満月の夜
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『輪廻転生、ってご存知ですか?』
ひんやりと冷えた室内で、身体の内側だけがジンジンと火照る。私の言葉に、額に汗を滲ませた彼はうん?と小首を傾げた。
『死んであの世に還った言霊が、この世に何度も生まれ変わってくることです』
「……」
『もし、私が死んだら。次は争いのない、平和な世界に生まれ変わったりすることがあるのでしょうか?』
彼は笑った。と同時に奥を突かれ、ンッ、と高い声が出る。
「こんな時でも君は冷静だな」
『すみません。少し気になってしまって』
「…そうだね。もし、生まれ変わったら。君は僕じゃない、他の男と幸せになるのかもね」
もう少し動くよ、と囁かれる。私は素直にはい、と答えた。汗ばんだ背中に腕を回し、足を開いて彼の欲を受け入れる。
「ごめんね、気持ちよくない?」
『そんなことはないです』
「気持ちいい、って言わないのが君らしいね」
でもそんなところが好きだよ、と彼は囁いた。
腰の動きが早くなる。鈍い痛みに私は唇を噛み締めた。出すよ、の言葉を無言で受け入れる。
生暖かい液体が腹の中にぶち撒けられた。膣と子宮が痙攣を起こす。私の性器はいつものように彼の性液を従順に飲み込んだ。今回は妊娠するといいね、の言葉に、はい、とまた嘘をつく。
嘘は嫌いだったのに。彼の前では、もう息を吐くかのように嘘をつけるようになってしまった。
「僕は生まれ変わらなくてもいいな」
『はい?』
「君が生まれ変わったら、きっと君は僕を選ばないから。だから僕はこの世のままでいい」
無数の傷跡の残る彼の体躯。彼は今もなお、常に死と隣り合わせの忍びの世界の住人だ。
命を失う恐怖をこんなにも知っているのに。彼はそれでもなお、この世界を生きたいという。
首筋に彼の舌が這う。ぞわぞわした。今日もまた、一回では終わらせて貰えないらしい。
一方通行の愛情を、彼は毎日飽きることなく私に注いでいる。
「君が好きだよ」
『……』
「だから早く、君も僕を好きになってね」
彼はそう言っていつも通りの爽やかな顔で笑った。
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