07
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遊園地なんて、いつぶりだろう。
小学生の時に親に連れていってもらって以来だから、5年ぶりくらい?
おもちゃ箱をひっくり返したようなキラキラした世界。私は暫くうっとりしていた。
「デイダラ!ジェットコースター乗るでしょ!」
「勿論だぜ、うん!」
皐月とデイダラがスタートダッシュをかまして走り去ってしまう。わりー!あとで連絡するわ!とデイダラの叫び声。何度目かの、仲が良いのね。
イタチはチラッと私を見て、鬼鮫に声をかけた。
「鬼鮫、行こうか」
「え、別行動ですか?」
「飛段。行くぞ」
「あ?おう」
『え、皆いっちゃうの?』
「二人はごゆっくり。サソリ、後で連絡するから」
イタチはサソリを一瞥してさっさと踵を返してしまった。
サソリが軽く手をあげて答えている。
急に二人にされ、なんとなく気まずい。
「お前、何乗りたいんだ?」
サソリが言った。私は顔を上げる。
「絶叫系得意?」
『えと…あんまり』
サソリはふっと笑った。
「オレも苦手。丁度いい」
『あ、またサソリの苦手なものみっけ』
絶叫系が嫌いなんだ、と私は呟く。サソリは微妙な顔。
「苦手なものじゃなくて、好きなもの知ってくれないか」
『ごめんごめん。珍しくてつい。じゃあさ、今日はいっぱいサソリの好きなもの教えて』
私はサソリの手を握った。サソリも自然に握り返してくれる。
「美羽」
『うん?』
名前を呼ばれて私は顔を上げた。サソリは首を横に振る。
「好きなもの教えてって言われたから。美羽」
『……』
私は目を泳がせる。その様を見てサソリはまた笑った。
****
乗り物に乗るというよりは、ブラブラ歩きながらデートするという感じだった。
サソリはおそらく、遊園地自体があまり好きではない。私に合わせてくれているのだということがすぐにわかった。聞くと、待つのが嫌いで…とのこと。確かに。彼の性格はそんな感じである。
「乗らなくていいのか?」
『うん。もう十分だよ』
噴水を見ながら私は言った。キラキラと踊る水が綺麗で、見ていて飽きない。少しだけ水しぶきが跳ねて、私たちの髪を濡らした。
ふと、私はその時サソリの耳にキラリと光るものがあることに気付いた。今までは髪が耳にかかっていて気付いていなかったけど。
『サソリ、ピアス開いてるんだ』
「ああ、これ?」
サソリが耳をいじる。シルバーのピアスがチカチカしている。
「中学の時にノリで。あいつらも開けるっていうからさ」
『ふぅん。痛かった?』
「痛くねぇって言ったら嘘だな。かなりビクってした」
はは、と私は笑う。
『でも似合うね。カッコいい』
私は自分の耳をいじる。ピアスか。今まで考えたことなかった。
『…私も開けようかな』
サソリが驚いたように私を見る。
「まあ、似合うとは思うけど。親に怒られないか?」
『どうだろ。多分大丈夫じゃないかな。お母さんも開いてるし』
少し考えるような仕草をするサソリ。
「お前なら…アクアマリン、ローズ、ルビーかな」
『?』
「似合う宝石」
あまりピンとこない。サソリはじっと私を見る。
「開けたいなら開けてやろうか?」
『え…できるの?』
「ピアッサーあればな。ここ売ってっかな」
サソリが辺りを見回す。探してみる?と言われ、私は首肯した。