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夢小説設定
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あの後再びマダラの家に行き、しおりの作成に取り掛かった。が、1日だけでは流石に終えられず、また後日続きをする手筈になった。
現在オレたちは電車に揺られている。1つ空いた席に美羽を無理やり座らせ、オレとデイダラは彼女の前に立っている。
美羽は始めの時こそオレたちに気を使っていたが、現在完全に夢の中に入っている。今日彼女は猫と遊ぶか寝るかしかしてねーな、とこっそり思った。
「旦那さぁ」
デイダラが美羽の寝顔を眺めながら口を開く。
「その…いつから気付いてた?」
「は?」
「オイラが…美羽を、」
ああ、とオレは呟いた。
デイダラが美羽に好意を抱いていると気付いたのは、昨年のクリスマスである。それを伝えると、デイダラはうぅん、と唸った。
「そんな前からばれていたとは…うん」
「分かり易すぎるんだよ」
チラッとオレを見るデイダラ。
「好きなのは、確かに好きなんだけど。でも本当にそういうんじゃなくて」
「……」
「なんつーか…凄い一途で可愛いなって。旦那のことを好きな美羽が好き、みたいな感じなんだよ、うん」
オレのことを好きな美羽が好き、か。
オレは失笑した。
「マゾだな」
「ちげーよ。ただ、何もするつもりはねぇから安心しろって話。うん」
横恋慕とか趣味じゃねぇから、とデイダラ。
オレはふんっと鼻を鳴らす。
「別に気にしてない。どっちにしろ美羽はオレのだからな」
「マダラの顔が好きってだけで超絶嫉妬してたのは誰だっけ、うん?」
ギロっとデイダラを睨む。デイダラは開き直ってすまし顔である。
「別に妬いてねーよ。趣味悪ィなと思っただけだ」
「ふーん?じゃあオイラも美羽に好きって言っていい?」
「なんでそうなるんだよ…」
ダメに決まってんだろうが、とオレは言った。デイダラはにやーっと怪しく笑う。
「旦那。それを嫉妬っていうんスよ、うん?」
「違う。コイツを混乱させたくねぇだけだ」
恐らく、デイダラの好意は彼女にとって奴が予想しているより遥かに重い。何故なら皐月がいるからだ。美羽は皐月がデイダラに恋心を持っているのを知っている。
万が一デイダラが自分を好きだと知ったら、彼女はどうなってしまうのだろう。恐ろしくて考えたくなかった。
しかしこのややこしさを伝えることができないのがもどかしい。
結局オレはため息をつくらいしかできないのである。
「めんどくせぇな、恋愛って」
「ほんとにな、うん」
高校2年生の夏、心地よく揺れる電車の中。オレたちの恋心は順調に拗れていた。