03
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「えー、まだ付き合ってないのお前ら」
飛段の言葉を聞きながら、オレは弁当のサンドイッチにかぶりつく。今日は珍しくパンだ。しかし一つ一つ挟まっている具が違う。勿論どれも美味しい。
「仕方ないだろ。あいつが待ってくれって言うんだから」
「偉く消極的だな。もっとガンガン押したら?うん」
消極的、か。もうハグもキスもしてんだけどな。それもギリギリアウトくらいだろうにこれ以上押したら犯罪じゃないだろうか。
「まあ、ゆっくりやるわ。無理矢理OK貰っても嬉しくねーし」
「今回は紳士ですねぇ。前までの彼女への適当っぷりが嘘みたいです」
「前までのは彼女っつーかセフレだから」
「やっぱり最低だなお前」
角都に言われて、オレは頭を掻く。
「昔のこと言われたらなんも言えねーけど。今回はちゃんとする。傷つけたくないし」
「大事にしてるんだな、美羽のこと」
イタチが生暖かい目でオレを見ている。オレはなにも答えず水筒の茶を啜った。
「あ、おーい、皐月。ちょっと来て、うん」
デイダラが皐月に声をかけた。なに?と皐月がよってくる。
「美羽、どう?」
「あー、美羽ね」
皐月がチラッとオレを見た。オレも無言で見返す。
「どーにもこーにも自己評価が低すぎて。自分はサソリに似合わないと思い込んでるのよね」
男性陣が頭に?マークを浮かべる。
皐月は腕を組みながら答えた。
「自分に自信がないのよ。あの子中学まで私立の女子校でしょ。散々嫌なこと言われてきたみたいで。今もサソリファンに色々言われるし」
「えー、美羽ちゃん可愛いじゃん」
「可愛いからでしょ。出る杭は打たれるというか。そんな感じ」
「女はめんどくせぇな、うん」
デイダラの言葉に皐月も同意する。
「あと、男に免疫がないから。どうしたらいいかわかんないんだって。告白OKしたら食われるくらいに思ってんじゃないの」
「食われるって…そんな大袈裟な」
まあ、食ってると言えば食ってるけど。オレは残りのサンドイッチを口に放り込む。
皐月はニヤッと笑った。
「今はサソリを好きな気持ちが6割、他の邪念が4割ってとこじゃないかな。まあ頑張って。めでたく付き合ったら冷やかしてあげる」
皐月はヒラヒラと手を振りながら去っていった。相変わらずあっさりした女である。
「なんか女と付き合うってめんどくせーな。オレは当分セフレでいいや」
飛段の言葉にオレは笑った。
「そうか?オレはちょっと楽しい」
「?」
「どうやったら落とせんのかなってずっと考えてる。このめんどくささが癖になる」
「ぶっ、旦那って意外にMだな」
「うっせー。そんなんじゃねぇよ」
オレはチラッと美羽のことを見た。すると美羽も丁度こちらを見たところのようで目が合う。
手を振ると、美羽は一瞬つられて手を上げた。が、すぐに周りを気にして手を下ろしてしまう。その様を見てオレはまた笑った。
「随分とハマってるな」
イタチの言葉もそこそこに、オレは目の合わなくなった美羽を眺め続けていた。