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私は指定された通りにサッカー部の部室に向かった。部室をノックすれば、中からぶっきらぼうな声。
「遅い」
『え。まだ6時10分前だよ』
「早く着いたコーチより先に来るのは生徒の義務だ」
『そんな無茶な…』
「時間は有限だぞ。お前が今一番優先しなきゃいけないことはなんだよ」
反論しようとして、泣き言クレーム一切受け付けないという条件で練習を見てもらっているのだということを思い出した。それにシーくんの言っていることは何も間違っていない。
私は素直にごめんなさいと言った。
『明日から気をつけます、コーチ』
「ならいい。で、これな」
シーくんは私に一枚の紙を差し出した。
「練習メニュー?」
「そう。指定された回数これをやれ」
ざっと目を通す。腹筋、背筋、スクワットというスタンダードな筋トレから、体幹トレーニング、ストレッチまでこと細かく描いてある。昨日の今日で作ってくれたらしい。薄々思っていたけれどシーくんってかなり几帳面だ。
「わかりやすく言えば現在お前はエンジンが壊れている状況。壊れた車にいくらガソリン入れても早く走れるわけがない」
『なるほど。エンジンを強化するってわけね』
「そういうことだ。大元を鍛えれば自ずと結果はついてくる」
見ててやるからとりあえずやってみろ。その言葉に私は首肯した。