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初めて彼を見たときの印象は、女の人みたいな綺麗な顔をしている人。でも表情筋の動かない、なにを考えているかよくわからない人、だった。なんとなく怖くて、あまり関わらないようにしよう、と思ったことをよく覚えている。
あの日。彼が私に傘を差し出してくれた時。怖そうだけど優しい人、に印象が変わった。その日から少しずつ、私のサソリに対する感情が変化し始めたのだ。
彼のことを知れば知るほど、もっと知りたくなる。最初はただの興味だった。同じ歳の男の子と話したことがなかった私には、どれも新鮮で。彼の意外な一面を知る度に嬉しかった。
笑ってくれるとドキドキするようになったのはいつからだろう。気づいた頃には私は彼を大好きになっていた。
私の生活にはサソリが不可欠だったし、サソリもそう思ってくれているのだと思っていた。でも、違ったみたいだ。
サソリの気持ちがわからない。どうして、彼は私に何も言ってくれないのだろう。
こんなに大好きなのに。どうして、彼は私の手を振りほどこうとするんだろう。
どうして、彼は。私と過ごす未来を、一緒に考えてくれないんだろう。