わず断れないのであった。