03
夢小説設定
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3日後。私は早瀬くんにどうコンタクトを取ろうか悩んでいた。
早瀬くんと私は美化委員が一緒という繋がりしかない。勿論LINEも知らなかった。
『うーん…』
「どうしたの?美羽」
現在は昼休みである。自作のおにぎりにかぶりつきながら私は答えた。
『特に仲が良くない男子とのコンタクトの取り方を考えてる』
「特に仲良くない男子?」
皐月はモグモグとサンドイッチを食べている。
「…浮気?」
『違います。ていうかまだ付き合ってないし』
「ふーん、まだ、ね」
皐月はニヤニヤした。それに答えず、私はおにぎりをもう一口。
『クラス違うと接点もないしなぁ…』
「んなの、美羽ならチラッとパンツ見せればイチコロじゃん」
スカートを巻くられ、私はその手を軽く叩く。
『別に落としたいわけじゃないの!』
「早瀬でしょ?サッカー部なんだから、それこそ今の時間サッカーしてるんじゃない?」
驚いて皐月を見る。皐月はなんでもない風に言った。
「美羽に気がありそうだったもんね、早瀬。何か言われたの?」
『相変わらず鋭いなあ…』
「わかりやすいもん。美羽は。サソリともなんかあったでしょ」
押し黙る。図星すぎてなにも言えなかった。
サソリくんはあの日以来、私に指一本触れてこない。本人曰く、戒め期間らしい。
そういう一つ一つの気遣いに一々キュンキュンしてしまう。もうダメだ。私は完全にサソリくんにやられている。
『サソリくんとは…とりあえずいい方向に向かってるというか』
「付き合う気になったの?」
『…そういうのは、本人に一番に言いたいから。今は言えない』
皐月はふふっと笑った。
「恋する乙女って感じね。美羽可愛い」
『からかわないで。…昼休み、サッカー場行けば会えるかな』
「そうじゃない?一緒に行こうか?」
『ううん。一人で大丈夫』
もう3日も経ってしまった。そろそろ、ちゃんと話さなければいけない。
私はいつもより早くご飯を食べ終え、サッカー場に向かった。
****
昼休み、弁当箱を美羽に返そうと探すも姿が見つからない。
「皐月」
他の女子と談笑している皐月に声をかける。なにー?と皐月。
「美羽は?」
「サッカー場行ったよ」
「サッカー場?」
「早瀬に会いに行った」
早瀬。その名前に反応する。そしてすぐに察した。早瀬に告白の返事をしに行ったのだろう。
「気になる?」
オレが黙っていると、皐月はニヤッと笑った。
「いや。大体事情知ってるから」
「嘘だぁ。気になるって顔に書いてあるわよ」
「……」
チッと舌を打った。こいつは妙に鋭くて苦手である。
「気になるなら行ってきなよ。そんな時間たってないから。追いつけるんじゃない?」
その言葉には答えず、オレは教室を後にした。