11
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
美羽は大学受験を決めたらしい。学部は法学部。法学部はどこもそこそこレベルが高いが、最高峰がT大の法学部だ。
続いてS大、R大、J大と続く。
『T大は天地がひっくり返らない限り無理だし…やっぱりJ大かなあ」
二学期が始まり、初めの全国模試が終わった。美羽が大学の案内を見ながら唸っている。
「J大?あそこ遠くね?」
『うーん…通えないこともないけど往復3時間ってとこね。やっぱ厳しいなぁ。親が一人暮らし認めてくれるかわかんないし』
皐月も案内に目を通しながら話に参加する。
「えー。J大行ったら会えないじゃん。S大かR大にしなよ」
『そうしたいけど…レベルがなあ』
J大は県を跨ぐが、S大とR大は同県である。ちなみにT大に一番近いのはS大。しかしS大はT大とはいかないまでもレベルがなかなかに高い。
オレは買ったコーヒーに口をつけながら言った。
「まだ一年の二学期だし成績は伸び代があるだろ。今決めなくてもいいんじゃないか」
『そうだけど。目標は決めておいたほうがいいかと思ってさ』
ばさ、と美羽が案内を机に落とす。皐月が美羽の肩を叩いた。
「とりあえず今度オープンキャンパス行こうよ。私も色々行きたいし」
『そうだね』
「進路かぁ。オレまだ全然考えてねーよ」
飛段が頭を掻く。
「サソリとイタチはT大余裕だろ」
「サソリは余裕だが、オレはそうでもないよ。勉強しないとな」
謙遜しているがイタチも成績はトップクラスだ。T大に入るのはほぼ間違い無いだろう。
「鬼鮫と角都は?」
「まだハッキリと大学名までは決めて無いですね」
「オレは就職かな。早く金稼ぎたい」
ううん、と美羽はまた唸る。
『中学まで私立だったから、お金かかっただろうしな…国立に入れるのが一番いいけど』
「そうなるとT大かS大しかねえじゃん」
『そうなんですよ!残念ながら頭が追いつかなくて』
「だからオレが勉強見てやるって言ってんだろ。塾代浮くし、そこらのカテキョよりは成績伸ばせる自信あるぜ」
美羽が虚な目でオレを見る。
『私多分サソリが思ってる以上にバカなんだけど大丈夫?』
「は?お前元々バカじゃん。全然期待してないから大丈夫なんだけど」
『ひどっ』
美羽は本気で傷ついた顔をした。その様を見て笑うオレ。
「手取り足取り教えてやるから心配すんなって。オレのこと信用できないのか?」
『……』
美羽が上目遣いのまま押し黙る。飛段がまじ夫婦、とチャチャを入れた。