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夢小説設定
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「お前…何してんの?」
『え』
「来るっつーからずっと待ってたんだけど」
『はっ!?』
そういえばそうだった。サソリの家に行く途中フラッと本屋に寄って、こんなことに。
チラッと時計を確認すると時刻は15時を過ぎている。軽く2時間以上は待たせていた計算だ。
私は顔を青くした。
「LINEも全然繋がらねーし…何かあったのかと思って探したんだよ」
『ご、ごめん…色々ありまして』
「……」
サソリが私の隣に目を移す。
「お前ら知り合いだったっけ?」
「いや、さっき偶然」
サスケくんは至極冷静に言った。
「ちょっとトラブルがあってな。手助けした礼に少しご馳走になった」
「トラブル?」
詳しくはコイツに聞け、とサスケくん。サソリが再びジロっと私を見る。
サスケくんは何やら察したのか、じゃあオレはこれで、と踵を返した。
『サスケくん、今日は本当にありがとね』
「……」
私の声かけにサスケくんは無言で一瞥する。そのまま去っていくサスケくん。今度機会があったらまた話せたらいいな、と思った。
「……」
サソリは無言で私の腕を引っ張る。抵抗することもできず、私はそれについて行った。
会話のないまま、サソリのマンションのエントランスに到着する。オートロックを解除して、エレベーターに乗り込む。
サソリは私の腕を離さない。それと同時に全身からは怒りのオーラが出ていた。どうしよう。完全に怒っている。
家に押し込まれ、部屋の鍵が締まる。いつもは誰かがいるのに、今日に限って誰もいないようだった。しん、と広い家は静まり返っている。
『サソリ』
「……」
『ごめんね、連絡しなくて。ほんと、すっかり忘れてて』
サソリは無言である。私のことを見もしない。
なるべく言葉を選んで、真実を伝えようと努力する。
『たまたま寄った本屋さんで、万引きした人がいるの見ちゃって』
「……」
『声掛けたら、突き飛ばされて。その時サスケくんが助けてくれて』
「……」
『事情聴取とか受けて、その後お礼にサスケくんにお茶奢ったら、こんな時間で』
サソリが初めて私の顔を見た。不機嫌そうな様子に変わりはなかった。
『ごめんなさい。心配かけて』
サソリは、大きなため息をついた。
「お前、なんでそんな危ないことすんだよ。店員に声かけろ。自分でなんとかしようとすんな」
『サスケくんにも言われて、反省してる。でもあの時は考えるより先に体が』
動いちゃって、と私。サソリは呆れた様子で私を睨んでいる。
「突き飛ばされたって。怪我は?」
『…ここに少しだけ痣が。でも大したことないよ』
ピラ、とスカートをめくる。右の太腿に大きな痣ができていた。大したことないのに見た目は派手で大きい。サソリが更に眉間の皺を深くさせる。
「大したことないって…すげー色してんだけど」
『大丈夫だよ。ほんと見た目ほど痛くないから』
サソリが、腰を下ろした。私の怪我した太腿にそっと触れる。
「腫れてる。痛いだろ」
『痛くないって…んっ!』
ちゅ、とそこにサソリがキスをした。ゾクっとして慌てて一歩後ずさる。
『ちょっと…ダメだよ』
「何故?見せて」
サソリが私のスカートを捲る。この体制では普通にパンツが見えてしまう。
サソリは遠慮することなく太腿に舌を這わせた。ただただ驚いて拒否することができない。
サソリは何度も舌を往復させ、味わうように舐める。ゾクゾクした。気を抜くと口から甘い吐息が漏れてしまう。
「どうせ他も怪我してんだろ。ちゃんと見せろ」
サソリはそう言って、私の体をソファーに横たえらせた。びっくりして固まってしまう。
Tシャツを捲り上げ、脇腹の青を見つけるサソリ。
「ここも。怪我してる」
『ちょ、待って…だめ、…ンッ!』
ぺろ、と今度は脇腹を舐められる。くすぐったくて、体を捩る。
『ダメだってば…!やだ、恥ずかしいよ』
「どこ怪我してんのかちゃんと確認しなきゃいけねぇだろ」
シャツを胸の上まで捲り上げられ、丁寧に愛撫される。怪我の確認と言いながら、全然関係ないところも舐めている。
今日は水色のレースのブラだった。胸元にチュッとキスされる。サソリが悪戯に笑った。
「…ここも。確認していい?」
胸なんて、怪我しているわけがない。そんなことサソリもわかっているだろう。それなのに聞いてくると言うことは。
『……。ちょっと待って、シャワー浴びたい』
「シャワー?」
『沢山汗かいたから。臭いでしょ』
サソリがそのまま私の胸に顔を埋めた。必死に押し返す。
「いい匂いしかしないから問題ない」
『絶対嘘!やだ、ほんとに待って』
「いいのか?シャワーまで浴びるんだったら最後まで容赦しないぜ?」
最後まで。その言葉に顔が熱くなる。サソリは私の背中にそっと手を回した。プツン、と慣れた様子でフックを外される。
胸はこれまでも何度か見せたし、触られた。しかしそれは別に恥ずかしくないわけではない。
『ダメだってば…!見ないで!』
「だから確認させろって」
必死に両手で隠そうとするも、片手で簡単に捕らえられて頭上に拘束される。
空いている片手で揉まれて、サソリが一瞬動きを止めた。
「なんかいつもと感じ違うな。張ってる?」
『……生理前だから、ちょっと』
サソリが納得したようにああ、と呟いた。
「じゃあいつもよりもっと大きくて、敏感なんだな」
『やめて…ほんと、恥ずかしいから…あっ!』
サソリが私の乳首を口に含んだ。吸われて、甘噛みされる。
サソリがふっと笑った。
「いい声出るな。やっぱり感じやすい?」
『変なこと言わないで…』
よくわからなかった。正直、サソリに舐められればいつ何時でもとても感じてしまうからだ。
サソリは私の胸を愛撫しながら、無防備になっているお腹をそっと撫でる。
「美羽の子宮、このへんにある。6センチくらいの小さいやつ」
『……』
「お前の子宮な。オレの子供産むために今必死に大人になる準備してんだよ」
ぞくっとした。慌てて首を横に振る。
『そういうわけじゃないし…』
「何故?お前の性器は全部オレのためにある。オレに挿れられて、中に射精されて。オレのでいっぱいになって、卵がオレの精子受精すんだよ」
『……』
「お前の生理の苦痛は全部オレのためのもんだ」
キスをされる。私はむぅっと頬を膨らませた。
『なんか…そう考えるとサソリにムカついてきた。私生理重くてキツイの』
「そ。そのキツさは全部オレのため。お前はオレのために生きてんだよ」
だから、とサソリは続ける。
「体をこんな風に勝手に傷つけるのは許さない」
『……』
「お前はオレの女なんだから。オレに守られて抱かれてればいいんだよ」
何度もキスをされて、胸を弄ばれる。私はそれを静かに受け入れていた。
サソリは支配欲が強い。私を手中に収めて、甘やかし、自分に依存させたいと思っている。例えば私が何も学ばず大学に行かなかったとしても、彼は責めないだろう。むしろその方が都合がいいのかもしれない。弱い女は学を奪ったほうが男から逃げ難いからだ。それが気持ちいいと思う反面、こんな関係は対等じゃないと思う自分がいる。
私はサソリに服従したいわけではない。サソリの恋人として対等に、隣を歩きたいのだ。
サソリの背中に腕を回して、ぎゅうっと抱きしめる。サソリは驚いたように私をみた。
『やっぱりダメだ。決めた。私は大学受験する』
「…受験?」
ここで受験の話?とサソリは眉を寄せる。私は構わず続けた。
『法学部。受ける』
「……」
サソリは何も言わなかった。少し考える仕草をした後、ふぅん。
『サソリに似合う女になりたいから。これからは勉強も頑張る』
サソリは暫く目を瞬かせた後、ふ、と頬を緩めて笑った。