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美羽とはぼちぼち勉強し始めている。まだ一年の二学期だ。中学の総復習から入り地盤を整えていく予定である。
今日、美羽と皐月はS大のオープンキャンパスに行っているようだ。
野郎どもはオレの部屋に集まって思い思いに何かしている。それにわざわざ言及もしない。オレは参考書を開きながら、教えたいところをピックアップする作業をしていた。
「そういえばさぁ、サソリちゃん、美羽とどうなんだ?」
声を上げたのは飛段だった。飛段はデイダラとプレステをやりながらこちらを見ずに続ける。
「交際から3ヶ月以上たちましたが。もういい加減ヤッた?」
「……」
オレはパラリと参考書を捲る。
「ヤッてない」
「は!?まじかよ。まだ!?」
「随分清い交際だなぁ、うん」
デイダラも会話に混じる。オレはふう、とため息をついた。
「なんつーか、完全にヤるタイミング逃した」
「うん?」
「正直、初期の方はあっちからもそれとなくOKサイン出てたんだよ。ただ、最近は全くだな」
なんで?と聞かれて答える。
「完全に意識が勉強の方に向いてる。エロが頭から外れてるんだよな」
「あー…」
皆が納得したように頷いた。飛段がえー、でもよおと続ける。
「まだ一年の二学期だぜ?今から勉強入ったら卒業までできねえじゃん」
「そうなんだよ。困ってんだよ」
オレはペンを机の上に投げ捨てた。今日はぶちまけたい気分である。
「こんなことになるならあっちがわけわかってないうちにヤッとけばよかった」
「だから最初から言ってんじゃん。ヤッとけって」
「だってアイツ馬鹿だから。何も考えてねーんだもん。なんか騙し討ちでヤッちまったら可哀想で。色々考えてたらできなくなった」
皆が笑う。笑い事じゃねえんだが。オレはイスの背に体重をかけた。
「ヤバくないか?健全な高校生男子が3ヶ月以上も性行為なしって」
「いや、普通じゃね?ヤんねーからそんなに、うん」
旦那とか飛段はお盛んすぎ、と揶揄される。
「お前だってAVにはお盛んじゃねーか」
「ばっ…いいんだよ!妄想は自由じゃん、うん」
「ムッツリスケベめ」
デイダラはムスッとしてオレから視線を外した。所詮皆同じ穴の狢である。
オレは頬杖をついてため息を吐いた。
「一年くらいは待つつもりでいたんだけどな。一年でできるのかすら怪しくなってきた」
「言っちゃえばいいのに。挿れさせてって」
「ばっか。んなこと言ったら相手が断れなくなるだろ。無理やりヤんのはやなんだよ」
「でもそうなると美羽が誘ってくるの待つしかないってことじゃん。美羽が誘うか?」
「ねえだろうな」
そこは悩まなかった。彼女から言い出してくるのは120%ない。
「正直毎日ムラムラしてたまんねぇんだよ。バレたらやばいから自重してんの」
「実際のところ女子ってどうなんだろうな。ヤりたいって思うものなんだろうか」
イタチの言葉に、さあ、とオレ。
「体触られるのは嫌いじゃなさそうだけどな。上のお触りは割と許してくれるけど、下のガードは固いな」
「おっぱい触った?」
「触るもなにも。吸ってる」
吸ってるって、と鬼鮫が引いた顔でオレを見る。
「いや、吸うだろ。目の前にありゃ吸う」
「えー、いいな。柔らかい?」
「そりゃもう。ま、最近はそれすらないんだけど」
大きくて柔らかいおっぱいが目の前にあるのに触れすらしない。つらい。まじで。
「あいつ父親に溺愛されてるっぽくて。中学まで男シャットアウトされてたし、そういうのダメって自然に思ってるんじゃないかと」
「もう親と会ったのか?」
「母親と偶然な。父親とは会ってない」
「ふーん。どんな母ちゃん?」
真白さんのことを思い出す。
「…一言で言うと”女”だな」
「うん?」
「顔と声は美羽にそっくり。年齢しらねぇけどめちゃくちゃ若い。そして中身は女」
皆は頭に疑問符を浮かべる。彼女のことは口で説明するのが非常に難しい。
「初対面で、美羽とセックスしてる時ゴムしてるか聞かれた」
「ぶっは!まじで!?」
「オープンな親だな、うん」
「そ。あと料理は壊滅的らしい。なんでも甘くするって美羽が言ってた」
実際あの日のキムチ鍋が何故か甘かった。必然的に美羽が料理をしなくてはいけなくなり、上手くなったようだ。
「キャラが凄くて。会ったらビビるぜ」
「会ってみたいような会ってみたくないような…」
「もうすぐ文化祭じゃん。来るんじゃね?親」
真白さんの様子だと、美羽の様子を確認するために来るかもしれないな、と思った。
文化祭か、稼がないとな、と角都。角都は金が発生するイベントには積極的である。
「文化祭だけじゃない。体育祭もある。イベントは盛り沢山だ」
「はー…めんどくせえな」
オレのぼやきに、飛段はむふふ、と笑った。
「サソリちゃんの童貞卒業イベントはいつになるか、見ものだな」