05
夢小説設定
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放課後。いつも通りサソリくんと手を繋いで帰路に着いた。
スーパーに寄り夜ご飯の買い出しをして、サソリくんのマンションに向かう。いつものパターンである。
『買い物袋、いつも持ってくれてありがとね』
「いや。第一オレのだし。こちらこそ毎日ありがとな」
サソリくんは冷蔵庫の中に食材を詰めている。空っぽだった冷蔵庫も、最近は色々な食材と調味料が所狭しと並んでいる。
「今日何みる?」
『んー。ドラゴンボールの続き』
「またかよ。好きだな」
『だって面白いんだもん』
女子校育ちのため、少年漫画とアニメは今まで無縁であった。それなのにサソリくんの家で少し見たらすぐさまハマってしまったのだ。今までこんなに面白いものを知らなかったなんて。
『便利だよね。Amazonプライム』
「わざわざDVD借りなくても見られるからな」
『あ、ワンピースも続き貸してね。前借りたやつ持ってきたから』
「はいはい…」
ソファーに腰掛け、二人でドラゴンボールを鑑賞する。時々雑談しつつオヤツを摘んだ。これもいつもの流れである。
暫くそのまま見ていると、隣のサソリくんのコーヒーカップが空になっていることに気づいた。私はそれを回収し、キッチンでコーヒーを淹れ直す。そして、この隙に夜ご飯の仕込みをしてしまおうと、冷蔵庫を開けた。
…今から考えれば、これがよくなかった。
****
美羽が席を立ってから暫くの時間がたった。
首だけを動かしキッチンの様子を伺うと、何やら夕飯の支度をしているようだ。
なんだ、とオレは一時停止ボタンを押した。ドラゴンボールは好きだが、美羽が見ないならわざわざ見るほどのものでもない。
声を掛けるのは憚られて、オレは本棚からワンピースを探した。見ると、8、9、10巻が抜けている。オレは11から3冊を持って、美羽の鞄を拾い上げた。忘れないうちに本の交換をしておこうと思ったのだ。
開けると、すぐにワンピースが目に入った。それを取り出して、新しいものに変える。閉めようとしたところでふと、どぎついピンクが目を刺激した。なんだコレ、雑誌か?と興味本位で引っ張り出し、そして固まる。
そこには、デカデカと[女子高生のセックス事情]と書かれていた。パラパラっとめくって見れば、セックスのHOWTOが書かれている。さまざまな体位や、玩具使用の方法、フェラの仕方まで。
これ、R18じゃねぇのかな、と冷静に考える。女性誌というものは下手なエロ本よりエロい。普通に裸の女と男がヤッてる写真が載っている。しかも無修正。少子化対策か?と馬鹿なことを思う。
なんでこんなものを持っているのだろう。自分で買ったのか?考えてすぐ打ち消した。いや、ないな。クラスの女子に「えー?美羽ちゃんまだしてないの?これ読んで勉強したら?」と押し付けられた。そんなところだろう。
『サソリくーん。スープはコンソメと鶏ガラ、どっちが……』
せっかくなので雑誌を熟読していると、キッチンから美羽が顔を覗かせた。オレの姿を見て、今度は美羽が固まる。
『なんっ…何読んでんの!?』
「女子高生のセックス事情」
『ばっかじゃないの!?返して!』
美羽は顔を真っ赤にしてオレから雑誌を取り上げた。なんだよ、いいところだったのに、とオレ。
「学校にエロ本持ってくんなよ」
『私のじゃないし!無理やり押し付けられて…っ』
予想通りだった。しかし、恥ずかしがっている美羽を見るといじめたくなってしまう。
「こんなの読まなくても、オレが一から丁寧に教えてやるのに」
『…いいっ、結構です!』
美羽の細腕を掴み、体をソファーに横たえる。美羽が息を呑んだ。
「そんなにオレとセックスしたかった?」
『…ちがっ、違くて…』
「いいぜ。オレはいつでも。教えてやるよ」
オレを見上げながら完全に停止している美羽。オレはふっと笑って体を離した。
「…っていうのは冗談。そんなに怖がるなよ」
『…えっ…』
「そういう雑誌は読まなくていい。平均とか馬鹿らしい話だ。オレたちにはオレたちのペースってもんがある」
美羽がじっとオレを見ている。
『…サソリくんは』
「うん?」
『…やっぱり私と、そういうことしたいと思う?』
オレは冷静に答える。
「まあ…したいかしたくないかっていったらしたいぞ。男だからな」
『……』
「でも、お前にまだそういう気がないのはわかってるから。お前がその気になるまで待つし。別に焦ってもいない」
気にしなくていい、とオレは言った。
「さっきも言ったがそれぞれのペースっつーもんがあんの。他人は関係ない。オレと美羽の問題」
美羽はじっとオレを見続けたままだ。オレは話を変えようとリモコンに手を伸ばした。が、美羽に制される。
『…少し聞いていい?』
「なに?」
『どういうことするの?』
どういうことって…とオレは言葉を詰まらせた。そんなこと口で説明できない。
『何も知らないから。ピンとこなくて』
「…別に知らなくていい。その時に知れば」
『でもそれじゃ、したいとも思わなくない?どういうことか知らないし』
言われてみれば、そうかもしれないが。
オレは首に手を当てて考える。
「つっても…口で説明できるもんじゃない」
『じゃあ、少しだけ』
「ああ?」
『少しだけなら触っていいから。教えて』
またこいつはとんでもないことを言い出す。無言でいるオレに、美羽はソファーの横をトントンと叩いた。仕方なく隣に座る。
困った。下手な勉強より全然難しいじゃねーか。
『はい。サソリ先生、教えてください』
美羽が悪戯に笑う。瞬時にムラッときたがそれを悟らせるわけにはいかない。
オレは息を吐いて、努めて冷静に彼女を見た。
「…まずは、キスかな」
『キス?じゃあ、はい』
「えっ…すんのかよ」
『いいでしょキスくらい』
美羽が両手を広げてスタンバイする。なんだ、これ、罰ゲームか?なるべく冷静でいたいのにムラムラすることは避けられない事態である。
なるべく控えめに、美羽の唇にキスをした。くっつけるだけのキス。それで離そうとすると、美羽からダメ出しが入る。
『先生。そんなあっさりなキスでいいんでしょうか』
「勘弁してくれ…無理だ。勃っちまうから」
美羽が目を瞬かせる。
『キスだけで?』
「男には色々あんだよ」
オレの言葉にふぅん、と美羽。どうやらピンときていない様子である。
『次は?』
「次、は…胸かな」
『胸?』
美羽がたわわな乳を自ら掴む。
「こう…首筋あたりにキスをしながら、ボタン外す感じで」
ソファーの上で、触れないようにポーズだけで表現する。美羽はじっとその様を見ていた。
「やったろ。この前少し。あんな感じ」
『へー…』
「で、オレは細部まで見たいから。腕とか脇とか鎖骨とか。んで、舐めたい」
制服の上から、腕にキスをする。美羽は初めて少し恥ずかしそうな顔をした。
『舐められるのは…恥ずかしい、かな』
「そ。恥ずかしいことすんだよ。で、お前の恥ずかしいとこほど見ると楽しい。お前も恥ずかしいところ舐められれば舐められるほど気持ち良くなるわけ」
美羽が眉を寄せて考えている。
こんなもんでいいか?と聞くと美羽は首を横に振った。
『ダメ。もっと教えて』
「もういいだろ…大体わかるじゃねえか」
『わかんないもん。教えて』
何故こんなに積極的なんだ。
仕方なくオレは美羽をソファーに寝かせ、覆い被さった。無論、服は全く乱さないままである。
「そうしてっと…多分、気持ちよくなるから」
『……』
「脚とか、太腿とか。お前すごい綺麗な脚してるから。是非舐めたい」
ちゅ、と太腿の内側にキスをする。びくっと美羽の身体が震えた。今はしないぞ、と念を押す。
「で…全身舐めたら、見たくなるわけよ」
『何を?』
「……お前の、一番やらしいところ」
美羽は流石に察したようだった。
「お前が気持ちいいと、濡れるの」
『濡れる?』
「そ。股からスケベ汁が出るの」
若干引いている様子の美羽にオレは続ける。
「指でいじったり、舐めたり…時には玩具使ったりとか。お前が凄く気持ちよくなるまで慣らして」
『……』
「んで、お前がもっと気持ちよくなりたいな、と思ったら」
『……』
太腿を掴んで、押し広げた。少しだけ体重をかける。そしてオレは耳元で囁いた。ここに挿れるんだよ、と。美羽の顔がカッと赤くなる。
「オレが動いて、お前の中出入りして」
『……』
「挿れながらキスしたり、胸とか耳とか舐めたり。そうするともっと気持ちよくなるから」
『……』
「イッてくれると嬉しいな。ま、最初は無理かもしれねえけど」
『イク…って?』
オレはフッと笑った。
「それはしてからのお楽しみ」
『……』
「こんなもんだ。たいしたことねぇだろ」
『たいしたことは…ある、でしょ』
美羽はもじもじしている。オレは身体を起こした。任務完遂だ。頑張った、オレ。半勃ちなのはご愛嬌である。
『…そっかぁ、みんなこんな恥ずかしいこと、普通にしてるんだ』
美羽にバレないように落ち着けていると、美羽はソファーからゆっくりと身体を起こした。その顔は冴えない。刺激が強かったようである。
「ま、焦らなくていいから。今、オレはお前との関係に満足してる」
『……』
「…オレたちはまだ、付き合いが浅い。お互いに知らないことが沢山ある。オレはお前のことがもっと知りたい。セックスはそれの延長線上にあるだけなんだよ」
美羽の頭を優しく撫でる。彼女は気持ちよさそうに目を閉じた。犬みたいだな、と笑う。
「でも、初めてはオレにくれよ。焦りはしないけど。そこだけは約束して」
『……』
美羽は俯きながら、それでも僅かに首を縦にふって『うん』と小さな声で答えた。